クッカーひとつで「ご飯」「おかず」「味噌汁」が同時にできる!?
今回レビューするアイテムは、ユニフレームの次世代省エネクッカー「KOLME(コルメ)」。KOLMEはフィンランド語で「3」を指し、その名のとおり3つの調理を一度にできるのが特徴です。
千葉大学工学部デザイン学科とフィンランド・アールト大学の学生らが産学共同研究としてコンセプトやアイデアを提案。およそ3年の歳月をかけて製品化されたというし、実用性も考え抜かれてユニフレームらしさ全開。楽しみが詰まった予感がします。
外鍋の中に内鍋が入っていることと、鍋と蓋の間にシリコーン蓋が挟んであることを除けば、見た目はコンパクトなソロ用寸胴型クッカーです。
3つの調理を同時進行している図解がこちら
ありそうでなかった「3つの調理が同時進行可能」という大胆な発想。どういうこと? と仕組みが気になったため図解にて予習をし、実際の使い勝手を確かめます。KOLMEのパーツ全容と役割をチェック!
KOLMEの内容物は外鍋、内鍋、シリコーン蓋、蓋、専用ハンドル、メッシュ生地の収納袋。外鍋・内鍋・蓋はフッ素樹脂加工を施したアルミ製です。まずはそれぞれのパーツについてサイズ感などをチェックしましょう。上皿測りに載せると、総重量は約300g。メーカー公証値の約310gは収納袋まで入れた重さです。
外鍋:おもに「湯沸かし」用
メインクッカーとなる外鍋は、高さ10.6cm、胴体部外径10cm、開口部外径10.8cm。満タンに水を入れると800mlです。外鍋の内径は9.8cm。内鍋を使わないときは110gのOD缶(ガスカートリッジ)が入ります。ちなみに、外鍋には同社のミニバーナーUS-700も入りますが、裸のまま入れると鍋のコーティングが傷付くので布袋に入れてからが好ましいです。
同様に内鍋を使わないときは、UNIFLAMEのFDシリコンスプーンがケースごと入ります。もちろん、チャウキットもKOLMEとともに付属の収納袋に入ります。
内鍋:おもに「炊飯・茹で」用
内鍋は高さ7.9cm、胴体部外径8.4cm、開口部外径10.8cm。ハンドル取り付け用の切り欠き直下まで水を入れると360ml入ります。シリコーン蓋:缶詰など「蒸し」用
KOLME独特の部品であるシリコーン蓋は、ハンドル保持用の出っ張りを除くと外径11.4cm、高さ2.1cm、缶詰を載せる窪み底部の直径は7.8cmです。蓋:単体でも使えるけれど……
蓋は胴体部直径10cm、開口部外径10.8cm、内径は9.8cm。満タンに水を入れると300ml入ります。一般的なカップスープやインスタント味噌汁に必要な150mlのお湯は、蓋だけでも沸かせますね。蓋をシェラカップのように使えるかと思いハンドルを取り付けてみましたが、底が水平になりませんでした。これは残念。
メーカー的にも「フライパン使用については安全上NG」としています。
【基本の調理手順】焼き鳥ご飯定食を作ってみた
最初の準備:しっかり洗う
使用する前に全部の部品をよく洗います。特にシリコーン蓋はホコリが付きやすので、丁寧に。手順1:外鍋に水を入れる
まずは外鍋に210mlの水を入れます。210mlのラインは外鍋の内側に刻まれています。手順2:内鍋に水、アルファ米を入れる
内鍋の内側に刻まれた目盛りに合わせて水150ml、アルファ米100gを入れます。ひとり分にパッケージされた市販のアルファ米の多くは100gなので、全量をどうぞ。手順3:シリコーン蓋に缶詰を載せて鍋に固定
内鍋開口部の切り欠きとシリコーン蓋側面の台形の穴が合うように、内鍋にシリコーン蓋をかぶせます。シリコーン蓋を被せた内鍋を外鍋に入れ、シリコーン蓋の上にキレイに洗った缶詰を置きます。
手順4:蓋を閉じてバーナーで加熱
ハンドルを付けた蓋で閉じ、小型バーナーの上で加熱調理開始。炎がクッカーの底からはみ出ないように火力調整し、約5分加熱します。火力が強すぎるとシリコーン蓋が硬化する恐れがあるので、注意しましょう。
5分たったらできあがり!
火を止めて蓋を開けたら内鍋側にハンドルを差し替え、缶詰と内鍋を取り出します。さらにハンドルを差し替えて、外鍋のお湯でインスタント味噌汁を作りました。ご飯、おかず、汁物の3品が一気にできあがり! ちなみにアルファ米100gの炊き上がりはお茶碗大盛り1杯分。そこそこに満足できる量の食事です。
缶詰加熱時の注意点
元箱やWebで紹介されていた缶詰は、いわゆる焼き鳥缶で、ほとんどが直径7.5cm、高さ3cm。このサイズの缶詰はもちろん、大きめのシーチキン缶で直径8.6cm、高さ4cmのサイズのものも載せられました。残念ですが細長い缶詰は入りません
幅10.6cm、奥行6.3cm、高さ2.3cm前後のいわゆる蒲焼缶は収まらず! これが入れば、おかずのバリエーションが一気に増えたのですが……。紙ラベルは剥がしましょう
気を付けたいのは紙ラベル付きの缶詰。加熱中に紙ラベルが剥がれて湯に溶け出す可能性があるので、事前にラベルを剥がしておきましょう。【応用調理法】缶詰2段重ねてみたら、イタ飯も作れるぞ!
シリコーン蓋と上蓋の間に若干の隙間ができ、上側の缶詰が温まりにくいのですが、シリコーン蓋の上には焼き鳥缶サイズの缶詰を2段重ねも可能。※缶詰2段重ねの加熱調理はメーカー指示の使い方ではありませんので、自己責任でおこなってください。
鶏そぼろと肉じゃがの五目ごはん定食・味噌汁付き
作り方は前述の基本パターンと同じながら、アルファ米を白ご飯から「五目ご飯」に、缶詰を「鶏そぼろ」+「肉じゃが」にしてみました。おかず2品付きの、五目ごはん定食のできあがりです。カレーとコンソメスープランチ・おかず2品付き
あまり温めなくてもおいしく食べられる缶詰を蓋の上に載せて加熱調理すれば、おかず3品、もしくはひとつの缶詰の中身をご飯にかけて、2品をおかずにできます。※缶詰2段重ね、および蓋の上での加熱調理はメーカー指示の使い方ではありませんので、自己責任でおこなってください。
というわけで、蓋の上で温めた常温食可の缶詰カレーを白ご飯にかければ、おかず2品とコンソメスープ付きのカレーライスのできあがり!
きのこのパスタとツナサンドのイタ飯ランチ
先述のアルファ米と同じ調理方法でできるパスタもあります。KOLMEの加熱調理中パンにツナを挟んでおいたら、パスタ&ツナサンド+おかずのイタ飯ランチができました。蒸す機能を使って「点心料理」もできました!
シリコーン蓋の上に、缶詰の代わりに冷蔵ミニシューマイ3個を置いて加熱調理してみるとほどよく蒸し上がり、美味しくいただけました!
※冷蔵点心食品の加熱調理はメーカー指示の使い方ではありませんので、自己責任でおこなってください。
今度はシリコーン蓋に小籠包3個を載せてチャレンジです。こちらも基本調理方法と同じ5分でほどよく蒸し上がりました。
汁物をインスタント中華スープにすれば、点心ランチも簡単なのです。
アルファ米の活用頻度が高い登山での調理にはシューマイや小籠包は向きませんが、平地でのソロキャンプなら、KOLMEで点心料理だってお手の物!
時短&省エネなKOLMEはソロキャンパーの強い味方!
KOLMEを使ってわかったことは、単純に「簡単」ってこと。わずか5分程度で立派なソロキャンプ飯ができちゃうのだから、料理が苦手な人にも好都合。また3つの調理を別々におこなうよりはガスの消費が少なくなっている点も見逃せません。願わくば調理時の使い勝手改善と、内鍋やシリコーン蓋がなくてもソロクッカーとして使える形状になっていたら。
そして、大好きな蒲焼き系の缶詰が入るとうれしいなあと感じたのでした。
The post 【徹底レビュー】噂のユニフレーム「スチームクッカーKOLME」で簡単時短なソロキャンプメシ first appeared on CAMP HACK[キャンプハック].