80’sの直線的フォルムがたまらない、デリカ「スターワゴン」
2019年2月、「デリカD:5」がフロントデザインなどの大規模マイナーチェンジで大きな話題に。けれど、新型デリカが話題を集める一方で、今なおキャンパーから熱く支持され続ける旧型デリカが存在するのをご存知でしょうか?それが「デリカ スターワゴン」。80’sな直線的フォルムにオフロード色の強いルックスがとにかくカッコいい! 生産終了から20年経過した今も、コレクターズアイテムとしてではなく現役バリバリで大事に使われているのが特徴のクルマです。
今回はそんな不思議な存在「デリカ スターワゴン」の魅力に迫ってみましたよ!
パジェロに並ぶ乗用4WD車の先駆的存在
「デリカ スターワゴン」って一体どんなクルマなのか、その系譜やキャンパーに愛される理由について詳しくみていきましょう!初代デリカ「スターワゴン」(デリカシリーズ2代目)
少しややこしいのですが、デリカシリーズとしては2代目に当たるのが「初代スターワゴン」。1979年の発売当初は乗用ワンボックスカーというポジションでした。ところが1982年に国内ワンボックスカーとしては初の本格4WDシステムを搭載。同年デビューのパジェロと並ぶ乗用4WD車の先駆的存在として一世を風靡します。
さらに大径タイヤ&最低地上高のUP、フロントグリルガードなどオフロード色の強い設計と広い居住空間がアウトドアユーザーにヒット。まさにクロスカントリーワンボックスの「スター」として市場を独走する存在へ。
2代目デリカ「スターワゴン」(デリカシリーズ3代目)
そして1986年に7年ぶりのフルモデルチェンジを遂げたのが、シリーズ3代目となる「2代目スターワゴン」です。スペース効率&居住性の高さを追求しつつ、「モノコックボディ」で安全性&耐久性へ配慮。バブル期の世相を反映し、“走るリビング”をテーマにマルチシートシステム・マルチオーディオシステム・マルチエアコンシステムを搭載。さらにガラス製のクリスタルライトルーフが採光性を高め、明るく開放的な室内空間を実現しました。
エンジンのラインナップも2.0L・2.5Lのガソリンエンジンと2.5Lのディーゼルターボエンジンを揃え(三菱歴代車種一覧より)、馬力も格段にUP。さらにフロントガードバーやリヤアンダーガードが装着され、エクステリアのオフロード性能とワイルドなルックスもブラッシュアップ。
こうして“キャブオーバー4WD車のリーダーカー”として、デリカの唯一無二の地位を不動のものとしたのがスターワゴンなんです。
アウトドアユーザーに人気のポイントは?
アウトドアユーザーに人気の理由は悪路走破性だけにあらず。やはり、エンジンの上に運転席がある「キャブオーバー式」によってスペース効率の高さも両立させたところがポイントです。デコボコの河原もガンガン走破しつつ、広い室内と圧倒的な積載力で大人数のキャンプだって余裕! それがスターワゴン最大の魅力なんです。
また、初代・2代目共にシートアレンジが多彩でフルフラットシートが可能。サーフボードなどの長尺物が積めて、車中泊もできるから、さまざまなレジャーシーンにマルチに対応してくれる点も長きに渡り愛される理由となっています。
「スターワゴン」はカスタマイズもとことん楽しい!
スターワゴンと言えばもう1つの大きな魅力が。そう、オフロード感満載のデザインとレトロで直線的なフォルムです! 和製ヴァナゴンとの呼び声高いそのルックスを、カスタマイズしてとことん楽しむオーナーも多いんです。フロントマスクにスペアタイヤを装着してインパクト大!
中古車販売サイトなどでよく見かけるのが、フロントマスクにスペアタイヤを装着したスターワゴン。ハンパないオフロード感とレトロさがマッチしたインパクト大のルックスですね。もともとスペアタイアを装着したモデルも存在したのですが、カスタマイズで取り付けている人も多いようです。
レトロカラーカスタム塗装で和製ヴァナゴン風
現行の国産モデルにはない、オレンジやサンドベージュなどのレトロカラーにカスタム塗装したスターワゴン。これだけで一気に和製ヴァナゴン風のノスタルジックな雰囲気に。レトロインテリアにこだわるキャンパーにイチオシのカスタマイズです。
フロントグリルガード&フォグランプ交換でより個性派に!
こちらはなんとワンオフ(オリジナル製作パーツ)のフロントグリルガードとフォグランプの装着例。ワイドなブラックアウトガードの存在感がたまりませんね! 北海道の雪道でも最高に頼れる相棒になってくれそう!今が狙い目?価格やコスパ面はどうなの?
新型デリカ登場により、スターワゴンなどの旧型デリカの価格に変化はあるのでしょうか? また中古車だけに気になる燃費面など、コスパについて調べてみました!新型デリカの発売で価格に変化が?
2019年2月の新型デリカ登場直後は、まだ126万円台をキープしていたスターワゴンの平均相場。ですがやはりその後は新型登場のあおりを受け、一時期は90万円台にまで値を下げました。2019年9月12日現在では、再び値上がりして121.3万円に。(カーセンサーnet調べ)それでも126万円台に比べるとかなり安くなっているので、買うなら今が狙い目と言えそうです。
中古車だけに、気になる燃費面は?
20年前に生産終了したモデルだけに、やはり気になってしまうのが燃費面。中古車なのでコンディション次第という部分もありますが、ガソリン車で約7km/L、ディーゼル車で約8kmといったところが実情のようです。ちなみにスターワゴンはパートタイム4WDなので、不要な時は2WDに切り替えることが可能です。