おうちキャンプスタイル拝見「俺的な楽しみ方」と「劇的プレイリスト」
仕事がいそがしかったり、天気が悪かったり、キャンプ計画がうまくいかないこともしばしば。だって僕らが楽しむフィールドは、自然が相手のアウトドアだもの。そんなときには気分を切り替え、自宅でキャンプ気分を盛り上げる「おうちキャンプ」はいかが? アウトドア業界で活躍するキャンプフリークの方に、自分流のおうちキャンプスタイルを聞いてみました!
これが俺のおうちキャンプスタイル!
この人に聞いてみました!
自分は店舗のスタッフなので5月末まで仕事に行くことができず、もちろん大好きなキャンプに出かけるわけにも行かず、いろいろな心配ごとが生まれてしまうなかで、潤いを与え続けてくれたのが読書と音楽でしたね。
庭のウッドデッキで過ごし、目に見える言葉と目に見えないリズムに癒されていました。
いつもキャンプに持っていくラグを敷いて、コーヒーを飲みながら本を読んだり、ゴロゴロしたり。普段は小説を読むことが多いのですが、リラックスしたいときには入り込まなくても読める自伝の方が気分がラクなので、スティーヴン・キングの『書くことについて』を読んでいました。
気に入った本は何度でも楽しむので、この本も何回目か分かりませんが、内容を覚えていてもページを開くたびに新しい発見があって、リラックスしながら読むにはピッタリ。
スティーヴン・キングは『シャイニング』、『スタンド・バイ・ミー』、『ショーシャンクの空に』など映画化された著作も数多く、現代のアメリカを代表するベストセラー作家ですが、じつは音楽も大好きみたい。作家仲間とバンドを組んでいたほどで、ロック専門ラジオ局のオーナーでもあります。
文庫:書くことについて
この『書くことについて』では奥さんとの馴れ初めだったり、若かりし日々の苦闘だったり、これまでに自身がつかんできた文章作法だったりが語られていますが、随所にミュージシャンの名前も出てくるんです。
ザ・フー、ケニー・ロジャース、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリスン、ボブ・ザ・ベアー・ハイト、ジミ・ヘンドリックス、キャス・エリオット、ジョン・レノン、エルヴィス・プレスリー、ラモーンズなど、豪華な面々です。
こんな文章も出てきますよ。「私は仕事中に音楽をがんがん鳴らしている(AC/DC、ガンズ・アンド・ローゼズといったハードロックで、いちばんのお気に入りはメタリカだ)」。なんと、メタリカがいちばんとは。激しめの音楽が大好きであることを明かしています(笑)。
タンブラーを自宅でも活用
「リラックスした読書タイムのお供にコーヒー」っていうのは、お約束ですよね。
普段だとマグカップでブラックコーヒーを飲むことが多いのですが、ウッドデッキで本を読むときにはタンブラーにたっぷりとソイラテを蓄えて、の〜んびりと飲んでいます。最近、健康志向が高まってきたのもあって、豆乳にハマっているんです。
スティーヴン・キングの『書くことについて』を読み、豆乳たっぷりのソイラテを飲んでいると、穏やかな時間が訪れます。
そこにピッタリのおつまみが、ケロッグの玄米フレーク(笑)。何もかけずに、そのまま食べています。
おうちキャンプで聴いている音楽はコレ!
さて、そんな武田さんのプレイリストを紹介してもらいましょう。再生ボタンをポチッと押せば、音楽が再生されるので、周りの環境には注意してくださいね。武田空人さんの「穏やかな気持ちになる」オススメ12曲
ウッドデッキでスティーヴン・キングの『書くことについて』を読み、豆乳たっぷりのソイラテを飲み、ケロッグの玄米フレークをつまみ……。
仕事中のスティーヴン・キングはかなり激しめの音楽を聴いているみたいですが、リラックス中の自分はノリがいいと同時に気持ちが穏やかになれるR&Bやジャズっぽい曲を中心に聴いています。
1. Everybody Plays The Fool/Aaron Neville
収録アルバム『Warm Your Heart』
ネヴィル家の4兄弟によって1977年に結成されたR&Bバンド、ネヴィル・ブラザーズのアーロン・ネヴィルが1991年にリリースしたソロアルバムから。
この曲のオリジナルは1972年にニューヨークのソウルグループであるザ・メイン・イングレディエントが発表しています。トロピカルなムードが心地よくて、午前中からのんびりするときによく聴いていますね。
アーロン・ネヴィルは、音楽関係の仕事をしている父の影響で子供の頃から繰り返し聴いてきました。
2. Crazy for You/アデル 収録アルバム『19』
休みの日とか仕事帰りとか、ゆったりした気持ちで過ごしたい時によく聴いている曲です。2008年にリリースされ、英国のアルバムチャートで初登場1位を記録したデビューアルバム『19』から。当時の彼女はまだ19歳なのですが、とても10代とは思えないほど歌声がブルージーで癒されます。
3. Eeze now/Afronaut, Nathi 収録アルバム『The African Lounge Experience』
4. Free Mind/Afronaut 収録アルバム『The African Lounge Experience』
3曲目と4曲目は、音楽関係の仕事をしている父からたまにもらう大量のCDの中から。まだ詳しく掘り下げていませんが、ソイラテを飲みながらウッドデッキでまったりと聴くのにちょうどいい感じです。
5. Earth is the Lord’s Dub/Akae Beka 収録アルバム『Kings Dub』
暑い時期の外遊びにちょうどいいレゲエです。もちろん、家でまったりと過ごす時にもおすすめです。
6. Ayalqem Tèdèngo/Akalé Wubé 収録アルバム『Akalé Wubé』
パリ在住のミュージシャンたちが2008年に結成したグループ、アカレ・フーベの1stアルバムから。
エチオピアでは皇帝ハイレセラシエの護衛楽団がエチオピア伝統のメロディとジャズやラテン音楽を絶妙にブレンドしながら、50年代から70年代にかけて独自の音楽世界を築き上げました。
そんな〝エチオジャズ〟の独特なリラックス感がクセになります。ゴロゴロしながら繰り返し聴いています。
7. Southern Nights/Allen Toussaint 収録アルバム『American Tunes』
ピアニスト、シンガー、ソングライター、プロデューサー、アレンジャーとしてニューオーリンズのR&Bシーンを支えてきたアラン・トゥーサンが1975年に発表した名曲。
アラン・トゥーサンも父の影響で子供の頃から聴いてきました。こちらはピアノ演奏だけのバージョンです。
8. Southern Nights/Allen Toussaint 収録アルバム『Southern Nights』
7と同じ曲ですが、歌が入る原曲もおうちキャンプの夕暮れどきに聴きたくなります。
曲の後半では「じつにいい気分だ/気分が良すぎて何だか怖いくらい/もし叶うものなら/この世界で起きている戦いを止めさせたい」と歌われていて、心に染みわたります。
9. I Wave Bye Bye/Allen Toussaint 収録アルバム『Quiet About It (A Tribute to Jesse Winchester)』
こちらも同じく夕暮れどきに聴きたくなるアラン・トゥーサンの弾き語り。偉大なるシンガーソングライター、ジェシ・ウィンチェスターの曲をいろんな人がカバーしたトリビュートアルバムに収録されています。
10. Immigrant/Alysha Brilla 収録アルバム『Womyn』
渋い歌声がかっこよく、スカっぽい雰囲気で元気が出ます。アリーシャ・ブリラは在宅勤務中によく聴いてましたが、ウッドデッキでコーヒーを飲みながら聴きたくなるのがこの曲。庭で軽く体を動かすときにもコレです。
11. The Things We Call Home/Amanda Anne Platt & The Honeycutters 収録アルバム『Amanda Anne Platt & The Honeycutters』
曲の雰囲気に引っ張られて、ものすごく爽やかな気分になれる曲です。
12. How Long (Until I See the Sun Again?)/Birch Pereira & the Gin Joints 収録アルバム『Western Soul』
この曲は、昼間に聴いても夕方に聴いても爽やかな気分になれます。おうちキャンプの最中、オールラウンドにおすすめですよ。
キャンプを愛する俺から君へのメッセージ!
しばらくの間、昔からの仲間と10人ほどでワイワイやっていたキャンプの開催を我慢するしかなく、野外生活を思いっきり楽しむことができませんでした。
これまでみたいにキャンプでギターやウクレレをかき鳴らしながら、みんなと同じ場所で同じ音楽を共有するという経験もできず、いろいろなことのありがたみが改めて分かりました。
でも、今までと違う生活が始まってから見つけた楽しいことは、将来もずっと続けていけると思っています。僕の場合は、「読書×ソイラテ×玄米フレーク×音楽」というミクスチャースタイルでした(笑)。これからも自分が楽しいと感じることを大切にしていきましょう。
最後に、ここ最近で『書くことについて』を読み返した中において、最も心に残った文章を引用します。
「私が書くのは悦びのためだ。純粋に楽しいからだ。楽しみですることは、永遠に続けることができる」