このコレクション、面白いと思います。とてもいいのではないでしょうか。ハイ・アルパイン・キット(The High Alpine Kit)は今冬のパタゴニアの新しいカプセルコレクション。高山でのアルパインクライミングなど、ミッションクリティカルなアクティビティにフォーカスし、不要な要素を廃する一方、必要な機能性は徹底して突き詰めたエッジの立った製品を揃えています。そこには既存のパタゴニアラインナップからキュレーションされたものと、興味深い新製品とが含まれています。
気になった新製品を見て行きましょう。
まず、2つのアノラックスタイルのジャケットに目が奪われます。なにこれ見たことない。。
ナノエア・ライト・フーディ(Nano-Air Light Hoody、冒頭に掲載)と M10アノラック(M10 Anorak)。ナノエアフーディー や M10ジャケット はパタゴニアの既存の人気製品ですが、どちらもアノラック型は存在しませんでした。
M10アノラック は3レイヤーの防水透湿生地を採用しつつ、不要な要素を削ぎ落として198gに収めた軽量なハードシェル。従来からのメンズの M10ジャケット も3レイヤーで 266g とかなり軽量でしたが、さらに軽くなっています。森林限界以上での使用も想定したシェルとしては最小限と言えるでしょう。スタイルは M10ジャケット がスタンダードフィットなのに対して、こちらはスリムフィットになっています。
カラーリングもいいです。非常時にも目立つ Campfire Orange の一択。潔いです。この色は、ナノエア・ライト・フーディ や、同じくこのコレクションに含まれている メリノ・エア・フーディ でも一択ではないですが設定があります。20世紀の登山用品のレガシーを感じさせる色を、現代的なセンスでフィニッシュした印象です。
アノラック型を採る機能面でのメリットはいくつか挙げることができますが、アノラックがなぜここまでソソるのか、について決定的なロジックを説明するのは難しいように思います。でも、とにかく心惹かれるのだから仕方ありません。これを着て、山に登りたくなるのです。
(残念ながら、ウィメンズの M10アノラック は設定がありません。ウィメンズの M10ジャケット が同コレクションの中に含まれています)
下半身は850フィルパワーのダウンが詰まっていて、重量、締めて490g(レギュラーサイズ)。夏季用のダウンシュラフよりも軽い値です。
この ハイブリッド・スリーピング・バッグ とも組み合わせて使える800フィルパワーのダウンを用いたビレイパーカである グレードVII・ダウン・パーカ(Grade VII Down Parka)もラインナップされています。もっとも過酷な場所で使用することを想定した製品とのことです。
他にもこのコレクションには、ナノエア・ライト・フーディ と同様のインサレーション仕様になっている ナノエア・ライト・パンツ(Nano-Air Light Pants)、伸縮性のある3レイヤーの防水透湿生地を用いた ガルヴァナイズド・パンツ(Galvanized Pants)など気になる製品が含まれています。
コレクションのコンセプトであるアルパインクライミングに導入するのはもちろんですが、秋冬の長期縦走など、ストイックなスタイルの各種山行にも援用できそうです。
時代を超えて繋がる登山の本質と、斬新な提案の両方を兼ね備えた非常に「山岳っぽい」パタゴニアが感じられます。
- 製品名1
- ナノエア・ライト・フーディ(メンズ/ウィメンズ)
- 価格1
- ¥31,500(税別)
- 製品名2
- M10アノラック(メンズ)
- 価格2
- ¥48,000(税別)
- 製品名3
- ハイブリッド・スリーピング・バッグ
- 価格3
- ショート¥36,000/レギュラー¥37,500(いずれも税別)
- 製品名4
- グレードVII・ダウン・パーカ(メンズ)
- 価格4
- ¥120,000(税別)
- 製品名5
- ナノエア・ライト・パンツ(メンズ/ウィメンズ)
- 価格5
- ¥19,500(税別)
- 製品名6
- ガルヴァナイズド・パンツ(メンズ/ウィメンズ)
- 価格6
- ¥39,000(税別)
- メーカー
- Patagonia
- 発売日
- 2016年10月5日(水)