積載のストレス、トランクの“二段化”で解消しませんか?
車高が高いミニバンや大型のSUV。うまく積めば多くの道具を積載できますが、荷物が不揃いだったり柔らかかったりで、綺麗に隙間なく積むのは簡単ではありません。
そんな高さのあるラゲッジスペースをフル活用するのに有効なのが、棚板で区切って二段にする方法。筆者の「プラド95」のトランクルームも、二段化して以降積載がグッと快適になりました。
しかも、意外と簡単!
「二段化なんて面倒くさそう」と思う方も多いかもしれませんが、じつはホームセンターでも買える材料で意外と簡単にできるんです。というわけで今回は、筆者が実際に棚板で二段化した方法を詳しくご紹介します。まずは、二段にすることで積載時にどのようなメリットがあるのかを具体的に解説していきましょう!
トランクの二段化で得られる「3つの積載メリット」
1:荷物の量が多くても積みやすくなる
ご覧のような広くて高さのある荷室。容積はありますが、タイヤの出っ張りなどで端の方に荷物を重ねて置くことはできません。
それが、幅いっぱいの棚板を設置することで安定して荷物を置ける面積をしっかり確保できるようになるわけです。
これまで形が安定しないものは上に載せるようにしか置けなかったのが、棚板下のスペースに差し込むことが可能に。ちょっと腰を掛けたりするために最後まで出ているチェアなどは、ここにスッと収納してスマートに撤収できます。
また、その重さゆえ一番下に置かざるを得ないのに上に荷物を重ねにくいストーブのようなものを置くのにも有効です。
2:必要なものが取り出しやすくなる
たっぷりと荷物を積み込んでイザ出掛けようと思った瞬間に、「あ、アレは車内で必要なものだった」と気付いたりすることが。それが一番下に置いたコンテナに入っていることがわかった時の絶望感……。
それが二段化して仕切りを作れば、コンテナだけをスッと取り出すこともできちゃいます!
3:荷崩れしにくくなる
未舗装路を走るなど普段より車の揺れも大きくなりがちなキャンプでは、荷崩れもしやすくなります。荷崩れしてチェアの角などで内装を傷つけてしまうのは避けたいところ。
積載スペースを効率化すると高く積まなくて済むようになるので、荷崩れを減らすことにもつながります。
さて、メリットがはっきりわかったところで、さっそく棚板の自作方法をご紹介します!
やってみよう!イレクターパイプを使って棚を作る方法
いくつかあるやり方のうち、筆者は比較的低コストで手軽にできるイレクターパイプを使った方法を実践しました。
イレクターパイプとは、鉄製のパイプに樹脂のコーティングが施された部材。軽くて丈夫な上に、コネクターと組み合わせて様々な構造物を作ることができます。
手順1:必要なパーツを揃えて、天板を置くための土台を作る
今回は写真のようなコの字型の土台で、パイプは既製サイズの30cmと90cmの長さを組み合わせて作りました。
試しに仮組みの状態で荷室に入れてみたところ、まるでオーダーメイドかのようなジャストサイズ!
筆者の車は既製の寸法でピッタリ合いましたが、長さが合わない場合はカッターでカットして長さを調節します。
手順2:寸法ピッタリに組み上げたら、溶接材で固定する
組み上げた後は専用の接着剤で固定。一度接着すると簡単に解体できなくなる上にコネクターは再利用できなくなってしまうので、間違えないように事前に仮組みしてしっかり確認しましょう。
パイプとコネクターの隙間に接着剤を流し込み、乾燥させます。一日も置いておけばしっかり固まります。
手順3:板にトランクの幅と奥行きの図面を引いて、カットする
土台が出来上がったら、続いて天板を製作。トランクの幅と奥行を測り、構造用合板に図面を引きます。重い物も載せられるように、丈夫な12mm厚の合板を使用しました。
図面の通りにカットしていきます。カットはノコギリでもいいですが、ジグソーや丸ノコがあると綺麗に仕上がり、時間も短縮できます。カット後の断面はささくれているので、紙ヤスリやサンダで擦って整えましょう。
ちなみに一枚のままだと荷室の出し入れが困難だったため、半分にカットしてあります。
手順4:ズレないようパーツでパイプと棚板を固定する
天板は載せるだけだとズレてしまうので、写真のようなバチンとパイプを挟むパーツを使用。この方法であれば、使わないときは取り外しておくこともできます。
しっかり固定するため、数カ所に留め具をビスで取り付けます。
完成!
所要日数は乾燥も含めて二日間。作業時間は既製のサイズを使えたこともあり、両日合わせても5〜6時間程度です。かかった費用は、パイプ・コネクター・合板・接着剤などコミコミで、約6,600円でした。
当然各車種によって適した寸法も違うので、パイプの長さや棚板のサイズなどしっかり計測して失敗なく仕上げましょう!
キャンパーたちの積載効率化アイディアもチェック!
イレクターパイプをはじめ、色々な材料や道具を使って積載の効率化をはかっている方も。みなさんのアイデアを見てみましょう。既成の“スノコ”を活用
こちらのホンダ「モビリオスパイク」で棚板として使われているのは、ホームセンターで販売されていた既製のスノコ。両サイドにある溝にピッタリとハマったんだとか!キャンプ中は、荷物が汚れないように置くための台としても活躍しているそうです。
専用パーツがあれば手間いらず
車種によっては専用のオプションパーツやサードパーティー製のラックもあるので、それらを使うのも効果的です。ベッドキットは積載でもメリット大!
後部シートをベッドキットで車中泊仕様にしている方も多いハイエース。もともと広い積載スペースが、二段にすることで大荷物の出し入れもさらに快適そうですね。タイヤハウスをイレクターパイプで囲む
こちらは二段化のアイディアとは異なりますが、タイヤハウスをイレクターパイプで囲っている方も。
こうすることでデッドスペースがなくなり、積載スペースが効率化されています。と、みなさん色々工夫をされている様子。やはり積載の負担を少しでも軽くしたいというのは、多くのキャンパーさんが抱えている課題のようですね。
断然積載しやすくなる棚板活用
徐々に増えていくギアにみるみる圧迫されていくラゲッジスペース。段々と積み込みにかかる手間が増え、うまく積めずに頭を悩まされていませんか?
そんなときは、簡単に作れて圧倒的に積載しやすくなる、二段化の工夫をしてみてはいかがでしょうか。