身体の運動を記録する、いわゆる活動量計はすっかり浸透した感があります。が、さらに「心の動き」もログを取るガジェットが登場しました。
ロンドンのメーカー VINAYA が開発している ZENTA はリストバンド型のライフログガジェットです。このカテゴリーの一般的なモデル同様に、歩数やアクティビティ、睡眠といった情報を記録しますが、さらにユーザーの感情の状態をも測定してしまうのがすごいところ。メーカーは「世界で初めてバイオメトリクスセンサーを搭載したウェアラブルデバイス」とうたっています。
デバイスは心拍、呼吸、脈拍、皮膚電位活動、血中の酸素数値や飽和度、皮膚温度、声などなどを測定。こうした身体の情報だけでなく、スマートフォンとシンクしてその利用状況もトラッキングするそう。これらのデータを複合し、ユーザーの感情の起伏を読み解くのです。ディープラーニング的なアルゴリズムによって、使えば使うほどデバイスのユーザー理解が深まるようです。ちょっと怖い感じもありますが。。
ストレスを感じている、ハッピーな気分、不機嫌……といったメンタルの状態を測定し、ビジュアルやグラフによって明快に示してくれます。また、過度にストレスがかかった時などにスマホに通知やアラートを送ることも可能。
ちょっと変わったところでは、リラックスして心を落ち着かせるための瞑想や呼吸法にユーザーをスムーズに導いてくれる機能も備えています。注意力散漫にならないよう、スマホからの通知をフィルタリングできるという機能もおもしろいと思いました。スマホこそがストレスの温床、ということなんでしょうか(笑)。
ZENTA はindiegogo でファンディング中で、製品の完成は2017年の予定。どれだけ正確に感情を読み解き、そしてどれだけの実用性があるのかは正直なところ、まだ未知数でしょう。しかし、心の動きも記録するというのは、ライフログガジェットとしての正しい進化のあり方なのではないでしょうか。身体と心は別ではなく、やはり心も含めて身体であるはずですから。