キャンプ飯の新定番「漬けレシピ」に挑戦したい
美味しいキャンプ飯を簡単に作れる「漬けレシピ」。CAMP HACKでも何度か記事でご紹介してきました。前日に自宅で漬けておくだけで、キャンプ場に着いたらすぐに食べられるため、キャンプ当日に面倒な作業をしたくない時短派キャンパーはもちろん、手際や味付けに自信がない料理下手キャンパーにもうれしい!
キャンプ場では作りにくいものも、道具や調味料の揃った自宅で作業すれば問題なし。手軽にキャンプ飯をグレードアップできるんです。
でも、「漬ける」というとなんだか料理の上級者がやることに感じてしまう人も多いハズ。そこで今回は、自称・ズボラキャンパー代表の筆者が、本当に簡単にできるのか検証しながらレシピをご紹介します。
おつまみから主菜まで!覚えておきたい3種の「漬けレシピ」
前述したとおり、過去に「漬けレシピ」は何度か紹介しましたが、まだまだレパートリーは無限大。そんな中でも今回は、誰が言ったか、これさえ覚えればなにを漬けても美味しくなる……というような基本の漬けレシピ「味噌漬け」「浅漬け」「マリネ」の3つにチャレンジします。
ちなみに、「漬けもの」というと常温でも腐らないとうなイメージがあるかもしれませんが、今回紹介するものはどれも、常温で置くのはNG! 作る時は道具や手を清潔にして、出発までは冷蔵庫保存、移動時はクーラーボックスで保冷して早めに食べてくださいね。
では、さっそく作っていきましょう!
話題のおつまみ「豆腐の味噌漬け」
最近話題の自家製おつまみ「豆腐の味噌漬け」って知っていますか? 水切りして味噌漬けにするだけで、まるでチーズのように濃厚な味わいになるんです。
ネットでレシピを調べると、使う味噌の種類や加える材料によって仕上がりがかなり違うようです。そこで今回は、やや辛口の合わせ味噌と甘口の西京味噌、2種類の味噌漬けに挑戦します!
<材料(4~5人分×2種類)>
・木綿豆腐:2丁
【辛口味噌】
・赤味噌(八丁味噌など辛口のもの) 大さじ2
・淡色または白味噌(家庭で使っているものでOK) 大さじ2
・みりん 大さじ2
・酒 大さじ1
【甘口味噌】
・西京味噌 大さじ4
・みりん 大さじ2
・酒 大さじ1
<作り方>
1. 豆腐をパックから出して水気を切り、キッチンペーパーで包む。
2. 平皿に1を並べ、その上に平皿を乗せて重しにして、冷蔵庫で2時間以上置く。
3. チャック付きポリ袋に【辛口味噌】【甘口味噌】の材料をそれぞれ入れて混ぜる。
4. 冷蔵庫から豆腐を取り出し、新しいキッチンペーパーで表面の水気を取る。
5. 3の袋に豆腐を崩れないように入れ、冷蔵庫で1日~2日漬けておく。
6. チャック付きポリ袋から取り出し、味噌を拭くか軽く水洗いしてから食べやすく切る。
▼ポイント
辛口味噌は1日、甘口味噌は2日漬けたら食べ頃です。漬けすぎて塩辛くなったらおつまみとしてチビチビ食べるか、ごはんに乗せても美味しいですよ!
豆腐を漬けたのは初めてでしたが、思った以上に美味しくできて感動! お酒が進みそうです。
ちなみにこの味噌だれ、砂糖を大さじ1加えて、お肉や魚を漬けて焼いても美味です。焼くときは焦げやすいので味噌をよく落としてから弱火で、がポイントです。
出発当日でも間に合う「蛇腹きゅうりの浅漬け」
味が染みやすく見栄えもいい「蛇腹きゅうり」。絶対に失敗しない切り方があるそうなので、そのテクニックにも挑戦してみます!
<材料(4人分)>
・きゅうり 2本
・大葉 2枚
・みょうが 1/2個
・塩昆布 大さじ2
・塩 ひとつまみ(約1g)
<作り方>
1. きゅうりを洗い、ヘタを落とす。
2. 割り箸をきゅうりの両脇に沿え、斜めの切れ込みを入れる(3mmほどの幅で、割り箸に包丁が触れるまで)。
3. きゅうりを裏返し、今度は真横に切れ込みを入れる(3mm幅、割り箸の高さまで)。
4. 3を3cmほどの長さに切りチャック付きポリ袋に入れ、塩をひとつまみ振りかける。
5. 大葉は半分に切って細切り、みょうがは半分に切って斜め薄切りにして4に入れる。
6. 塩昆布を大さじ2加え、冷蔵で半日程度置いたら完成!
▼ポイント
食べる時は、野菜の水分を軽く絞ってから盛り付けると見た目も美味しさもアップします。そんなに日持ちしないので翌日には食べきってください!
蛇腹きゅうりは、歯触りもサクサクッとして美味しいんですよ。でも面倒なら普通に切ったきゅうりでもOK。そのほか、キャベツやなすなど好きな野菜を浅漬けにしてみてくださいね!
簡単なのに豪華!「ローストビーフマリネ」
ローストビーフっていかにも料理上級者っぽいですが、じつはフライパンひとつで簡単に作れるんです! 前日に調理をして野菜たっぷりのマリネにしておけば、当日は切って盛り付けるだけ。
<材料(4~5人分)>
・牛肉(ローストビーフ用の赤身塊肉):300~500g程度
・玉ねぎ:1個
・パプリカ:1個(写真では2色を1/2個ずつ使用)
・塩:小さじ1/2
・こしょう:適量
・油(オリーブオイルがおすすめ):大さじ1と1/2
【マリネ液】
・酢:120~150ml(大さじ8~10。お好みで加減してください)
・油(オリーブオイルがおすすめ):大さじ4
・砂糖:大さじ4
・塩:小さじ1/2
・こしょう:適量
・パセリ(あれば):適量
<作り方>
1. 牛肉は約1時間前に冷蔵庫から出して常温に戻しておく。
2. 焼く直前に、牛肉に塩、こしょう、油(大さじ1/2)を擦り込む。
3. フライパンに油(大さじ1)を引き、中火にかける。
4. 鍋肌が熱くなったら牛肉を入れ、すべての面を30秒~1分程度加熱して焼き色を付ける。
5. 牛肉をいったん取り出しアルミホイルで2重に包む(水が入らないようにきっちりと)。
6. フライパンに5を戻し、水を1/3程度の高さに入れて中火にかける。
7. 沸騰したらフタをして弱火で8分程度(牛肉が小さめなら5分程度~)蒸し焼きにする。
8. 焼け具合を確かめ(後述)、焼けていればローストビーフの完成。そのまま冷ましておく。
(生焼けなら包みなおして1~2分再加熱する。余熱でも火が通るので焼き過ぎに注意)
9. 玉ねぎとパプリカを洗って薄切りにする。
10. 2重にしたチャック付きポリ袋に【マリネ液】の材料の酢・砂糖・塩を入れて溶かす。
11. 10に【マリネ液】の残りの材料を入れ、薄切りにした野菜を入れる。
12. ローストビーフが触れるくらいに冷めたら11に入れ、空気を抜いてフタを閉める。
13. 冷蔵庫で一晩漬けたら完成。ローストビーフをなるべく薄切りにして野菜と盛り付ける。
▼ポイント
蒸し焼き後に火の通りを確かめるには、肉の一番分厚い部分の中心に金串を刺して10秒待ち、抜いた串の先端を唇や手首の内側に当ててみましょう。
冷たければ生焼け、ぬるければちょうどいい焼け具合、熱ければウェルダンです。熱いうちに切ると肉汁が流れ出てしまうのでご注意を。
今回は400gのお肉を10分蒸し焼きにしましたが、少し焼き過ぎでした……。でも、薄切りにすれば多少焼き過ぎても柔らかくいただけますよ! もちろん野菜だけのマリネや、魚のから揚げを入れて南蛮漬け風にしても美味しいです。
「漬けレシピ」はびっくりするほど時短&簡単だった
3種の漬けレシピ、いかがでしたか? 一見難しそうな料理も、道具の揃った家で作ってキャンプ場では切るだけ、盛り付けるだけ、と超お手軽なのがうれしいですね。
味噌漬けや浅漬け、マリネの味付けはそのままに、漬ける食材を変えればレパートリーも広がりそうです。皆さんも、漬けレシピでキャンプの食卓をグレードアップしてみてくださいね!
執筆:岡村朱万里