ムラコ初となる焚き火台「サテライトファイヤーベース」
テント、タープ、ポールなどの主役系ギアを中心に展開しているムラコですが、焚き火台のリリースは今回が初! 今回はこちらの焚き火台をレポートしていきます。
まずは、火入れをする前にどういった焚き火台なのか、設営の方法から見てみましょう。
スタイリッシュなデザインで話題沸騰!
コンパクトなナイロン素材のケースから取り出してみると、ステンレス製のメッシュにくるまれた棒状のものが出てきました。
メッシュを広げると、本体となるフレームが現れます。この時点でもうこれまでの焚き火台とはひと味違う雰囲気が……!
設営方法はフレームの両端にあるボルトを緩め、脚とアームのパーツを起こすという独特な構造。
従来の焚き火台には見られない斬新なギミックにムラコらしい個性を感じます。
起こした後はまたボルトを締めて固定すればフレームの出来上がり。
金属製のギアには、製造上発生する個体差があったり、細部にバリが残っていたりすることが多いですが、そういったことは一切無く極めて精密です。
展開するとアーム4本、脚4本が突き出た状態に。まったく新しい設営ステップで、焚き火台を準備しているとは思えません!
パーツは本体フレームに一体化しているため、設営・収納の際にパーツを紛失する心配が無いというのも嬉しいポイントですね。
仕上げは、展開したアームに火床となるマイクロメッシュのカラビナを引っ掛けるだけ……たった30秒で設営終了です。もっと特殊なギミックがあるかと身構えていたのですが、簡単すぎていい意味で拍子抜け。
誰もが説明書無しで組み立てられるであろうシンプル設営です。ユニークなギミックなのに、とても分かりやすい設計というのは嬉しいですよね。
サテライトファイヤーベースのおすすめポイント4つ
では、実際にフィールドで使ってみて感じたサテライトファイヤーベースのおすすめポイントをご紹介します。
その1. コンパクトで携帯性が高い!
サテライトファイヤーベースの重量は1,760gで、ケースにハンドルが付いており持ち運びは片手でラクラク。重量に関しては、スノーピークの「焚火台M」3.5kg、ユニフレームの「ファイヤーグリル」2.7kgなど、他メーカーのファミリー向け焚き火台と比べて軽い部類です。
ただ、1,000g以下の軽量焚き火台が多く登場している中では、しっかり重さのある焚き火台と言えるでしょう。使用時の安定性を考えると、このぐらいの重さが必要とも言えます。
収納サイズは長さ41cm×直径7cmと、500mlペットボトルを2本縦に重ねたようなサイズ感。なので、このようにバックパックのサイドポケットにも収まってしまいます。
こちらはコンテナへの収納例。長さ41cmというのは、スノーピーク「シェルフコンテナ25」にギリギリ入るサイズ感です。まっすぐにしても入りましたが、中のマイクロメッシュが曲がってしまいそうだったので斜めに収納しました。
通常の焚き火台よりもスマートな収納が可能で、これなら積載に悩まされることもなく気軽に携帯できますね。
その2. 丈夫で安定感のある構造!
設営後に早速、市販サイズの太めの薪を3本載せてみました。アームと脚は華奢に見えますがステンレス製で堅牢度が高いため、重い薪を載せてもしっかりと支えてくれます。
脚は設地範囲が広くメインフレームの重心が低く重いため、想像以上の安定感。倒れる気配もありません。
火床部分の位置は約20cmでロースタイルに馴染みのよい高さ。
その3. 大きい薪だってOK!
コンパクトな収納サイズにも関わらず、設営時のサイズは縦43cm×横46cmと充分な大きさ。これまでのコンパクトな焚き火台は、設営サイズが犠牲になっているものが多かったですが、サテライトファイヤーベースは見事に両立。
キャンプ場で販売されている大きい薪もそのまま使えるため、ファミリーからソロまで様々な焚き火シーンにフィットしてくれるはず。
ムラコ サテライトファイヤーベース
●総重量:1790g
●収納時サイズ:直径7cm L41cm
●素材:本体(ARM, LEG, Stable bolt / ステンレス304)、(メインフレーム, アルミニウム合金)、(マイクロメッシュ / 耐熱ステンレス)、サック(ポリエステル)
●収納時サイズ:直径7cm L41cm
●素材:本体(ARM, LEG, Stable bolt / ステンレス304)、(メインフレーム, アルミニウム合金)、(マイクロメッシュ / 耐熱ステンレス)、サック(ポリエステル)
その4. これ一台で調理もできる!
別売のグリルメッシュを取り付ければ調理台として使うこともでき、なんとダッチオーブンなど重さがあるものでも調理OK。コンパクトな焚き火台ですが、しっかり調理ができる耐久性があるのは大きな魅力です。火床とグリルの間隔は11cmほどのスペースが空くので、この横のすき間から薪を2~3本くべることもできます。また、トライポッドなどを携行する必要がないため、より身軽にキャンプに出撃できちゃいますね。
サテライトファイヤーベースの気になった3つのこと
デザイン性だけでなく実用性も高いことがわかったサテライトファイヤーベースですが、気になるところが全く無い訳ではありません。
たくさんまとめて燃やすには適していない?
フラットに近い火床の形状のため、たくさん薪を載せると滑り落ちそうになる時がありました。安全面を考慮すると、大きい薪であれば一度に燃やせる薪の量は2〜3本程度が妥当。
たくさん薪を放り込んでガンガン燃やすというより、じっくり薪の世話をしながら焚き火をするスタイルに適していそうです。
メッシュの交換が必要
火床となるステンレス製のマイクロメッシュは、使用を重ねると劣化して交換が必要になります。使用方法や頻度により使用時期は異なりますが、メッシュが硬くなりヒビ割れが増えてきた頃が交換の目安。
高い初期費用に加え、定期的にランニングコストがかかるということを理解しておく必要があります。ちなみに、交換用のマイクロメッシュは1,700円(税抜)で購入可能です。
風で灰が舞いやすい
また、仕方ないことですが風防が無いため、風があると灰が舞い落ちてしまいます。風が無くても地面には少なからず灰は落ちるので、地面へのダメージを防ぐためには別売の「アンチスパークラグ」を敷いて、その上に焚き火台を設置しましょう。幅広い用途に対応できる、汎用性が高い焚き火台
気になる点を挙げさせてもらいましたが、それでもこの焚き火台の良さは際立ったまま。なにしろここまでデザイン性に優れて、設営面積が広く、安定性のいい焚き火台はなかなかありませんから。
実際に使ってみた結果、サテライトファイヤーベースはソロ向けの携帯性の高さ、ファミリー向けの設営サイズの大きさという相反する2つの特徴を両立させた、汎用性の高い焚き火台だと感じました。
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