じつはワタクシ、ハンターでもあります!
日中は暖かくなりましたが、夜はまだまだ冷え込む冷え込みますね。みなさんはアウトドアを楽しんでますか? 僕はといえば先日、猟期終了ギリギリに狩猟に行ってきました。実は、寒い季節はハンターな一面を持つワタクシ、毎年この時期になると山へ分け入っては鹿狩りをしているのです。
僕が行うのは忍び猟といいまして、猟犬を放ってじーっとポイントで待つ猟とは違い、ポイントポイントを移動して、その名の通り忍びながら鹿を見つけては狩るという山男スタイル。
いかんせん鹿は逃げ足が速いので、一度気づかれますと一目散に逃げられます。しかし、鹿の習性として、走って逃げると途中で「ん?」といった感じで立ち止まり、こちらに振り向きます。その瞬間を逃さず仕留めるのです(上級者は走っていても仕留めらるのですが僕の腕では……)。
今回の狩猟はというと…
そんな今回の滑り込み狩猟ですが、めっちゃ鹿が出ました! 出くわさない日も多いのですが、この日は夜中に雨が降っていたせいか、各ポイントに鹿がいるわいるわ。だが! すぐに気づかれたり、えらく遠くのほうだったりと仕留めることはできず。
今回は仕留めてからのジビエバーベキューは実現ならずでした。来期こそは仕留めてみんなでジビエバーべやで!
鹿肉で僕がよく作る燻製品
そんな鹿肉なのですが、僕が狩猟を始めたころによく作っていたのが、鹿肉ジャーキーです。鹿肉をカットし味つけをして乾燥させ、最後に燻製をします。
これがまた美味しくて、作ってはお笑いライブの楽屋に持っていって振舞っていました。燻製の煙の魔法にかかると、どんな食材でも美味しくなってしまいます。
ということで、今回のテーマは「燻製」! それも手の込んだ本格燻製ではなく、入門編のお手軽燻製をご紹介したいと思います。
初心者でもできる時短燻製料理
燻製には大きく分けて3種類あります。低い温度で燻す「冷燻」、50度から80度ほどの温度で燻す「温燻」、そして80度以上の温度で燻す方法を「熱燻」といいます。今回はその中でも最もお手軽で短時間で燻せる「熱燻」の方法をお教えしましょう!
この熱燻、燻製本来の目的の保存ということよりも、燻製による燻味や風味を食材にまとわせて美味しく食べようぜ、という意味合いが強いのでそんなに難しくとらえる必要はありません。僕はこれを時短燻製と呼んでいます。これだと家の中でもできますよー!
さ、気軽にやってみましょう!
燻製で使う道具はこちら
必要なものは、まずスモーカー。
各社、熱燻に対応したいろいろなスモーカーが出ていますよね。有名なのが、コールマンの「ステンレススモーカー2」。
そのほかには、左からサンフィールドというメーカーのスモーカー、そのお隣がキャメロンズの「ミニスモーカー」、ちらっと右に写っているのがこれまたコールマンの「コンパクトスモーカー」です。
スモーカーがなければ使い古したフライパンでも大丈夫です。
そしてもう一つがスモークチップ。
左が木を細かく砕いたスモークチップなのですが、右のスモークウッドと間違わないように! スモークウッドは木のくずを圧縮して固めたもので、主に「温燻」用として使います。
これらは匂っても普通にほのかな木のにおいがする程度。スモーク材が燃えて出た煙が、ようやくおなじみの燻製の香りがするのです。
チップも種類はいろいろあるのですが、入門編としては「サクラ」や「ヒッコリー」あたりが万能で使いやすいと思います。
チップは少量でオッケー
熱燻製に使うチップの量はこれぐらい。指4本でつまんだ程度で十分です。
というのも、熱燻はほんの5分から10分程度燻すだけで香りと風味がつきますので、あまりに多く入れすぎると逆にエグみや渋さがつきすぎて食べれたものではなくなってしまいます。
これをスモーカーの底にセットし、下からシングルバーナーなどで熱を入れていきます。するとチップが燃えて、スモークスタートというわけです。
今回はおつまみにぴったりな食材を使用
食材ですが、入門編にぴったりなのが6Pチーズ。これは色づきもわかりやすく、プロセスチーズなので熱燻でも溶けないのでおすすめです。
そのほかには、ソーセージやはんぺん、ベビーホタテ、ベーコン、ししゃもなども。表面が濡れていたらキッチンペーパーなどで水分を吸い取り、それらを網に並べます。
この時、6Pチーズのアルミ紙の剥き方としてポイントがあります。上部と横面だけ剥いて、下部のアルミ紙は残しておくこと。そうすると、熱で網にチーズがこびりついてしまうことを防いでくれます。あとはチップの入ったスモーカーを加熱し、煙が出てくるのを待ちます。
この時に色づきをよくするポイントとして、ザラメをチップの中に少量入れるといいですよ。ザラメが溶けてそれがいい色になってくれるんです。
煙が出たら蓋をして、弱火にします。強火のままだとかなりの勢いで煙が回るので、風味がつくどころかエグさが増してしまいますのでご注意を。
時間が経てばもう完成!
そしてコーヒーでも飲みながら待つこと約5分。ある程度色もついていると思います。色づきが悪ければ、少しチップを足してさらに数分燻します。するとええ感じに色づいた燻製の完成! チップの量と火力さえ間違えなければ実は熱燻は超簡単なんです。
変わり種だと、チーズケーキやバウムクーヘンなども美味しいですよ。自分なりの燻製食材を見つけ出すのも熱燻の楽しみの一つです。
そのほかの燻製料理
今回は入門としまして「熱燻」の方法を簡単に説明しましたが、燻製はまだまだ奥が深いです。最近のたけだのマイブームは、自家製燻製ベーコン作り。
これは仕込みから完成までに約1週間~10日かかるのでなかなか手間のかかる料理なのですが、その手間がある分、完成して食べたときの味は格別。
それをキャンプの時にベーコンエッグなんかにしたりして。もうたまりません! ぜひこれを機に燻製の世界に興味を持った方はベーコン作りもやってみてください。
こんな本も出してます
「でもなー、そんなこと言われても熱燻がもっと詳しくわかる本でもあればなぁ」とお考えのそこのあなた!なんとワニブックスから「晩酌が俄然楽しくなる 超・時短燻製121」という本が出ています。ぜひそれを参考に楽しい燻製ライフを送ってみてください(宣伝失礼しましたー)!
ナイスモーク!