大分温かくなってきたので、そろそろ頃合いかと思い、テント等を設営しないキャンプの計画を始めました。
何でまた、こんな計画を立てたかというと、子供の頃の思い出で、何人かで集まってブルーシートを使ってテントを作り、野宿をした経験があるからです。しかし、当時はまだ子供。物凄く不格好で半壊状態なブルーシートの屋根の下、一番端っこで寝ていた私は、物凄く寒く、しかも寝袋もかぶらないでいたため、寒さで意識が遠のいているのか、ただ眠くて意識が遠のいているのか、とにかくちょっと危ない状況だったのを覚えています。
近所でやっていたので、心配した大人が見に来てくれ一命を取り留め(?)ましたが、その事が強烈に印象にあり、リベンジも兼ねて、大人の力を見せつけてやろうと、ずっと画策してきたのです。
今回は、子供の頃と少し違った海と山の狭間でのキャンプに決定。ポイントは竹林が近くにあることです。
キャンプ地も決まり、使用の許可ももらい、早速キャンプ地に向かいます。持ち物は、ブルーシート一枚・麻紐沢山・飲料水4リットル・米2合・カレーセット(肉とか野菜とかルーとか)・アルミホイルそのた諸々。
キャンプ用のナイフ・忘れてはならない寝袋に、床に敷く銀マット。以上です。友人は何名か誘いました。ただ、普通のキャンプは来てくれるのに、今回の計画を話したら、誰も来てくれませんでした。
なので、今回は単身でキャンプします。
さて、キャンプ地にやってきました。時間は昼過ぎ位。持ってきたおにぎりとお茶で簡単に昼食をとります。
ちなみにキャンプ地は私の知り合いが個人的に所有している所で、事前に許可は得ていますが、通常一般には個人利用以外はしていないそうです。
飲料水ではないですが、井戸があったり、ドラム缶の五右衛門風呂があったり、かまどがあったりと、野外にしては設備が整っています。簡易ログハウスもあるのですが、今回そちらは使いません。
とにかく到着したので、テントを設営します。テント設営には「竹」が必須です。竹は、支柱代わりに使えるので、何本が竹狩りしておきます。本当は生竹を使うより、乾燥させた竹を使ったほうが、
硬くてしっかりしているので良いのですが、まぁ一泊だけですので問題ありません。
竹の先を竹やり(見たことはない)の様に尖らせます。ブルーシートにはそれぞれ四角と、辺の真ん中に穴が開いています。まず、真ん中の穴に竹の尖らせた先端を入れます。
反対側も同じくします。これでブルーシート真ん中に竹が刺さった状態になります。これが支柱部分で、補強として支柱と反対の支柱の間に竹を通します。
筋交い縛りという結び方で、両方を固定すると、しっかりした梁の完成です。あとは支柱の尖った上部に麻紐を2本ひっかけて張り網にします。竹の一節分位の長さで作った
自製のペグで張り網を固定します。これで、概ね屋根部分は完成です。あとは四隅にも麻紐を通して、しっかりブルーシートにたわみが出ないように張り網するだけ。
とまぁ、文章にすれば簡単ですが、竹の加工などで大体3時間以上費やしています。前日に若干雨が降ったようで、地面が湿っていたため、竹を何本か使って床を作成します。
その上に銀マットを敷くと、まぁそんなに寝心地は悪くない感じに仕上がりました。
これにてテントの完成です。子供の頃に比べて、さすがに知恵を絞っただけあって、まともな出来映えです。
気付くと薄暗くなってきたので、さっさと晩飯の調理に取り掛かります。と言っても、カレーを作るだけなのですが。
しかしここで、鍋を持ってくるのを忘れたことに気付きます。直焚きするのはご法度なので、かまどを使うことにしましたが、鍋がなければどうしようもありません。
取りあえずかまどの方へと行くと、調理器具が揃っていることに気付きました。使うとは言っていなかったですが、ここは仕方なく拝借します。
薪は使っていい許可を得ていたので、火おこし開始です。火種になるように、麻紐と薪を細かく削ったもの、かばんのサイドポケットに入っていた新聞紙を輪上に丸めて設置します。
後は火をつけて、徐々に大きな薪へと火を移していきます。ある程度の火力になったところで、具材を炒め、てきぱきとカレーを作ります。
カレーはこんな感じで作っていきます。米を炊く方法ですが、ここでも竹を利用します。竹の一節分を2・3用意し、節の片側だけに穴を空けます。
中を良く洗い、米(無洗米)と適量の水を入れ、アルミホイルで全体を覆います。余り火力が強すぎると、竹まで焼けてしまいますので、注意が必要ですが、このままかまどの上に乗っけます。
調節が難しく、今回炊いた米は若干芯がのこるものや、焼けて硬くなったものまでありました。まぁ、失敗しても食えなくはなさそうです。
米が炊ける間に、五右衛門風呂の準備をしていましたが、1人で全部やるのって、かなり面倒です。とにかく火を焚いて、井戸からせっせと運んだ水をドラム缶に投入し落し蓋も入れます。
ある程度温まったところで、これ以上火力調整は無理との判断で温かい程度の湯を張りました。
ここまで作業の連続で、大体チャキチャキ動いておりましたが、ようやく夕飯の時間です。
若干失敗した米にカレーをかけて食べる。美味い。硬いけど、美味い。陽は殆ど落ち、少し近くに海があるので、波の音が聞こえます。
大きな木があるので、葉のこすれる音と涼しい風が自然を感じさせてくれます。
あぁ、これぞキャンプの醍醐味だよなぁと、しみじみ。風呂につかり、誰もいない場所で、民家も離れているので解放感でいっぱいです。
ゆるりゆるりと、日々の喧騒を忘れ、ゆったりとした時間が流れるキャンプ。久しぶりに行きましたが、やっぱりいいものです。
夜も、子供の頃と違って広々と温かい状態で眠れました。
そんなこんなですが、テントを持って行くよりも少し軽装になれて、何だかいろいろオリジナリティ溢れるテントが作れる、こんな工夫が必要なキャンプもありなんじゃないかなと、しみじみ思いました。
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