真冬もキャンプへ行く人は「運転」に注意!
幻想的な冬のキャンプですが、実際は抜かりない装備と対策が必要です。まず気をつけたいのが、道中の運転。
普段、降雪量が少ない地域で生活している方は、慣れない雪道にもかかわらず気を抜いてしまい、思わぬ事故につながりかねません。そうなる前に、アウトドアはもちろん普段も役立つ真冬の運転の注意点をチェック!
真冬の運転で一番危険なのが「スリップ」
まずは基本的な、スリップしないようにする運転の仕方から。これはきっと運転者の多くが実践しているスキルですね。まず気をつけたいのがスリップ。雪上でスリップしてしまうと、いつものようにブレーキを踏んでも制御がきかず恐ろしく危険です。急発進・急ブレーキ・急カーブはいつも以上に注意しましょう。衝突を防ぐために、車間距離はいつもの三倍は取るよう心がけを。
また、車線変更は極力控えめにする、カーブ中はブレーキを踏まないなどスリップに陥りやすい危険要素を排除することも重要。
フットブレーキだとタイヤがロックされてしまいブレーキが効かなくなる可能性があるため、下り坂はエンジンブレーキを使います。
真冬の安全運転のために注意すべき「5つのこと」
1. アイスバーン
一度溶けた雪が再び固まった「アイスバーン」は、非常に滑りやすくなっています。一見濡れたように見えるが実は凍っているという「ブラックアイスバーン」は、さらに危険。凍結に気づかず雨の時と同じ感覚で走っていると、急なスリップ事故につながることも。アイスバーン上を走る際は、低速走行が原則です。
2. 車上の雪
どっさりと車に積もった雪。視界確保のためフロントガラス上の雪だけ落として出発……してはいけません! ブレーキをかけた拍子にフロントガラスに雪が落ちて視界が遮られる危険があるため、屋根の上の雪もしっかり落としてから発進しましょう。3. エンジンオイルの点検
真冬に起こりがちなのが、温度によって粘度が変化するエンジンオイルによるトラブル。真冬にオイルの粘度が高くなり固まることでエンジンがスムーズに作動しない場合があります。冬の山間部などでこの状態になると車を動かせなくなる危険があるので、定期的にエンジンオイルの点検を。量が少なければ、補充か交換をしておく必要があります。
4. 給油は早めに
暖房でエアコンを使ったり低速走行でいつも以上に時間がかかったりと、何かと燃料の減りが速い真冬の運転。ガソリンは常に満タンを心がけ、半分を過ぎたらなるべく早めに給油をしておくと安心です。5. エンジンをかけたまま雪の中で過ごさない
真冬の車中泊など、エンジンをかけたまま車内に居るのは絶対NG! これはマナー的側面だけでなく、もし雪が積もって排気管を覆ってしまった場合、排ガスが車内に逆流して一酸化炭素中毒に陥るという命の危険にかかわる問題です。
調理は外で短時間で済ませたり、暖房は車の電力以外の方法を考えましょう。
真冬の運転にはスタッドレスタイヤ? チェーン?
スタッドレスタイヤとチェーンの役割の違い
キャンプ場へ行くまでの脚である、タイヤの装備も重要。基本はスタッドレスタイヤかチェーンかの二択になりますが、違いをおさらいしてみましょう。スタッドレスタイヤは、0℃以下でも硬くなりにくい特殊配合のゴムで作られていて、「溝」で雪をキャッチ。軽い積雪程度なら、スタッドレスで対応できます。
一方チェーンはタイヤに巻き付けるもの。チェーンが雪をかき分けるようにして進むため、積もった雪道やアイスバーンなど、よりハードな路面上はチェーンのほうが向いています。
スタッドレスタイヤを履いていても、高速道路が「全車両チェーン装着規制」になっている場合はタイヤチェーンの装着が必須。万事に備え、チェーンもあると安心です。
ノーマルタイヤのまま雪道を運転すると・・・
ノーマルタイヤのまま雪道を走ると、横滑りだけでなくブレーキングにも危険が伴います。ブレーキをかけてから停止するまでの時間をノーマルタイヤとスタッドレスタイヤで比較すると、ノーマルタイヤのほうが約1.6倍長いという実験結果もあるほど。
前輪だけスタッドレスはNG!
なかなかお高いスタッドレスタイヤですが、前輪だけに装着するのでは意味がありません。それどころか、前輪のみスタッドレスタイヤにした場合、前・後輪のグリップ力の差により、ブレーキをかけた時に後輪だけが滑ってしまうことも。スタッドレスに変えるなら、必ず全車輪装着するようにしましょう。
その他、真冬の運転に関する豆知識
トンネルの出入り口・橋の上は注意
吹きっさらしで遮るものがない橋の上は凍りやすく、危険です。またトンネルの出入口付近は、通常でも惑わされがちな明暗の差が、雪になるとさらに激しくなるので注意!吹雪の夜はヘッドライトを下向きに
あたり一面が真っ白な雪景色、対向車のヘッドライトがハイビームだと何も見えなくなってしまいます。ライトは下向きで走行を。靴裏の雪を落としてから運転
踏みしめた雪がブーツの裏についたまま車に乗ると、ペダルを踏む時の感覚がうまくつかめず運転に支障をきたす場合も。小さなことですが、こんな盲点も要注意。駐車時はワイパーを上げておく
ワイパーが凍ってフロントガラスに張りつかないよう、また積雪によるゴムの劣化を防ぐため、積もる前に上げておきます。うっかり見落としがちなリアワイパーも忘れずに!備えておきたい7つ道具
もし雪中キャンプをする場合、いつ何が起こるかわからりません。特殊な環境なだけにいつも以上の備えが必要です。除雪作業に役立つスコップや、バッテリートラブルに対応するためのグッズなど、備えておきたい7つ道具はこちら!・タイヤチェーン
・けん引ロープ
・スコップ
・解氷剤
・軍手・長靴
・ブースターケーブル
・懐中電灯
運転に注意して、真冬のキャンプも安全に!
子供はもちろん、雪だといまだにテンションが上がってしまう大人も意外と多いでしょう。楽しいキャンプも、雪があればいつも以上に盛り上がること必至!
笑顔で雪中キャンプを楽しむためにも、まずは安全に行けるよう運転の注意点をしっかり覚えておいてくださいね。
無事に着いたら次はここに注意
豪雪のキャンプ場にたどり着いたら、冬キャンスタート! 火まわりやタープ・テントなど、安全にキャンプするための10の注意点をチェック。Be Careful About Winter Driving!
真冬の運転に注意!