写風人流1泊2日キャンプスタイル「Vol.02 キャンプ場到着~焚き火編 全3話」

前回までのおさらい

森暮らしを始めて8年。この間、森に隠った生活ばかりでした。そんなときに、編集部から「写風人さんのキャンプを見せてくださいよ!」とお誘いがあり、この機会に1泊2日のソロキャンプに出掛けることになりました。

その様子を全3話に渡ってレポートします。

第1話のあらすじ


まず、どんなキャンプにしたいのか構想を練ることから始まりました。その構想に合ったギアを選び、車種の選択と積載風景。そしてキャンプ場へ向けて出発……ここまでがVol.01でのお話。



さぁ、やっとキャンプ場に到着しました。Vol.02もお付き合いください。

キャンプ場到着

駒ヶ根から中央自動車道を使って約1時間半で到着です。


今回のキャンプ場選びの条件は、自宅から1~2時間の距離であることと、直火ができることの2つ。……なのですが、編集部からこの話を頂いた時点でキャンプ場は決めていました。

一人で森を開墾しキャンプ場作りをするブログに出会ったのが2017年。日々悪戦苦闘しながらも着実に開拓していく様子に共感し、「ぜひお手伝いにいきます」とコメントしたことも。結局、手伝いに行けないまま今日まで至ってしまいましたが……。

そのお詫びも兼ね、開拓の成果をこの目で確かめたいという思いもあったキャンプ場です。改めて、ご紹介します。それがこちら、山梨県北杜市にある「The Camp & Garden AMANAYU」さんです。




場内に入ると、2台のビンテージエアストリームが目に飛び込んできます。もちろん2台とも宿泊可能です。


サニタリー棟にはトイレとシャワールームが併設。トイレはすべてウォシュレット付きで、とても美しく清潔です。


男子トイレの入り口は手作り感満載の波板トタン。トイレもきれいに掃除してあるので、靴の土や泥はキチンと落として入室しました。


女子トイレの洗面台。この日は貸し切りでしたのでオーナーの許可を得て撮影させて頂きました。お洒落ですよね。


炊事場は地下50mからくみ上げている天然水。とても美味しいお水です。天然由来の洗剤が備えてありますが、通年お湯がでるので洗剤は控えめで十分。

他にも私の大好きな小道具が山ほどありますが、詳しくはamanayuさんのInstagramをご覧ください。

立地を活かしたサイトづくり

2台目のエアストリームを越えて奥に向かうと、森のテントサイトが広がります。


ソロ用のスモールサイトからグルキャン用のラージサイトまで、どれも余裕たっぷり。今回は貸し切りという事もあり、オーナーのご好意で好きなサイトを選ばせて頂きました。


では早速荷物を降ろしてサイトづくり。


当初は軽トラにタープを張る予定でしたが、到着するとあまりに穏やかな快晴だったのでサイトでのタープ張りに変更。タープは1話でも紹介したグリップスワニーとネイタルデザインのFPタープ。


ハンマー代わりに斧でペグ打ち。


森を切り開いたキャンプ場なので、至る所に切り株があり椅子にもテーブルにも使えます。


次に焚き火場周辺の落ち葉を掃除します。冬の枯れ葉は燃えやすいので、なるべく風下の方へ遠ざけます。


自宅から持ち込んだ薪。このキャンプ場では1束無料で付くようですが、薪は基本的には持ち込むようにしています。


ただ無料の薪の紹介も兼ね、予備としてサイトまで運んでみました。アンティークなラジオフライヤーやダンプカートもあるので楽チンです。1束というより多めの1箱。箱も革製のボックスで、オーナーのセンスが光ります。


薪が足りない場合は、この薪棚が有料分キンクラやノコギリも準備されて、セルフで薪づくりもできます。

ここからが本番。焚き火の始まりです

焚き火の着火

薪の準備をして、サイトの落ち葉を掃除したら焚き火の始まり。


自宅からは太めの枕木を2本準備してきました。それをVの字に置きその中に焚き付けを入れます。


着火材はチェンソーのおが屑に灯油を湿らせたもの。


それをパラパラと焚き付けに散らして、ライターで着火。フェザースティックなど時間を掛けて火起こしするのもキャンプの楽しみですが、自分はせっかちなので一発着火で燃やしてしまいます。


しばらく自然に燃える時間を利用して、残りの荷物を降ろしたりサイトの設営をします。もちろん火に注意しながら。

焚き火の煙

焚き火の煙は臭いもの。


自然の美味しい空気を満喫するためにキャンプに来ている人も少なくありません。「終始、焚き火の煙りが臭くて不快だった」ということがないよう、隣のサイトにひと言声を掛けるのもエチケットのひとつ。

また焚き火をする際、風向きも考えましょう。サイトの風上で焚き火をすると、火の粉でテントやタープに穴が開いてしまうことも。火の粉は風が強ければ数十メートル飛ぶと言われています。風が強いときは焚き火を諦めることも必要。危険なほど強風ならば、事故が起こる前にキャンプ場側が焚き火禁止令を発動してもいいと私は思います。

そしてそろそろ、焚き火飯の時間。わたしの料理スタイルをお伝えします。


焚き火飯

第1話でも触れましたが、食事は簡素に。


夕食は自家製の牛肉入りトマトソースにチリビーンズ缶、そしてバゲット。


トマトソースとチリビーンズを混ぜメスキットパンで火を通します。カウボーイの野営をイメージした夕食です。


焚き火は終始焚き続けなくても太い枕木に熾きが残っているので、必要な時に針葉樹を2本程くべてやれば炎は勢いよく復活します。

焚き火は小さく!

焚き火は熾きさえ残っていれば、いつまでもチョロチョロ燃えてくれます。


私の焚き火スタイルは、股の中で燃やせる程の小さな焚き火。焚き火は小さくすることで、炎との距離感が縮まります。

よくキャンプファイヤーまがいに盛大に燃やしている場合がありますが、凍えて死にそうならまだしも、その大きさの炎が必要なのかと疑問に思ってしまうのも正直な気持ちです。

熱くて近寄れないから人の輪が大きくなる。必然的に会話の声も大きくなり周りに迷惑をかけてしまう……。膝をつき合わせるほど火に近づき輪が小さくなれば、その分小声でも会話できますよね。

焚き火キャンプの夜

夕食シーンはソロキャンプをイメージして撮影しましたが、実はオーナーも夕食にお誘いしました。たった一品の粗食ですけど……。


ゴミはすべて持ち帰りのキャンプ場なので、極力残飯がでない工夫をしてきました。食材が残るほど余分に持ち込むのではなく、気持ち少なめに用意してすべて完食することが大切。

バゲットでソースを拭い取り、ケトルのお湯を注いで洗いやすくしておきます。


この日は満月。多少曇り空でしたが月明かりの下でコーヒーを飲み、オーナーと焚き火談義。

コーヒーも普段は生豆から自家焙煎するほど拘りがありますが、本当に美味しいコーヒーは器具も多くなるので自宅で味わえばいいと思っています。今回はお湯を注ぐだけの粉末インスタントを用意しました。


ふと空を見上げると、月の周りに大きな輪が! これは月暈(つきがさ・げつうん)と呼ばれ、雨が降る前兆とも言われますが、幸運が訪れるという言い伝えもあります。いいことあるかな……!?


焚き火の後半は、燃えやすく灰の少ない針葉樹系を使い、就寝前には燃やし尽くすように計算しながら薪をくべます。

燃え切らない炭の塊が残れば、火消しツボまたは蓋付きのバケツに入れて鎮火させます。熾きが残った状態で寝てしまうと、夜中の突風で火災になる危険もあります。念には念を入れて消化しましょう。

ついにエピローグ。最後はVol.03 ショップ立ち寄り〜帰宅編


次のVol.3はエピローグ。起床~撤収、帰り道に近隣のショップへ立ち寄り、ギアの物色をしてきました。帰宅してからのギアの手入れについても触れたので、良ければ読んでみてください。

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