世界を旅するそとあそびの達人、長谷部雅一さんの紹介
今回から長谷部雅一さんの連載が始まります。長谷部さんは世界中の子どもとふれあいながら、秘境やロングトレイルをザックを背負って歩く旅人。日本での活動は多岐にわたり、一言でいえばアウトドアプロデューサー、と言えます。
具体的には、一つのお仕事として子どもと出会ってあそびをともにしてきた経験から、幼稚園や保育園のコンサルタントも行っています。CAMP HACKでは、「キャンプ場や身近な自然でできる、子どもとのあそび」をテーマに、その知見を語ってもらいます!
さて、子どもとキャンプ場や公園で、何をして遊んでいますか? 何をしたらいいか、わからない人もいませんか? 足元やすぐ手が届く範囲にあそびのヒントが隠されています。もしかしたら、見えているけど見過ごしているときもあるかもしれません。
そとあそびのプロ、長谷部雅一さんのことばが、多くの親子にとって、あそびから何かを得るきっかけになればいいなと、思っています。それでは、連載スタート!
落ち葉でお絵”置き”
この連載では、自然の中で大人も子どもも一緒に遊ぼう!をテーマに、キャンプ場や大型都市公園へ行った時に、「子どもと一緒に何をしよう?」と悩んだら即実践してもらえるような自然遊びを紹介していきます。
遊びの要素は、幼児からでも楽しめるようなものを「遊び方」「コツ」そして「気をつけるところ」までを紹介していくので、季節や好みに合わせて是非実践してみてください。第1回は、幼児が必ず熱中する遊び「落ち葉でお絵置き」を紹介しよう。
まだ赤から黄色、茶色にかけて色づいた葉っぱが地面に敷き詰められているこの時期、ちょっとした時間でも遊べるので、是非やってもらいたい。
遊び方は簡単で、落ち葉や木の実、木の枝など好きなものを拾って、地面をキャンバスに拾ったものを置きながら絵を描いていくだけ。落ち葉拾いは体を温めてくれるし、制作の時間はリラックスした時間を楽しめる。
シンプルなだけに遊びの展開(アレンジ)も次々と思いつく。発展性という意味では奥が深いこの遊びを、早速手順を追って紹介しよう。
1:落ち葉拾い
フィールドに落ちている落ち葉を好きなだけ拾う。この時に、出来るだけ色々な色、形の落ち葉や木の枝、木の実を拾っておくと、この後の遊びの幅がグンと広がる。
虫食いの葉っぱも時には絵を完成させる際のキーポイントになることもあるので、それらも集めておこう。落ち葉拾いがエスカレートして、違う遊びになっても全く問題無いので、寄り道、違う遊びも楽しみながら集めるようにしよう。
2:落ち葉を置いて絵を描く
キャンパスにしたい地面の余計なものをはらって綺麗にする。この時は絵のサイズなど気にせず、ひとまず始められるようなスペースづくりだけでよい。絵が大きくなるにつれて、キャンバスを広げていこう。その後、拾ってきた落ち葉などを地面に並べて、貼り絵のように絵を作っていく。
秋から冬にかけて、地面には色、形、大きさが様々な落ち葉が落ちている。ただ集めるだけでも楽しい。
3:お絵置きの作品が完成!
最後に。この遊びについてわかっておきたい3つのこと
保護者の関わり方は?
1:シンプルな先導をするよくあるのが、1〜10まで全て先導してしまって子どもが全く楽しめないというケース。それを避けるためにも、遊び方の提案などは子どもの想像力やモチベーションをちょっとだけ刺激し、自分で考えて遊び始められるような問いかけをするようにしよう。
2:関わりながら見守る
この遊びは、どれくらい脳みそを自由に出来るかが集中の世界に入っていくポイントになる。「もっと○○○な葉っぱ拾ったら?」「これ目の位置が変じゃない?」など、“こうしないといけない”を思わせるような発言は我慢しよう。
3:ポジティブ&エボリューション的介入をする
子どもの創造性を豊かにするのは、時に大人の既成概念は足枷手枷になりかねない。子どもが拾った葉っぱの面白い所を褒めたり、制作している絵の素敵なところを拾ってあげて、子どもの想像力がつなに前向きで進化していけるような場づくりを心がけよう。
4:親も本気で
せっかく遊ぶのであれば、子どもと一緒に作るだけではなく親も本気で制作してみて欲しい。それが刺激になって子どもの作品がよりグレードアップされたり、もちろん関わる親自身も楽しい時間を過ごせる。
ポイント
・この遊びのポイントは、「変化」「増殖」「想像力」だ。制作する絵が、線路がどんどん延びていく列車のように長くなってもいいし、立体的な作品になっても面白い。もちろん作っている途中から内容が変わっていってもまったく問題無い。・絵を作りながらストーリーを紡いでいくのもポイントだ。一緒に物語もつくりながら制作をしていくと、あそびに発展性がでてくること間違い無しだ。
気をつけたいこと
・地面の下には時としてムカデなど人間にとって天敵の生き物が潜んでいることがある。直接触れない限り被害は無いので、冷静に木の枝などでよけるようにしよう。・通常、キャンプ場や都市公園でこの遊びをするのは問題無いが、フィールドが「特別保護地区」などに指定されている場合は出来ないことがある。ルールを守って遊ぶようにしよう。