家にこもりがちな今こそ道具のメンテナンスを

新型コロナウイルスの影響もあり、外出を控え自宅で過ごす時間が多くなりました。今回は薪づくりに使う道具の手入れや、焚き火で煤汚れたキャンプギアの手入れなど、簡単にできる方法をご紹介したいと思います。
刃物ギア使用後の手入れ方法

斧やナタ、ノコギリなどの刃物類は手入れを怠るとサビが発生し、切れ味も落ちてしまいます。 ナイフや包丁でもよく言われることですが、切れないほど危ないものはありません。しかし、だからといって刃物類は研げば良いだけのもでもないんです。
作業後の道具はご覧のように、ブレード(刃)が汚れます。 これは樹液に含まれるヤニやシブなどが付着しているから。早速、メンテナンスに取りかかりましょう。
作業後は、まず樹液を取り除く

使い終わったら、まずこれらの樹液を刃物クリーナーで取り除きます。



切れ味が悪くなっていたら、研ぐ

刃物の種類やその時々によって使い分けています。
柄(え)も合わせて、手入れ


道具は手入れすることでより磨かれ寿命を伸ばしてくれますが、何より手をかけた分だけ愛着が生まれ、人に貸せないほど大切なものとなるはずです。
焚き火で煤(スス)だらけになったギアの手入れ方法
煤には「焚き火の灰」と「お湯」を使う

煤が付いていると使い込まれた渋さがあって「男前」と表現されることもありますが、「煤汚れは落としたい!」という方のために手入れ方法をご紹介します。
使う材料は、焚き火の灰とお湯。昔から洗剤や漂白剤として使われていた灰汁(アク)を作ります。



本来は灰の中に熱湯を入れたり煮たりしてから数日放置して、灰が沈んだ上澄み液が灰汁です。無色透明の灰汁が濃度が高いと言われています。
強アルカリ性のため、原液を素手で触ると指紋が溶けるので作業中はゴム手袋を着用しましょう。またアルミ製の容器はアルカリに溶けるので、ステンレスやホーロー、陶器などを使用するようにしてください。
しつこい煤汚れには、つけ置き


昔は藁(わら)で磨いていたようですが、新聞紙などでも代用は可能。ただし、スチールタワシなどはすりキズが付くので控えることをおすすめします。

もう一方のアナルコカップは2時間ほどできれいになりました。最後に水ですすぎ乾燥させてできあがりです。
灰汁は万能なメンテナンス剤
灰汁は食品のアク抜きやこんにゃく作りでも使われますが、油汚れにもよく効くので水で希釈(きしゃく:濃度を下げるために媒体の量を増加すること)し、スプレー容器に入れて家庭用洗剤としても重宝します。また、火傷の薬としても効果があるとも言われています。 灰も言うならば燃えカス。用済み、燃やせないゴミ。それがこんな効用があるなんて驚きですね。自然の力は偉大です。
キャンプ場での焚き火の後始末などマナーを守れない方もいるようですが、灰は持ち帰って再利用しましょう。