加速し続けるSUV人気
アウトドア志向性の高さとスポーティーでカッコいいルックスに加え、荷物もしっかり積めてファミリーユースにも使えるSUV。そんなマルチでユーティリティ性の高いSUV車を狙っているキャンパーも多いのでは?「ミドルクラスSUV」って、どんなクルマ?
日本では、ボディ全長4500mm以上4800mm未満程度の「ミドルクラスSUV」の人気が高まっています。ランクルやパジェロのような大型クロスカントリーSUVほどの悪路走破性はないものの、コンパクトSUVや軽SUVに比べるとアウトドア志向性が高いのが特徴です。今、なぜミドルクラスSUVが人気なのか?
日本でミドルクラスSUVの人気が高い理由としては、下記が挙げられます。・狭い道路や駐車スペースにフィットしたサイズ感
・大型SUVに比べ燃費がよく価格が手頃
・トレンドの車として、各メーカーの競争がクオリティUPや車種の充実を促進
大型クロスカントリーSUVと軽SUVの魅力をいいとこ取りしているような性能で、街乗りもアウトドアも両方バランスよく楽しみたいというワガママなニーズを見事に満たしています。
そして人気の高まりが好循環となり、今、ミドルクラスSUVには実力モデルが勢揃いしているんです!
熾烈な頂上争いを繰り広げる4車種をピックアップ!
そんな実力モデル揃いのミドルクラスSUV市場では、2019年にトヨタ「RAV4」が参戦。熾烈な頂上争いを繰り広げる4車種をピックアップしてみました!トヨタ「RAV4」
2005年の3代目を最後に国内販売が中止され、4代目からは海外販売のみとなっていたトヨタ「RAV4」。2019年4月に5代目が日本市場に復活しました。世界初の「ダイナミックトルクベクタリングAWD」システムの搭載が注目を集める、最新クロスオーバーSUVです。
スバル「フォレスター」
2018年7月にフルモデルチェンジし、5代目となるスバル「フォレスター」。ドライバーの居眠り運転などを検知して注意を促す「ドライバーモニタリングシステム」のほか、ハイブリッド「e-BOXER」エンジンなどがスバル最新技術の結晶として話題に。ホンダ「CR-V」
ホンダ「CR-V」も2018年秋にフルモデルチェンジの5代目が発売。初となるハイブリッドモデルでは、「SPORT HYBRID i-MMD」システムの搭載により電気自動車のようなスムーズな加速とリニアな乗り心地を実現。広い室内空間や多彩なシートアレンジなどユーティリティの高さも健在です。ニッサン「エクストレイル」
2018年のミドルクラスSUV販売台数NO.1を誇るニッサン「エクストレイル」(2018年1月〜12月自販連調べ)。シートにフロア、ラゲッジボードも防水仕様で、濡れた水着やスキーウェアでも気兼ねなく乗車することが可能。濡れたギアもそのまま積み込めるなど、アウトドア志向性の高さが強く支持されています。キャンパーが気になる6つのポイントを徹底比較
それぞれの魅力があり、グレードもさまざまで単純な比較が難しい4車種。そこで、キャンパー目線から気になる6つのポイントで徹底比較してみました。その① 悪路走破性能では?
まずは、やはりSUVとしての悪路走破性の高さについてみていきましょう。地面の凹凸への対応に関わる最低地上高の高さでは、スバル「フォレスター」がトップ。<最低地上高>
●フォレスター:220mm(全グレード)
●RAV4:1685~1690mm
●CR-V:190〜210mm
●エクストレイル:200〜205mm
そして悪路走破性能の要とも言える4WDシステムでは、「RAV4」「フォレスター」「CR-V」は路面や走行状況に応じてきめ細かく前後輪のトルク配分を調整できるシステムを搭載。さらに、滑りやすい路面などで駆動力やブレーキを適切にコントロールするシステムを持つ「RAV4」と「フォレスター」が、2トップに君臨しています。
開発年次の古い「エクストレイル」の4WDシステムは、オフロード走行には対応しているものの現時点ではやや劣勢に。
【4WDシステム:RAV4】
「RAV4」は、世界初の4WDシステム「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を搭載。前後輪のトルク配分に加え、後輪のトルクを左右独立して制御できるので、安定した車両姿勢を保ちつつ思い通りの軌跡でカーブを曲がれます。
そしてさらに悪路走破性を高めているのが「マルチテレインセレクト」システム。路面状況に応じて「MUD&SUND(滑りやすい路面)」「NORMAL(通常の路面)」「ROCK&DIRT(凹凸の大きい路面)」の3つのモードを選択でき、駆動力やブレーキを適切に電子制御してくれます。
また、「SNOW」モードボタンではアクセル操作時のトルクを制御。雪路でのスムーズな発進までサポートしてくれるんです。
【4WDシステム:フォレスター】
「フォレスター」は2つのAWDシステムを搭載しています。まず、優れた重量バランス構造を持つ「シンメトリカルAWD」が、路面のコンディションに左右されにくい安定した走りを確保。
さらに「アクティブトルクスプリットAWD」が路面や走行状況に応じて前後輪の最適なトルク配分を制御してくれます。
そして、RAV4同様、路面状況に応じて4輪の駆動力やブレーキを適切にコントロールしてくれるシステムが「X-MODE」。滑りやすい路面では「SNOW・DIRET」モードを、タイヤが埋まってしまう深雪やぬかるみでは「DEEP SNOW・MUD」モードが選べます。
その② ラゲッジスペースの容量では?
●RAV4●フォレスター
●CR-V
●エクストレイル
キャンプでは積載力に直結するラゲッジスペース。いずれもSUVとして高い積載量を誇りますが、トヨタ「RAV4」がトップという結果に。
<ラゲッジスペース>
●RAV4:580L(ラゲッジボード下段時)
●フォレスター:520L(Advanceグレードは509L)
●CR-V:472L(7人乗りガソリンモデル5人乗車時)〜561L(5人乗りガソリンモデル5人乗車時)
●エクストレイル:445L(7人乗りガソリンモデル5人乗車時)〜565L(5人乗りガソリンモデル5人乗車時)
その③ キャビン&ラゲッジのユーティリティは?
続いてアウトドアやレジャーシーンにおけるキャビン&ラゲッジの「使い勝手のよさ=ユーティリティの高さ」についてみていきましょう。より多彩なシートアレンジが可能かつ、3列シート7人乗りモデルが選べるのは「エクストレイル」と「CR-V」。
特に「エクストレイル」の「20X」グレードガソリン車では、5人乗り・7人乗りモデル共に、2列目シートの真ん中だけを倒せる「セカンドアームレストスルー」機能を採用。4人乗車時でも長尺物が積載できるなど、より自由度の高いシートアレンジが可能です。
さらに「エクストレイル」のもう1つのストロングポイントが防水仕様。フロアの防水仕様はもちろん、シートにも高い防水・透湿性を誇るセルクロスを採用。濡れたままの水着やスキーウェアでも気にせず乗車できて便利です。
また2列シート・ガソリン車のみラゲッジボードも防水仕様に。「RAV4」も裏返すと防水になるラゲッジボードを採用していますが、トータルの防水仕様では「エクストレイル」に軍配が上がります。
その④ オンロード走行性能では?
いくらアウトドア好きといえど、オンロード走行しないワケにはいきませんよね。遠方のキャンプ場に向かう時には高速道路走行なども視野に入れる必要が。まず基本的な動力性能の決め手、エンジンの最大出力では「CR-V」ガソリン車がダントツのトップ。
専用開発のターボエンジンが、2.4Lの自然吸気エンジンに匹敵するトルクを実現。低速から力強く加速し、急加速時にも伸びやかなドライブフィールを味わえます。
<エンジン最大出力>
●RAV4
・2Lガソリン車:171PS/21.1kg・m
・2.5Lハイブリッド車:<エンジン>178PS/22.5kg・m、<モーター>88kW/202Nm
●フォレスター
・2.5Lガソリン車:184PS/24.4kg・m
・2LハイブリッドV車:<エンジン>145PS/19.2kg・m、<モーター>10kW/65Nm
●CR-V
・1.5Lターボ車:190PS/24.5kg・m
・2Lハイブリッド車:<エンジン>145PS/17.8kg・m、<モーター>135kW/315Nm
●エクストレイル
・2Lガソリン車:147PS/21.1kg
・2Lハイブリッド車:<エンジン>147PS/21.1kgm、<モーター>30kW/160Nm
そして、「CR-V」ガソリン車のさらに上位モデルが「CR-V」初のハイブリッドモデル。高速走行時以外はモーターが駆動力を生み出す「SPORT HYBRID i-MMD」の採用により、V6 3Lエンジン並のトルクと電気自動車のようなリニアで上質な走りを実現しています。
オンロードでの上質な走りという点では「CR-V」が抜きん出た結果に。
その⑤ 安全&運転支援機能では?
次々と技術開発が進む安全&運転支援機能については、4車種いずれもほぼ拮抗した状況。対人被害軽減ブレーキシステム、全車速ACC、半自動操舵LKASに4車種全て対応しており、センサーの検知精度に若干の違いがある程度です。ただ、「エクストレイル」は、他3車種が標準装備しているACCとLKASが上級グレードのオプションに限定されているので注意が必要です。逆に、「CR-V」では純正ナビが標準装備ですが他3車種ではオプションとなっています。
その⑥ コストパフォーマンスでは?
4車種それぞれモデルやグレードがたくさんあり、一元的に比較するのは難しいですが、まずは車両本体価格からみていきましょう。車両本体価格では「CR-V」が他3車種に比べ約50〜100万円ほど高い結果に。<車両本体価格>
●RAV4:260万8,200円〜381万7,800円
●フォレスター:280万8,000円〜309万9,600円
●CR-V:323万280円〜436万1,040円
●エクストレイル:223万1,280円〜313万2,000円
次に燃費性能を比べた場合は「CR-V」ハイブリッドモデルがトップに。イニシャルコストを重視するか、ランニングコストを重視するかで極端に異なる結果となりました。
<燃料消費効率>
●RAV4(HIBRID X 2WD):25.2km/L
●フォレスター(Advance):18.6km/L
●CR-V(ハイブリッド FF):25.8km/L
●エクストレイル(HIBRID X 2WD):20.8km/L
自分がその車種のどの性能にプライオリティをおくのかという点と、グレードやオプションによる価格差などを照らし合わせ、“自分にフィットしたコスパ”を導き出せるといいですね。
今後も激化が予想されるミドルクラスSUV対決
トヨタ「RAV4」の参戦により、さらなる激化が予想されるミドルクラスSUV対決。今後もマイナーチェンジや新グレード登場など各車種の動向から目が離せません。今後の動向と共に、それぞれの特徴をよく考慮して、あなたのキャンプライフにフィットする車を見つけてくださいね!