経験者が教える、ボーイスカウトのこと
よく耳にしたり見かけたりすることがあるボーイスカウトですが、実際にはどんな活動をしていて、何が良いのかよく知らない人もいるのではないでしょうか?筆者はガールスカウト出身ですが、教わったこと、経験は今でも大いに役に立っています。その経験を踏まえ、今回はボーイスカウトについてご紹介します。
そもそもボーイスカウトって何?
ボーイスカウトは世界的な青少年運動のことで、野外活動などを通し社会で活躍する人を育てることを目的としています。1907年、アウトドアの達人であるベーデン・パウエル氏が、青少年育成のためにイギリスの小さな島で20人の子供達とキャンプを行ったことが始まりで、現在では世界169の国と地域で約4,000万人が加盟しています。
何歳から加入できるの?
ボーイスカウトでは年齢に合わせた教育プログラムを行うために、5つの部門に分けられています。●小学1年生~小学2年生:ビーバースカウト(小学校就学前の1月から仮入隊可)
友達と仲良く遊び、自然とふれあい、様々なことにチャレンジします。
●小学3年生~小学5年生:カブスカウト
自立心を育てるため、自分で考えて行動し、自分のことは自分でします。
●小学6年生~中学3年生:ボーイスカウト
リーダーシップ、協調性、社会性を養います。積極的な奉仕活動を通し、人の役に立つことの大切さを学びます。
●中学3年生9月~高校3年生:ベンチャースカウト
自分たちの興味に沿って活動計画を立て、報告発表し、成功に対してはアワードが贈られます。協調性、リーダーシップを養います。
●18歳9月〜25歳:ローバースカウト
ボーイスカウトの教育の最終段階で、より自主性に基づいた活動を行います。18歳以上になると指導者として参加することができます。
女の子でもボーイスカウトに加入できるの?
1995年から女の子でも女性リーダーがいる場合、ボーイスカウトに入団することが可能になりました。活動内容は男の子と同じ!少し抵抗がある場合は、ガールスカウトへの入団もおすすめです。女の子専用に編成された活動内容となっています。
ボーイスカウト出身者がすごい!?
某テレビ番組でボーイスカウト出身の芸人が集まって、その魅力を語り合っていました。この時出演していた芸人以外にも、ボーイスカウト出身の有名人はたくさんいるのでご紹介します。宇宙飛行士に多い!ボーイスカウト出身者
日本人初の国際宇宙ステーションクルーに選ばれた野口聡一さんもボーイスカウト出身者です。なんと、アメリカのNASA(航空宇宙局)の宇宙飛行士の2/3以上がボーイスカウト出身者であるというデータがあるのです。宇宙飛行士には強靭な体力はもちろん、探究心やリーダーシップなども求められますが、これらはボーイスカウトで培われたものなのでしょう。
ボーイスカウト出身の有名人
お笑い芸人の宮川大輔さんは、ボーイスカウトアンバサダー(親善大使)を務めています。お笑いだけでなく、多方面で活躍する行動力はボーイスカウトで得られた力なのかもしれませんね。その他には登山家の野口健さん、橋本龍太郎元総理、麻生太郎元総理、元サッカー日本代表監督である岡田武史さん、オバマ元大統領、アメリカの実業家ビル・ゲイツさん、映画監督であるスティーブン・スピルバーグ監督、サッカー選手のデイビッド・ベッカムさんなど……世界で活躍する有名人もボーイスカウト出身者です。なるほど、と思う人から意外な人までいますよね。
どんなことを学ぶの?【ボーイスカウトで教わる10のこと】
ボーイスカウトの活動は団によって異なりますが、野外活動を中心に行なっています。その中でスカウト達は様々な経験をし、多くのことを教わって行くのです。主な活動内容をご紹介します。①備える力
ボーイスカウトのモットーである「そなえよつねに(Be Prepared)」は、何事に対しても必ずやり通すために常に準備をしておくという意味。社会に出た時に、どんなことがあっても準備が整った人になる力を養うことができます。②自然との関わり方
ボーイスカウトの最大の特徴は、自然とのふれあいの中で生きる力を育んで行くこと。野外活動を通し、テーマを持って自然との関わり方を考えます。キャンプをしながら設営、料理やロープワークなどを学び、不便な状況をいかに技能、知識、チームワークで解消できるかを自主的に学びます。
③ボランティア精神
緑の羽根募金やユニセフ募金、地域の清掃活動やイベント時のプラカード持ちなど様々なボランティア活動に参加。そこで人の役に立つことの大切さや人を思いやる気持ちを学ぶことができます。④自分の身の守り方
救急法を含めてキャンプやハイキングなど、現地で実際に身の守り方を教わり、事故を防ぎます。危険な場所、行動、動物、植物などを知ることは身を守るためにも必要な知識です。⑤自主性
一人ひとりに役割が与えられることで、自主的に行動するようになります。異年齢で小グループを作り、キャンプやハイキングを行うことによって自ら進んで行動ができるようになり、自主性が養われます。⑥計画性
高校生になるとそれまでに習得した技能を、自らプログラムを計画して応用していきます。自分の設定した目標に向かい、進級制度の最高章である富士スカウト章取得を目指します。進級制度はモチベーションアップに繋がりますね。⑦協調性
ボーイスカウトでは様々な年齢の人たちと活動してきます。時には仲間と意見がぶつかったりしながらも、目標に向かって助け合っていくことで協調性が身につくのです。⑧上下関係を知る
年齢の異なる仲間と活動することは学校でもあるかと思いますが、ボーイスカウトの活動内容はとても密で、時には過酷なもの。その中で目上の人を敬い、指示に従うことは社会のルールを学ぶことにも繋がります。⑨国際理解
四年に一度、世界スカウトジャンボリーというスカウトの大会が開かれます。世界150ヶ国以上から仲間が集まり、およそ2週間にわたってキャンプを行うことで世界中のスカウトと関わり、世界と向き合って国際理解を深めて行きます。⑩贅沢をしない
ボーイスカウトでは質素であることを心がけます。時間や物を大切にし、無駄遣いをせずに役立つものがあればうまく活用していくという知恵がつきます。経験をしたからこそ、いま活きている能力
私はよく周りの人から「行動力があるね」と言われます。いつも何かにチャレンジしたり、楽しいことを企画するという力は、ガールスカウトで様々なことに挑戦してきたという経験から得たものではないかなと思っています。自然が大好きなので家族でキャンプを始めましたが、ほとんどの計画は私が立てます。育児をしながら細かく準備し、スケジュールを組み、大変なことはたくさんありますが、みんなに喜んでもらえることが楽しくて仕方ありません。
野外活動は危険じゃないの? ボーイスカウトの安全対策
ボーイスカウトの活動は野外活動が中心。各団によって安全管理のマニュアルを儲けているところもあります。多くのスカウト達の指導者はどのような対策を取っているのでしょうか。
指導者が安全講習、救急法講習を受けている
野外で活動をする際には危険が隣り合わせです。集団で行動するので、指導者の多くが安全講習や救急法の講習を受けてスカウトの健康面も含め、万が一に備えています。また各種保険への加入や地区への届出も行うようにしています。野外活動の場所を下見する
ハイキング、登山、キャンプなど決して安全とは言い切れない場所での活動を行うこともあります。その際は予め、場所の下見を複数人で行い、しっかりとスカウトたちの目線で危険箇所をチェックしていきます。各人に安全対策の意識を持たせる
ボーイスカウトでは自分の身は自分で守るよう、危険回避方法も含めて自ら考えて行動するように指導しています。一人一人が安全対策の認識を持つことで、安全に野外での集団行動を行うことができるのです。ボーイスカウトに興味が出てきた方はコチラを見てみて。
さぁ、ボーイスカウトで一人前に!
近年ボーイスカウト加入者は減少傾向にありますが、子供達が普段学校では教わらないことを教わったり、貴重な経験が出来る素晴らしい場です。野外活動を通し外遊びを楽しみながら、将来社会での活躍も期待できるような一人前に成長してくれるでしょう。
経験者が語る、ツーリングの極意
同じく経験者が教えてくれる説得力MAXの記事はこちら。Let’s become a professional outside play with Boy Scouts!
ボーイスカウトで外遊びのプロになろう!