これは新しい。。カーボンファイバー製のミニマルで超軽量なパニアバッグシステムです。
伝統的な金属製ラックを使うパニアバッグではなく、近年台頭のバイクパックでもないこのアプローチ。とりわけ、現代的なロードバイクに乗っているライダーにとっては、これは画期的なアイディアではないでしょうか。
ラックを金属パイプで作らなかったことがTailfin(テイルフィン)の革新的なイノベーションだったと思います。せっかく軽量性を極めたロードバイクに乗っているのだから、できるだけ軽量であってほしい。デザインもカーボンバイクにマッチするものがうれしい。
そして、現代のロードバイクフレームの多くは、ラックを装着するためのダボやネジ穴は備えていないので、それなしで装着できる構造でなくてはいけません。
Tailfinの場合は、下部(足)は専用のスキュワー(車輪のホイールを固定する棒)にワンタッチで固定、上部は1本のアームをシートポストに固定するという構造。ボルトを使わないのでロードバイクにも問題なく装着できるし、最近の断面が必ずしも円形ではないシートポスト形状にも対応しているようです。
ラック部分の重量は275g。一般的な金属製のキャリアは本体だけで500gを超えるのが普通ですし、金具が100g以上追加されることを考えると、Tailfinは半分以下の重量と考えてよいと思われます。
ちなみに、Tubus(チューブス)の Airy というチタン製ラックは Tailfin 並の軽さですが、デザインや装着方法は従来式です。
Tailfinのもうひとつのイノベーションは専用のパニアバッグ。X-Pacかそれに近い軽量な素材で作られていて、内側には(おそらく)これもカーボンファイバー製のプレート型のフレームが入っています。容量は24Lあるので、リア用パニアバッグとして十分なボリュームと言えます。それで重量は600gに抑えています。装着方法はちょっと変わっていて、ラックに開いている穴にシャフトを差し込んで固定するようです。
また、アダプタを介することでオルトリーブなどの従来のパニアバッグを装着することもできるそうです。
(ちょっと気になるのは、従来のラックよりもフレームの本数が少ないので、車輪と接触しないのか?というところですが、バッグ内のプレートがそれを防いでいるのかもしれません)
これまで、現代的なロードバイクでのロングライドのようなシチュエーションでは、自転車用のバックパックを背負うか、サイクルジャージのバックポケットに入るだけしか物を持たないかのどちらかが一般的だったように思います。
でも、バックパックはサイズが大きくなると身体にストレスがかかるし、ポケットにはレインウェアや防寒着まではさすがに入りません。デイライドならまだしも、数日にわたるライドには、やはりそれなりの収容能力が欲しいところです。
バイクパックもそのためのソリューションのひとつですが、Tailfin はより大容量(パニアを左右に付けると48L!)でタイトなところが魅力でしょう。
こういうアイテムの登場で、ロードバイクによる新しい自転車旅の可能性が広がるような気がします。たとえばテントやクッカー持参で、夏の北海道を周遊するような長旅はどうでしょう? 舗装路がほとんどなら、軽量で高速なカーボンのロードバイクは大きなアドバンテージがあるはずです。
- 製品名
- Tailfin
- メーカー
- Tailfin
- 価格
- £228からプレッジ可能(ラック+パニアバッグ1つ。日本への送料含む。原稿執筆時現在)
- 購入
- Kickstarter