続々と意欲的な道具が新発売されているハンモック界に、独創的なインフレータブル・ギアでおなじみの Klymit が満を持して参入。寝心地を向上させるためのマットを発売しました。
Hammock V と名付けられたこのギアは、ご覧の通りハンモック内に敷いて使用するもの。ハンモックギアの最新動向をご紹介したくださった土屋智哉さんの連載でも少しだけ言及されていた新商品です。
ベースとなっているのは、Klymit のラインナップではおなじみのVシリーズ。その名前の由来でもあるカーブした気室の形状には、体重がかかっても空気が全体に分散させて寝心地を保つ効果があります。さらに独自のボディマッピング技術により、ずれを防ぐ効果もあるとのこと。背面とハンモックとのあいだに均質な空気の層をつくって、快適な温度と姿勢をキープしてくれるというわけです。
ただ背面をケアするだけならば他のスリーピング・マットでも応用可能ですが、このギアの最大の特徴は、両サイドにも設けられた気室でしょう。背面だけでなく側面にも壁をつくって保温性を高めつつ、ハンモックの生地にテンションをかけて寝床をよりフラットな形状に保ちます。これならのんびり寝返りをうったりしても大丈夫そうです。汎用性も高く、さまざまなメーカーのハンモックにフィットするようデザインされているとのこと。
サイズは119cm×198cmで、気になる重量は765g。同じVシリーズの全身用マットと比べると、通常モデルが514g、保温材入りモデルが709gなので、サイドに気室があるぶんやや重たくなってしまうことは否めません。他社のハンモック・アクセサリーと比べても、たとえば背面からの冷えを防ぐことに特化した THARMAREST の Slacker Hammock Warmer が210gと、軽量性の面では機能性を絞った道具が優位です。
それでも「いったいどんな寝心地になるのか……」と想像せずにはいられないインパクトのある一品ですし、そこそこの重量と寝心地を天秤にかけてあれこれ想像する楽しさがまたひとつ増えたことに意義があるのではないでしょうか。これが好評を博せば、Vシリーズと双璧をなす Klymit の人気ラインナップである Inertia シリーズからも、マット本体を大胆に肉抜きした軽量性重視のハンモック・マットが発売されるのでは……と編集Tは期待しています。