セレクトショップとして「バンブーシュート」
バンブーシュートのオープンは1998年。90年代はストリートファッションの全盛期で、ザ・ノース・フェイスやパタゴニアといったアウトドアブランドもストリート的なアプローチから脚光を浴びていました。
そしてそれはアウトドアファッションブームが2000年初頭に起こる温床にもなっていて、そんな時代にバンブーシュートは誕生したのです。
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甲斐さんオススメのアウトドアウェア、ギア
現在のバンブーシュートで取り扱われているオススメのアウトドアウェア、ギアを甲斐さんに聞きました。
アークテリクス 「アトムARフーディ」
アークテリクスはファッションとしてもアウトドアウェアとしても本当によく動きます。どっちかの目的で買っても結局両方で着ている。そんな人が多いですね。中でもこれは本当に便利。
アウター、ミドラーどちらでも抜群だし、デザインも洗練されています。カラバリはもちろん、サイズ違いで揃えるなんて人もいるくらい間違いのない1着です。
パタゴニア 「R2ジャケット」
これも感覚的にはアークテリクスのと同じですね。最近はよりファッション要素の強いレトロ系のアイテムが人気ですが、まずはここを押さえてからでしょって思っています。
トレッキングやキャンプとか抜群です。もちろん秋や春にはアウター、真冬はミドラーとしてヘヴィロテ。こんな便利な1着なかなかないです。
スポルティバ 「トラバースX5 ゴアテックス」
足元はこれが今一番いいかなぁ。割と本気仕様のミッドシューズなので普段履くには避けがちですが、本当に履きやすいんです。
アウトドアに行くのにも街に買い物に行くのにもどちらに履いてもいいと思います。
トゥーが細く、どんなパンツにもスタイリッシュにハマります。それでいて山靴ならではのゴツさと機能性も揃えているところがいいですね。
オスプレイ 「ファーポイントトレック55」
これはデイパックじゃないので流石に普段使いはできませんが、旅行用バッグとして抜群ですね。トレッキングのための背面システムを持っているので、重たい荷物を入れても疲れません。
PCやハイドレーションを収納可能なスリーブも備えるなど、クロスオーバーな仕上がり具合がツボですね。
ブラックダイヤモンドのLEDライト
ちょっとギアっぽいところで、ブラックダイヤモンドのライト各種を。
ブラックダイヤモンドはパタゴニアの前身で創業者イヴォンの名を冠したブランド、シュイナードイクイップメントの系譜に当たる正統派ブランドなんですが、かなり早い段階からLEDランタンの名作をバンバン生み出しています。
アポロなんか有名ですが、最近はこの3つがキャンプに調子いいですね。
アウトドアブランドの傑作アイテムたちは、デザインの中に機能美を内包しています。それは街使いの中でももちろん発揮され、ときにはオーバースペックと揶揄されながらも多くのファッショニスタの心を掴んできました。
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いまなお厳選されたアウトドアウェアやギアを提案するセレクトショップ「バンブーシュート」。それらアウトドアアイテムと“相性のいい服”として始まったのがブランド「バンブーシュート」でした。
ブランドとしての「バンブーシュート」
2017年の春夏よりスタートした、アウトドアとファッションが出会う場の中で考えられた甲斐さんの極私的ワールドスタンダードな服。それこそがブランド「バンブーシュート」の出発点であり、コンセプトです。
そんなブランド「バンブーシュート」のベーシックな服たちを見てみましょう。
まずは甲斐さんといえばベイカーパンツ。ベイカーパンツといえば甲斐さん。氏のトレードマークと言えるベイカーパンツはブランドでももちろんスタンダードであり看板アイテム。
毎シーズン、素材やシルエットなどを微調整しながらそのときの気分に会ったベイカーパンツを生み出しているとこと。
履き込むほどに風合いが増すコットン100%のバックサテン素材を使った19AWモデル。程よくテーパードさせて現代シルエットにアップデート済み。
座ったときのアイテム落下を防ぐためのシークレットジップポケットを付けるなど、リアルな表情の中に遊び心が落とし込まれています。
左右のポケットの形状が異なる通称「ガチャポケ」デザインを採用したデニムシャツ 。
4.5ozというライトウェイトデニム素材を使うことで耐久性を保ちつつ、デニムシャツならではのゴワつきを軽減しています。フィールドでも大いに活躍してくれる一着。
デザインの元ネタは名門ワークブランドであるビッグヤンクが考案した今なおヴィンテージファン胸熱のディテールです。
元々はタバコを入れるためのポケットとして考えらえたディテールも、甲斐さんが作ることでアウトドア的な用途を掻き立てられます。
インナーとしてではなくて、メインとして着て欲しい。そんな思いを随所に感じられるカットソー。
今の時流に乗ったビッグシルエットを採用しながらも、独自パターンを採用することでオリジナリティある一着に仕上がっています。コットン100%の風合いもよく着込むほどに身体に馴染みます。
ややロングテールになったデザインが着たときのアクセントに。さらにフラットシーマーによる存在感あるステッチを、あえてボディカラーと異色にすることで、単調になりがちな見た目にも変化をもたらしています。
ヴィンテージのハンティングジャケットをベースに、現代シルエットに再構築したマウンテンリサーチとダブルネームの一着。
中白染めという、繊維の深部まで染まらない特殊な技法で染色され、着古したような味わいのある風合いに仕上がっています。
ダブルネームの証明となるブランドタグのコンビネーション。腕の動きをスムーズにする脇下のガゼット。大小二つのポケットを備える胸ポケット。バイカラーになった裏地とディテールも充実!
誰もが一度は穿いたことがあるデニムパンツ。そして誰もが一度は袖を通したことのあるネルシャツ。これらのルーツはいずれも「アメリカ」。そんなアメカジの基本となる古着を出発点にアウトドアブランドに出会い、そしてアウトドアウェアに合う服を考えたとき、基本となる古着ベースのアメカジウェアに戻ってくる。こうしたループの中で甲斐さんの服作りは始まったのです。
現在のアウトドアファッションについて
最後に現在のアウトドアファッションとそこにある甲斐さんの服について改めて伺いました。
現在のアウトドアファッションは3種類あると思うんです。
一つはただ温かく、ただ便利な服としてのアウトドアウェア。これはファッションというか実用的に取り入れているということ。
二つ目はストリート系の着こなし。アウトドアブランドが作る純正品をしっかりそのスタイルにはめ込んでいます。
そして三つ目がモードなデザイナーズ系。アウトドア特有のハイスペック素材に注目し、その機能美を上手に引き出しています。機能美をデザインで具現化しているというか。
ファッション的には後者の2つを注目していますが、そのどちらにもぼくたちの服は合わせられると思います。
それはベーシックゆえにアウトドアウェアのデザイン性と調和します。ディテールや素材へのこだわりもアウトドアウェアとの親和性に対する意識から生まれるのです。
これからもアウトドアファッションを楽しむ皆様をより満足させる提案をして行きたいと思っています。
Photo:烏頭尾 拓磨