今はまだ時期的に早いのですが、夏後半辺りから関東の太平洋岸に接岸し始めるメッキの小気味良いファイトに思いを馳せつつ、そろそろリールやロッドを引っ張り出し少しづつ準備を進めている私です。
メッキとは南海のルアーターゲットとして大変有名なヒラアジの仲間、つまりロウニンアジやギンガメアジ、カスミアジ等の幼魚の事。黒潮の流れに乗り夏から秋にかけて関東や東海の太平洋岸にも接岸する死滅回遊魚で、水温的に生息不可能となってしまう初冬にかけて、気軽にライトタックルで狙える好ターゲットとなってくれるのです。
大きさは接岸したての頃は15センチにも満たないサイズですが、秋から初冬にかけて貪欲に餌を捕食しぐんぐん成長、シーズン末期の12月頃には最大30センチ近くにまで育つ個体もおり、よりエキサイティングなファイトが楽しめます。もちろん死滅回遊魚ですから周囲の水温の変動具合によってシーズンの長さや成長度合いはかなり異なり、最近では海洋温暖化の影響からか全体的にサイズがアップし、シーズン自体も長引く傾向が見られます。
メッキは基本的に数尾から数十尾の群れを作り、各地の河口やサーフ、港湾内を回遊しています。それらの中でも特に彼等が好むのは汽水域。河川の下流域から河口周辺にかけては好ポイントが集中している事から、朝夕のマズメ時を中心にしばらく釣り粘っていると突然大きな群れに当たり、短時間のうちに夢の様な連続ヒットを味わえるチャンスがあるのです。
もちろん黒潮の本流により近い方が魚の供給量も増える上水温も下がり難くメッキ釣りには好都合。それゆえ関東や東海でもより南部、黒潮流路に近い南房総や伊豆半島南部に有名ポイントが集中しています。
私が好んで出掛けるのは南伊豆方面。車で片道2時間半程の行程ですが、有料道路を殆ど利用しないルートという事もあり移動コストも安く、その分を帰路の温泉入浴等に充て1日を目一杯楽しむ事が出来るのです。
釣行前日には予めタイドグラフや天気予報を見て潮回りや風向・風速を確認し、釣りをする上でストレス無く魚が回っていそうなポイントを幾つかピックアップ、当日朝マズメから午後に掛けて次々と狙い打っていくのがいつものパターン。徒歩メインのポイント間移動は長くて数キロに及ぶ事もあり、納竿の時刻には身体中がクタクタになってしまいますが、大抵の場合、それに見合う満足ゆく釣果を得る事が出来ています。
私が南伊豆をお気に入りにしているのは、憧れでもあるロウニンアジの幼魚・ロウニンメッキに出会える確率が高いという理由もあります。沖縄や奄美、そして海外のリゾートではトレバリーゲームの花型ともなっている魚種ですが、ごく小型とは言えそれをごく身近なフィールドでモノに出来るチャンスが高いのですから、ついつい気合を入れて通ってしまうのです。
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