CAMP HACK × DIYer(s)
この記事は、ライフスタイルメディア「DIYer(s)」で掲載されたDIY方法をCAMP HACKでもお届けする連携企画です。
今回は、シンプルな構造でありながら高い暖房効果を期待できる、ロケットストーブのDIYをご紹介します!
すぐ作れる! 低コスト! 軽い!ロケットストーブをDIY!
DIY好きの中でも高い人気を誇るロケットストーブ。実は簡単に手作りできて、機能性も上々らしいのです。そこで今回、日本唯一のDIY・日曜大工の専門誌「ドゥーパ!」の編集部員さんにロケットストーブを作り方のレクチャーを依頼。庭で火を愉しみながらアウトドアクッキングを堪能すべく、ロケットストーブ作りに挑戦しました!
そもそもロケットストーブとは?
ロケットストーブの要は、真っすぐに立つ煙突(ヒートライザー)。これさえ完成すれば、ロケットストーブはほぼ完成したといっても過言ではありません。
あとは、煙突の下端に焚き口を設け、そこに薪を入れて燃やすだけ。このように、原理的な構造はとても単純です。
そもそも真っすぐに立つ煙突は、上昇気流を生んで燃焼効率を高めるもの。そこに断熱を施すことで、内部がより高温になり上昇気流の勢いも増して二次燃焼が起きるといわれています。
結果、燃焼効率がさらに高まることで、薪のエネルギーを有効活用でき煙の排出が少なくなります。これが、ロケットストーブの機能が賞賛される理由なのです。
なおロケットストーブには、ヒートライザーから煙道を横に延長させるなどして室内の暖房に利用するタイプもありますが、本記事では屋外での調理・焚き火用にターゲットを絞っています。
ちなみにロケットストーブの名称の由来には諸説ありますが、完全燃焼状態となったときにゴーゴーと轟く吸気音がロケットのようだから、というのが有力なんだとか。
本記事では、シンプルな基本形のロケットストーブを製作しています。工程は簡単で、撮影をしながらでも1時間以内で製作できるような、コンパクトかつ実用的なモデル。
材料は燃焼部になる薪ストーブ用のステンレス煙突、容器になる18L天切り缶(いわゆるフタ付き一斗缶)に、断熱材になる園芸用のパーライト14Lを用意します。材料費も約4,000円と、お財布にも優しい。
ざっくりとして工程は、容器となる天切り缶のフタと本体に煙突を通す穴をあけ、煙突を通し、天切り缶のすき間にパーライトを充填してフタをすればできあがり、という流れです。
使用資材一覧
・天切り缶(18L・フタ付き)・ステンレスハゼ折りシングル半直筒(φ106㎜)
・ステンレスハゼ折りシングル、エビ曲90度(φ106㎜)
・パーライト(14L)1袋
使用道具一覧
・金切りバサミ・バール(缶に穴をあけられるものならなんでも可)
・定規
・メジャー
・マジック
・石工ハンマー(カナヅチでも可)
・革手袋
・アルミテープ
STEP.01 フタに穴をあける
フタの真ん中に煙突を当てて、マジックで円を写します。ほんの少しゆるめに書いておくと、後で煙突を差し込みやすくなります。円を8等分にし、切り線にします。等分線を増やすと切り抜く円はきれいになりますが、作業はその分増えます。
バールの先を円の中心に当てて、切りはじめの穴をあけます。穴あけしやすいものならバールでなくてもOK。金切りバサミの先が差し込める程度の穴をあけましょう。
切り線に沿って、円周まで金切りバサミで切れ込みを入れていきます。
8本の切り線すべてに切り込みを入れます。
切れ込みを写真のように内側(フタの下側)に折り曲げます。
いびつになったところはハンマーで叩き、円に近くなるように修正します。
なるべくきれいな円形の穴にしましょう。
形が整ってきたら穴をあけたフタに煙突(半直筒)を通してみましょう。引っ掛かるようであれば、叩いてさらに修正します。
STEP.02 本体に穴をあける
フタと同じく、缶の本体にも煙突穴の円を墨つけします。同じ要領で本体の円にも切り線を描いておきます。本体の穴は、底から3㎝のところに下端がくるようにします。
フタと同じように本体側の穴あけが済んだら、煙突(エビ曲90度)を差し込んで不具合がないか確認します。
STEP.03 煙突を取り付ける
エビ曲90度は本体の中に、このような感じで収まります。本体内にエビ曲90度を取り付けた姿がコチラ。
エビ曲90度管に半直筒を取り付けてフタを差し込みます。
本体に煙突が取り付けられた状態。
STEP.04 煙突をカット
半直筒は本体から1㎝だけ飛び出るようにするので、一度半直筒管を取り外してサイズに合わせてカットします。エビ曲90度の直径の約3分の1の部分で幅がいくつあるか調べます。
切り離した半直筒を平らに叩き、そこから幅10㎝、長さ12㎝程度の板(ロストル)を作ります。
切り出したロストルを、焚き口に差し込みます。ロストルの下側が煙突に新鮮な空気を送る吸気口となります。
STEP.05 パーライトを本体に入れる
短くした半直筒を元に戻します。煙突と本体のすき間にパーライトを注ぎ込みます。
パーライト14Lを全部入れるとこのようになります。これだけ入っていれば実用には十分です。
隙間からパーライトがこぼれないよう、耐熱性のあるアルミテープで塞ぎます。
天切り缶のフタをしてロケットストーブのできあがりです。
無事に完成したロケットストーブ。仕上がりは片手で持ち上がるほど軽量で、持ち運びも簡単!せっかくなので実際に火を灯してみました。
また、煙突の上にゴトクを載せれば料理もできます。構造上、燃焼中は火加減の調節が難しいですが、湯を沸かしたり、煮込んだりにはとても便利。
煙突上端とゴトクのすき間は写真のように広めに設定すると、空気の流れがよくなり燃焼効率が上がります。
そして火が安定すると炎は螺旋形に回りながら煙突から噴出してきます。これくらい燃えると、煙は出てきませんでした。
以上、すぐ作れる! 低コスト! 軽い! ロケットストーブの作り方をお送りしました。ロケットストーブ自体はとても軽く、キャンプに持ち込むにもピッタリ。
焚き口に割り箸や枯れた杉の葉など、点火しやすい燃料を押し込み点火。これに十分火が回った後に、煙突の上からよく乾いた薪を入れれば、すぐに薪に火が移って、本格的に燃焼します。
ぜひロケットストーブのDIYにチャレンジして、庭で火を愉しみ、アウトドアクッキングを堪能してください。
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