ザ・ノース・フェイスから待望の新作テントが登場!徹底的にレビューします
ザ・ノース・フェイス(以下、TNF)のテントといえば、2018年のジオドームの衝撃が記憶に新しいですよね。それ以来のTNFらしい独創的なテント「eva」シリーズがこのたびリリースされました。ジオドームは機能美や居住性の高さが話題になったテントでしたが、今回の新作はオートキャンプでの使い勝手がかなり良いという前評判を耳にしています。一体どんな点が使い勝手良いのか、数々のテントを使ってきたテントマニアに辛口レビューしてもらいます!
レビューしてくれるのは、テント40張り所有のこの方
久しぶりに印象的なテントがTNFからリリースされましたね! 写真では見たことありましたが、直接見るのは初めてなので楽しみです。これまで様々なテントを試してきたので、その経験を生かして徹底的に忖度なしでレビューします。
evaシリーズの特徴は何と言ってもドッキングだと思いますが、とはいえ単体で使えなかったらなかなか手が出しづらいので、まずは個別の使用感をチェックしていきたいですね。
evaシリーズを辛口レビュー!
このevaシリーズは全3モデルから構成されており、ベーステントとなる6人用サイズのEvabase 6をハブに、4人用のEvacargo 4と2人用のEvacargo 2をドッキングできるというユニークな設計になっています。単体使用時のインナーテントは簡単に脱着可能な吊り下げ式。ダブルウォールのテントとしても、フロアレスシェルターとしても使えるという汎用性の高いつくりが特徴です。
ソロキャンプならこれ?!Evacargo 2
インナーテントのフロアサイズはレギュラーマット2枚でちょうどなので、ソロテントとして使うのが丁度良さそうです。
オートキャンプの場合は荷物を入れたりしますよね。そうすると基本は1人用ということになるでしょう。
1人ならラージサイズのマットが使えますし、マット以外に荷物を置くスペースも十分に確保でき快適な広さと言えます。
またこのテントの良いところは広い前室があるところ。そして入り口は両サイドにファスナーがあるので、フロントドアを跳ね上げてオーニングとして使うことができるんです。
これがなかなか快適で、ソロならタープを張らなくても丁度良い屋根を確保できてしまいます。
これくらいのサイズのテントでこれができるのは稀なケースなので、なかなか貴重な存在と言えそうです。
ただフロントドアにはガイラインを追加するループなどがついていないので、雨天時などは上部に水が貯まらないように多少工夫する必要がありそうです。
またこのシリーズすべてに言える点として、インナーテントを使わずシェルターとして使えるというのも魅力。
その場合は必然的にフロアレスになりますのでコットを入れることになると思いますが、Evacargo 2はローコットを入れてソロで使うのに丁度良いサイズ感ですね。
デュオ、ファミリーに!Evacargo 4
Evacargo 2と同様に荷物を入れたり、ゆったり寝たいという方は2-3人が適切という印象です。
インナーテント無しでコットを入れる場合は左右に2台というのが丁度良いのですが、壁が垂直に近い角度で立ち上がっており、天井高も高いので、ハイコットを入れても余裕があり使いやすそうです。
ただ3台入れるには厳しいので、ゆったりと3人で寝たいという場合はインナーテントを装着してマットを敷くことになるでしょう。
Evabase 6はファミリー、グループに最適!
Evabase 6は6人用テントという側面もありつつ、やはりリビングシェルターとして使うのが一番相応しいのではないかと思います。格別に広いわけではないですが、冬場に石油ストーブなどを使う場合もこれくらいのサイズだと暖房効率が良く、小さめのストーブ一台で十分暖まれて快適だと思います。
3〜5人くらいの家族やグループが団欒するには丁度良いサイズ感で、室内高が高く腰をかがめることなく使えるのもリビングとして使うのに都合が良いです。
※石油ストーブを使用する際は、換気を十分に行い自己責任でお願いします
4人であればラージサイズマットが敷けてゆったり寝られるので嬉しいですね!
上の写真ではラージマット2枚とレギュラーマット3枚を変則的に並べていますが、このように並べれば5人寝ることができます。
evaシリーズは、ドッキングしてこそ本領発揮するのである!!
前述の通り、このシリーズはEvabase 6をハブにして連結することができます。これが最大のユニークポイント。3種類すべてを連結した場合は、Evabase 6をリビングとして使い、パパとママはEvacargo 4で、子供たちはEvacargo 2で就寝、なんて使い方ができます。
ストーブなどの熱源がある場合は、リビングと就寝スペースを一緒に温められるのもメリットです。
もちろんEvacargo 2か4一つだけを連結して使うこともできるわけで、そうすれば2ルームテントと同様の構成になりますし、Evabase 6の空間は一般的な2ルームテントのリビングより広いので、かなり快適に使えるはずです。
また2ルームテントだと一度設営したら構成を変えることができませんが、この組み合わせの場合はEvabaseの位置はそのままに、Evacargoの連結箇所を後から入れ替えてルーム構成を変えることもできるのです。
気になる連結方法は極めてシンプルで、Evabase 6の接続部を開き、Evacargoの頭を突っ込んだら、ベルクロストラップで数カ所固定するだけ。
気になるところもチラホラ…
1. スカートをまくるシステムがない
これはメリットでもあるのですが、evaシリーズはすべてフライにスカートがついており、寒い気候での使用に適したスペックとなっています。スカートを巻き上げるループなども無いため、夏場などは若干通気性の悪さを感じるかもしれません。
もし夏場に使うなら、スカートはたくし上げて目玉クリップなどで固定してしまうといいかも。
2. キレイに設営するのが難しいかも!?
それともうひとつ気になったのが、Evacargo 2と4は基本的にトンネル型で、自立式ではないため、均等にテンションをかけてきれいに張るには少々コツがいるということ。
横方向に引っ張りすぎてしまうときれいな形にならないので、はじめてテントを張るという初心者の方には正直難しいかもしれません。とにかくトンネル型のテントを張る場合は、ポールが通っていない長手方向にしっかり引っ張ってテンションをかけることが肝要です。
3. 耐風性はちょっと不安
最後に少し気になったのが耐風性です。evaシリーズはどれも高さがあって居住性が良いのは長所なのですが、背の高いテントは風の影響を受けやすいと言えます。
風が強い時は適宜ガイラインを追加してペグダウン箇所を増やして対応するというのが常套手段。しかしevaシリーズはそのためのエクストラループがほとんど無いので、ポールにガイラインを抱かせるとか、カラビナでつなぐなど、何らかの工夫が必要になるでしょう。
どんなキャンパーにオススメ?
evaシリーズの3種類をコンプリートしておけば、ソロキャンプからファミリーキャンプ、グループキャンプまで、様々なキャンプに対応できることは間違いありません。3種類全部揃えても定価ベースで¥118,800(税込)というのもお値打ちでしょう。一度に全部じゃなくても、一張ずつ揃えていくということもできます。
それで2ルームテントとして使ったり、3ルームテントとして使ったりと、様々な使い方ができるのですから、費用対効果は抜群なんじゃないでしょうか。オートキャンプ用のテントとしては軽い方と言えるでしょう。
スタッフサックもボストンバッグ形状で非常に持ちやすいのが好印象です。以上を鑑みて総合的に評価すると……。
・様々なメンバー構成でキャンプがしたい!
・スタイリッシュなテントを使いたい!
・秋冬の寒い時でも暖かく快適にキャンプがしたい!
・2・3幕目のステップアップに!
・コットを併用してフロアレススタイルでも使いたい!
こんなユーザーさんにオススメしたいと思います。
evaシリーズ3種類の詳細はこちら
撮影協力:ザ・ノース・フェイス
朝霧ジャンボリー オートキャンプ場