これを待望していたランナーは多いはず。「雲の上の走り」をコンセプトにかかげたユニークなアウトソールを持つシューズで注目を集めた On が、満を持してトレイル・ランニングに特化したモデルを発売しました。
On は2010年にスイスで創設されたメーカー。最大の特徴は CloudTec と呼ばれるマカロニのような靴族のラバーです。その中空構造と素材特性により、着地時に管がつぶれて衝撃を吸収しつつ、もとのかたちに戻ろうとする復元力で蹴り出しをサポートします。gearedでも日本への本格上陸前から注目し、使用感をお伝えするインプレ記事や、土屋智哉さんの詳細なコラムなどで、その魅力をお伝えしてきました。今では国内のスポーツ店にも多種多様なモデルが並び、新たな定番としての地位を確立しつつあります。
ところが、ロード用のシューズが充実している一方、山での使用を意識したシューズは On のラインナップにおける死角となっていました。山岳スポーツが盛んなスイスに拠点を置いているにも関わらずトレイルに特化したモデルがなかったのは意外ですが、むしろ本場のメーカーとしての矜持ゆえ開発に万全を期していたのかもしれません。
そして2016年夏、「On を山でも!」という期待に応える初のトレランシューズ、Cloudventure シリーズがついに発売されました。
まず気になるのは、やはりアウトソールの仕様でしょう。一目で On のそれと分かる CloudTec の構造はそのままに、トレイルでのグリップ性や制動性を高める工夫が凝らされているそうです。第一に、靴底の全面に三角形のパターンを配置してスリップを防止。さらにエッジ部にサメの歯を思わせるギザギザの刻みがあり、路面へしっかり食いつきます。
また、踵・拇指球付近・前足部にはスムーズな足運びをサポートできるように進行方向を垂直に指し示すような矢印型のグリップを設けています。その他の部分にも指向性を定めるひし形のグリップを置き、悪路や坂道でも力が無駄に逃げないよう設計されているとのこと。前後のドロップ差は6mmにおさえられているので、前足着地派もそれほど違和感なく使えるのではないでしょうか。
アッパーは、足をソフトに包むインナーと、通気性の高いメッシュアウターの2層構造です。さらに、通常のモデルに加えてインナーの高さをくるぶしまで延長したプロテクション重視のモデルもあり。ローカット版もミッドトップ版も、先端にトゥ・キャップが圧着されているため、爪先の保護もしっかりしています。
スイスアルプスでのたゆまぬテスト結果がこうした堅実な機能性に反映されている一方、On ならではの遊び心が光るデザインも大きな魅力でしょう。山どころか未来的な都市に似合いそうな、どこかサイバーなフォルムとカラーは、それだけでも好奇心を刺激してくれます。トレイルのみならず、普段のランニングやタウンユースでも、浮遊感のある楽しい気分を足元から演出してくれそうです。
- 製品名1
- Cloudventure
- 重量1
- 295g(メンズ26.5cm)
- 価格1
- 17,064円(税込)
- 製品名2
- Cloudventure Midtop
- 重量2
- 305g(メンズ26.5cm)
- 価格2
- 18,114円(税込)
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- On
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