バイクカルチャーからULカルチャーへの返答!? 名古屋のWelldoneが作るポップなハンドメイドCap&Bag

バイクカルチャーからULカルチャーへの返答!? 名古屋のWelldoneが作るポップなハンドメイドCap&Bag
2016_06_04_2025

メッセンジャーやバイクパッキングといったバイクカルチャーの世界は、ULハイキングと並びインディペンデントな体勢でものづくりを行うコテージメーカーの多いシーンです。が、とかく機能性や軽量性のみを追求する傾向の強いULカルチャーとは違い、バイクカルチャーのものづくりは機能性を求めつつも、作り手の息遣いが伝わるような、「匂い」や遊び心のようなものを重視しているプロダクトが多い印象があります。

あの伝説の ZO Bags や、クラシカルながらモダンなパニアバッグを作る Swift Industries のように、バイクカルチャーならではの手作り感覚がありながらポップで抜けの良いセンスを感じさせてくれるメーカーは日本にはないのかしら、と思っていたら、ありました。しかも、そこにULとバイクパッキングが限りなく相似形を描く現在を色濃く反映した「バイクカルチャーからULカルチャーへの返答」とも言えるセンスが乗っているのです。

今年8周年を迎えたという Welldone は、名古屋在住の井上貴司さんによるキャップとバッグを中心としたハンドメイドブランド。そもそもの始まりは、名古屋から日本のバイクカルチャーを牽引し続ける自転車店、Circles のためにサイクルキャップを作ったことだとか。

Welldoneの原点、サイクリングキャップには数え切れないほどのバリエーションがある。写真はJet Cap。

Welldone の原点、サイクリングキャップには数え切れないほどのバリエーションがある。写真はJet Cap。


「もともとカーテンの生地メーカーに勤めていて職業用ミシンが身近にある環境だったので、カーテンの余り生地を使って趣味程度にちょっとしたものを作っていたんです。そしたら Circles からイベントの景品用にサイクルキャップを作ってくれないかと頼まれて、そこからバッグとかスマートフォンホルダーとか、徐々にいろんなものを作るようになりました」(井上貴司さん・以下同)。

そんな Welldone の現在の代表作は、Chips Bag と名付けられたフロントアクセスの可能な12Lと30Lのふたつのザック。特に Chips Bag 12L のフロントパネル全体がロールトップになった個性的なデザインは目は目を惹きます。

Chips Bag 12L X-Pac。バックルを解放すると中央のロールトップがガバっと開く。

Chips Bag 12L X-Pac。バックルを解放すると中央のロールトップがガバっと開く。


「Chips Bag 12Lは4~5年前から作っているんですけど、その当時はマウンテンバイクライドで使うハイドレーション・パックでカッコ良いものがあまりにもなかったんです。みんな既成のものを使っているんだけど、あまり気に入ってなくて、ならば作ろうと。この構造はポテトチップスの袋の背面を開ける〈パーティ開け〉を見て思いついたんです。だからChips Bag(笑)」。

Chips Bag 30L Hybrid Cuben Fiber(X-Pac Ver.もあり)。ロールトップがフードのように見える。

Chips Bag 30L Hybrid Cuben Fiber(X-Pac Ver.もあり)。ロールトップがフードのように見える。


容量は12Lと表記されていますが、ロールトップを緩めればライドやハイク中に多少荷物が増えても対応できそう。それに何よりこのデザイン、背負っていたら絶対に「それどこの?」と言われそうですよね。そしてもう一つの Chips Bag である新作の30Lの特徴は、一目でわかるようにクラシカルなULザックのスタイルの中央に設けられた、メインコンパートメントにアクセスするジッパー。

ガバっと開くのでテントの中でも便利そう。シルクスクリーンのロゴも良い雰囲気。

ガバっと開くのでテントの中でも便利そう。シルクスクリーンのロゴも良い雰囲気。


「ロールトップのザックは吹き流しが長くなるので、どうしても底のものが取り辛くなる。だから間口を極力広くしたいと思って、それでロールトップからジッパーでバカッとT字に開くようにしたんです。まだダブルジップにしたので、普段使いの時には下からもモノが取り出せます。ロールトップの弱点を解消しつつ使いやすいもの、ということでたどり着いた形です。自分は山の経験がそこまで多いわけじゃないので、いろんな人に使ってもらって、フィードバックをもらいながらサイズ感とかを考えて、なんだかんだ1年くらいかけて作りました」。

ジッパーは下からも開くのでロールトップを開けなくても中にアクセスできる。サイドのバンジーコードもよく考えられた作りだ。

ジッパーは下からも開くのでロールトップを開けなくても中にアクセスできる。サイドのバンジーコードもよく考えられた作りだ。


確かに重量を1グラムでも軽くしたいULザックの考え方なら、このフロントジッパーは不要かもしれません。ですがひとつのザックでハイキングやバイクライド、普段使いまでカバーしたいと思う人ならば、このジッパーのぶんの重量増は多いに許容範囲なのではないでしょうか。
さらにロールトップはショルダーハーネスに接続して留める方式(荷物が多い時はロールトップのバックル同士でも閉められる)なのですが、背負ってみるとクルクル丸めたロールトップがフードのように見えて、それがまたこのザックならではのチャームポイントになっています。ブランドロゴを手刷りのシルクスクリーンで入れている点なども、ULシーンとは違うバイクカルチャー的な「匂い」や作り手の手触りが感じられる部分ではないでしょうか。

トレランザック的なスタイルを採用したショルダーハーネスにはメッシュポケット付き。

トレランザック的なスタイルを採用したショルダーハーネスにはメッシュポケット付き。


「僕は自分自身が日本人的な細く計算し尽くされたプロダクトより、昔ながらのアメリカのハンドメイド感のあるものが好きなんで、そういう匂いも残したいと思っているんです。だから極力自分の手で作り続けたいし、ちょっとした縫い目のズレも〈味〉と思って理解していただけたら嬉しいですね(笑)」。

背面にはハイドレーション用ポケットも。

背面にはハイドレーション用ポケットも。


現在はサークルズの3階を間借りして工房にして、午前中はサークルズで自転車ペイントの手伝いをしつつ、午後は Welldone の製作をしているという井上さん。そんなライフスタイルも、実にバイクカルチャー的ですよね。

Welldone井上貴司さん。ご覧の通り超ナイスキャラ。

Welldone井上貴司さん。ご覧の通り超ナイスキャラ。


「自転車+キャンプ、自転車+音楽、自転車+ハイク。自転車ともう一つのFUNを繋げる、〈bicycle+α〉をテーマに制作活動しています」(HPより)という Welldone。自転車を普段の足にして、週末はバイクライドやハイキング、フェスに出かけるという方には、まさにうってつけのブランドではないでしょうか。

製品名1
Chips Bag 12L X-Pac
価格1
¥18,000(税別)
製品名2
Chips Bag 30L Hybrid Cuben Fiber
価格2
¥29,000(税別)
製品名3
Chips Bag 30L X-Pac
価格3
¥27,000(税別)
メーカー
Welldone
購入
Weldone オンラインストア ほか
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク