S字フックが使えるって知ってた?
100円ショップなどで売っているS字フック。大きさ、素材、色……といろんなバリエーションで出ていますよね。最近は2重になっているものや、ひねりS字フックなど変わり種もあります。実はこのS字フックが、キャンプでもとても便利で使えるんです。
S字フック「10の活用術」
シーンに合わせて、吊るす、繋ぐ、ひっかけるなど使い方はさまざま。それでは、S字フックのうまい使い方を10個紹介していきます!① ラックやテーブルにひと工夫
ユニフレームの「フィールドラック」でS字フックを使ってみたところ相性抜群! ラックの側面や背面などのデッドスペースを有効活用できます。
ついつい重ねがちな食器や調理器具は、ぶら下げておくと必要な時にサッと使えますね。使い終わってすぐに洗えなくても、吊るしておけば周りが汚れないですし、場所も取りません。
② これは盲点!チェアの後ろ
同じくチェアの後ろのデッドスペースを有効活用! アウトドアでは貴重品の置き場所に困りますよね。
手提げバッグなどにスマホや財布、車のカギなどをまとめ、チェアの背面に吊るします。
座ってもこの通りまったく邪魔になりません。ただ、ヘリノックスの「チェアワン」など軽量タイプのチェアは、あまり重いものを吊るすと立ち上がった時にひっくり返ってしまうので注意が必要です。
③ 繋げる。S字フックで手間を省く
こちらもS字フック活用事例。自作のタープをS字フックでガイロープに留めています。グロメットに直接結ぶより手間が省けて簡単です。あらかじめS字フックとガイロープを結んだものを数本用意しておくと設営がはかどりますね。
風で不意に力がかかる場所は、S字フックが変形して壊れる危険があるので、耐荷重をよく確認して使いましょう。
④ 不思議!どうして落ちない?
S字フックをランタンフックの代わりに使います。使うのは、少しサイズが大きくて長いS字フック。これも100円ショップで売っています。
S字フックの片側をポールの太さに合わせて、根元から90度ぐらい折り曲げます。手でも十分曲げられますが、ペンチを使うとよりやりやすいですよ。
たったこれだけでランタンハンガーの代用品の出来上がりです。ランタンをかけていないと自重が軽いので落ちてしまいますが、ランタンを引っかけるとその重さでストッパーがかかり落ちなくなるんです。
⑤ 焚き火ハンガーからギアが取り外しやすい
ホームセンターで売っている打ち込み丸カンを利用した自作の焚き火ハンガー。火の周りのツールは散らかりがちで、必要なときに手もとになかったり……。
ここでもS字フックが活躍してくれます。やることは吊るして引っかけるだけ。箱にしまったり、出したりすることもなく、場所をとらずにまとめられてどこに何があるか一目瞭然。ギアを使うときは簡単に取り外せて、まごつくこともありません。
⑥ 料理でもS字フックが活躍!「吊るしベーコン」
トライポッドを使って焚き火の上で吊るしベーコンを作ります。この料理、吊るすだけと簡単でいいのですが、お肉に塩を足したり、焼く面を変えるときには、いちいち肉をトライポッドのフックから外すのも正直面倒……。
S字フックで吊るして刺すことで、お肉だけトライポッドから外しやすくて調理の作業が楽々! ただし取り外すときは、S字フックが熱くなっているので、耐熱性のある手袋を使いヤケドに注意しましょう。
⑦ ハンギングチェーンに付けて収納上手
吊るしたものがずれないハンギングチェーン。一般的にはカラビナで輪っかから吊るしますが、S字フックでも代用できます。
S字フックを使えば、カラビナを開くという作業のひと手間が減って、わずらわしさがありません。片手でも簡単に外せるので、頻繁に使うものはS字フック、落ちると困るものはカラビナと使い分けるといいですね。
⑧ タープなどをまとめるのにも便利
雨天時のキャンプでは、濡れてしまったテントやタープなどを持ち帰るのに手間取りますよね。そんなときのためにゴム紐を用意しておきます。
簡単に折りたたんでから、ゴム紐でまとめS字フックで留めます。
こうしてまとめてからポリ袋に入れておけば、運搬も、家に帰ってからの作業も楽に。
⑨ ストッパー付きのS字フックなら外れにくい
こちらのS字フックは、通常と違って片側にカラビナのようなバネのストッパーがついています。他のS字フック同様、これも100円ショップのダイソーで販売しているアイテムです。
例えばウォーターバッグなどを使うシーンで、ハンガーに吊るす側は必要に応じて外すけど、もう片側はつけっぱなしにしておくというときに便利。
S字フックは、重さがかかっていないと外れやすいのが難点です。もちろんつけたり外したりが簡単なことはメリットですが、用途やシーンによって種類を使い分けるとより使い勝手が良くなりますね。
⑩ パラコードを使ってオリジナルS字フック
カラフルなオリジナルのS字フックを自作してみるのも面白いですよ。作り方はとっても簡単です。
お好みのデザインのパラコードとS字フックを用意します。1本作るのに必要なパラコードの長さは6〜10cm程度です。
今回用意したダイソーのS字フック(5.5cm、7.5cm)には、太さ4mmのパラコードがピッタリのサイズでした。
S字フックに大体の長さを合わせてパラコードをカットします。中の芯(白い部分)が見えてきますので、手でつまんで芯を抜き出します。
次は、芯が抜けて空洞になったパラコードにS字フックを通していきます。パラコードを少し回転させながら押し込んでいくとやりやすいです。
端の部分はそのままだとほつれてしまいます。ライターなどであぶって、中のS字フックが出てこないように加工しましょう。
オリジナルS字フックの完成です。少しだけ摩擦が多くなるので、金属同士よりも横にずれにくくなります。簡単に加工できるので、いろんな色のパラコードでぜひ試してみてください。
工夫次第でキャンプのマストアイテムに
S字フックには、大きさ・長さ・素材などそれぞれたくさんの種類があります。手持ちのギアにうまく組み合わせることで、使い方がたくさん広がっていきますね。
ただし、大自然の中で行うキャンプでは、突風などに見舞われて思いがけない負荷がかかるときがあります。S字フックを使う場所、耐荷重、強度などには十分注意してキャンプライフを楽しみましょう。
執筆:高久浩一