初心者でも簡単!ワイルドな火起こしの一歩「バトニング」に挑戦してみよう
キャンプ場で販売されている薪を、そのままの太さで使用し、火を起こそうと思うと大変! 太さのある薪は火が定着しづらく、火起こしも難航すること請け合い。そんなときに身に付けておくと便利なテクニックが「バトニング」です。
バトニングとは?
バトニングとは、ナイフで薪を割ることを意味し、焚きつけ用の細い薪を作りたいときに実践したいテクニック。
薪にナイフを押し当て、ナイフの刃先を木材で叩くことで簡単に薪を割ることができるので、キャンパーなら習得しておくと便利です。
そこで今回は、アウトドア歴40年を越える寒川さんを講師に迎え、初心者でも簡単にできる「バトニングのやり方」から「おすすめのナイフ」まで教えてもらいます。
寒川 一(サンガワ ハジメ)
40年以上ものアウトドア経験を活かし、アウトドアライフアドバイザーとして活動中。北欧のアウトドア用品を取り扱うショップ「UPI OUTDOOR PRODUCTS」のアドバイザーや、完全予約制の「焚火カフェ」の運営、焚き火道具開発にも携わり、多岐に渡るフィールドでアウトドアの魅力を発信し、注目を浴びている。
まずは必要な道具の準備から! バトニングで欠かせない道具といえば、ずばりナイフ。しかし初心者の場合、このアウトドアナイフ選びも頭を悩ませるポイントに。
そこで数あるアウトドアナイフを取り扱ってきた寒川さんに、ナイフ初心者におすすめ「バトニング向けナイフ」BEST3を教えてもらいました。
買って後悔しない!初心者におすすめ「バトニング向けナイフ」BEST3
寒川さんがチョイスしてくれたのは、創業125年を誇るスウェーデンのナイフブランド「モーラナイフ」の3本。①手軽にバトニングを始めたいなら!価格も魅力的なモーラナイフ「コンパニオン」
モーラナイフ コンパニオン
●柄素材:ラバー
●刃素材:ステンレススチール
●刃長:約104mm
●全長:約219mm
●刃厚:約2.5mm
●重量:約84g
●刃素材:ステンレススチール
●刃長:約104mm
●全長:約219mm
●刃厚:約2.5mm
●重量:約84g
②着火までできるバランスの取れた1本!モーラナイフ「コンパニオン スパーク」
モーラナイフ コンパニオン スパーク
●柄素材:ラバー
●刃素材:ステンレススチール
●刃長:約104mm
●全長:約238mm
●刃厚:約2.5mm
●重量:約82g
●刃素材:ステンレススチール
●刃長:約104mm
●全長:約238mm
●刃厚:約2.5mm
●重量:約82g
「コンパニオン」はバトニングのみ、「コンパニオン スパーク」はバトニング〜着火まで一連の作業を賄えるので、自身の用途に合わせて選ぶといいでしょう。
③これから本腰を入れてブッシュクラフトに挑戦したい方は、モーラナイフ「ブッシュクラフト サバイバル」
モーラナイフ ブッシュクラフト サバイバル
●柄素材:ラバー 刃素材:カーボンスチール(ブラックコーティング)
●刃長:約109mm
●全長:約232mm
●刃厚:約3.2mm
●重量:約123g
●刃長:約109mm
●全長:約232mm
●刃厚:約3.2mm
●重量:約123g
刃厚3.2mmと厚めのステンレススチールブレードで頑丈。おまけに「ファイヤースターター」に加え、シースに「ダイヤモンドシャープナー」も付属しており、切れ味の調整も可能に!
【バトニングの薪選び】できるだけ「針葉樹」を準備しよう
ナイフを揃えたら、バトニングする薪の準備へ! 実はバトニングでは、薪選びも成功の鍵を握っているのだとか。
キャンプ場で一般的に手に入る薪は大きく2種類、広葉樹と針葉樹があります。薪の断面を見ると、木目の密度の違いが一目瞭然。
広葉樹の特徴
針葉樹の特徴
寒川さん
それぞれの薪の特徴を踏まえ、バトニングでは火付きが良く、軽くて割りやすい針葉樹を選ぶようにしましょう! また、薪に節の入っていないものを選別するのもポイントです。
【※注意】節のあるものは、バトニングでの使用を控えよう
針葉樹と言えど写真のような節があるものは、刃が通りづらいので注意! 最悪の場合、ナイフが折れて怪我をしてしまうことも。節の入ってるものは、焚きつけが安定してから投入する燃料として使用しましょう。
バトニングのやり方
それではいざ実践へ!①薪割り台の上に、バトニングする薪を立てる
薪割り台を用意し、薪を立てます。台に対し、薪が垂直に置けるかどうかチェックしてください。
寒川さん
叩く力をダイレクトに薪に伝えるためにも、地面に対し水平になるような場所に台を設置しましょう。立てかける薪の切り口は平らで、できるだけ垂直に安定して設置できるものだと理想的です。
バトニングをするときは万が一の怪我を防ぐためにも、身体の外にナイフを構える姿勢で挑みましょう。
②立てかけた薪に、ナイフの刃を押し当てる
ナイフの根元近くを立てかけた薪に押し当て、上から押さえつけます。
③バトン(木材)を使って軽く叩き、ナイフをしっかり薪に固定する
薪にしっかりナイフが刺さるよう、バトンを使ってナイフの背の部分をコンコンと軽く2〜3度叩きます。
ご覧のようにナイフが地面に対し水平に刺さり、固定されればOKです。
寒川さん
バトンに使用する木材は、重くて硬いものを用意してください。針葉樹に対し針葉樹で叩くと軽すぎて、力が伝わりづらいです。
③続いて叩き進める
最初はバトンを振るピッチを長めにとり強く、薪に対し半分ほどナイフが進んだらピッチを短くし優しく叩いていきます。
寒川さん
バトニングの一番のコツは、叩いていく途中でナイフの先端が下がってしまうのを防ぐことです。そのためにナイフを握る手を意識的に地面と水平にもっていくことを意識しましょう。
またバトンを降るときは、力を入れて振りきるのではなく、あくまでバトンの重みを活用するイメージでやってみましょう。
またバトンを降るときは、力を入れて振りきるのではなく、あくまでバトンの重みを活用するイメージでやってみましょう。
④薪が割れたら、バトニング完成!
ゆっくりと叩く力を緩めていき、様子をみます。薪が割れたら完成です。
寒川さん
薪の一番下までナイフで叩く必要はありません。7割くらいまで叩いたところで、ナイフを動かし薪が自然に割れるか確認してみましょう。
動画でもっと詳しく「バトニング方法」をおさらい!
よりリアルにバトビングのイメージを掴むなら、動画もチェックを! CAMP HACKのYou Tubeチャンネルでは、“いつも火起こしは着火剤に頼りがち”な「けっそん」が、寒川さんとバトニングに初挑戦。より工程やナイフについて詳しくご紹介しています。バトニングの疑問点を解決!
薪割り台は必要?
台は決してマストというわけではありませんが、あった方がベター。その理由は、バトニングをした際にナイフのブレードが地面の石など硬いものに当たり、刃こぼれするのを防ぐためです。
市販の薪割り台を準備してもいいですし、台が無い場合は、薪の平たい面を上にして数本地面に並べ、台の代わりとして使うのもいいでしょう。バトニングした薪を使って、次は「フェザースティック」作りに挑戦!
初心者だとナイフを扱う作業がゆえに緊張感のあるバトニング。ただ回数を重ねるごとに、いかに簡単に薪が割れるかコツが掴めてくると思います。
またその小割の薪を使って「フェザースティック」作りにも挑戦してみてください! 表面を薄く削ることで、着火剤の役割を果たしてくれる「フェザースティック」を習得すれば、薪をフル活用した火起こしが可能に。
続いて寒川さんにレクチャーしてもらっているので、是非チェックしてみてくださいね。