ウォッチタイプのウェアラブルデバイス……とだけ聞くと新味はありませんが、このガジェットが備える機能は想像の斜め上を行くものでした。
The Basslet は、言うなればウェアラブルなサブウーファー。ユーザーが聴いている音楽とシンクし、その低音――キックドラムの衝撃やベースラインのグルーヴを身体へとダイレクトに届けるのです。
内蔵された特許出願中のテクノロジー LoSound が、10Hz~250Hzの低音振動を生み出すのだそう。小ぶりなサイズながら巨大なサウンドシステムに匹敵するパワーと精度を備え、手首に取り付けるだけにも関わらず、ユーザーは音楽に包み込まれているように感じる……とメーカーはアピールしています。
スピーカーやヘッドフォンのような音楽再生装置ではないので、The Basslet からの音漏れは発生しないとのこと。
ウェアラブルデバイスでは一般的な専用アプリを使う必要がないのも、The Basslet のおもしろいポイントです。3.5mmのオーディオプラグを備えた発信機が用意されており、これを音楽再生機器とヘッドフォンの間に繋ぐだけでOK。というすこぶるシンプルな仕様なので、スマホやPCからカセットウォークマンまで、ありとあらゆる音楽機器に対応するわけです。
ゲーム機やVRハードウェアでの利用が提案されているのも納得。架空の世界に、より深く没入できることでしょう。
USB経由で充電し、1時間足らずでフル充電。6時間の音楽再生が可能です。
大胆な着想によるおもしろいプロダクトですが、やはり「手首にまくだけのガジェットでウーファー足りえるのか?」という疑問が沸きあがってきますし、どれだけのパフォーマンスを発揮するかは実際に使ってみないとわからないところです。
ただ、音が耳だけでなく、身体全体で知覚するものなことは確かであり、いわゆるボディソニック(体感音響システム)と同じようなアプローチですから、アイデアとして奇矯なものではないでしょう。
低音域は、とりわけ振動として身体で感じる部分が大きくなるので、「ウーファーを身につける」ことは理にかなっているように思えます。
編集子としては、テクノやベース・ミュージックなどのダンス・ミュージックを聴いてみたいですね。まるでクラブにいるかのような音楽体験も期待できるかもしれません。
The Basslet は Kickstarter にてプレッジを受付中ですが、すでに目標金額の3倍超となる17万ユーロを獲得(2016年6月28日現在)。日本への発送にも対応します。
- 製品名
- The Basslet
- 価格
- 139ユーロ~(2016年6月28日現在)
- メーカー
- LOFELT