冬キャンプではスープジャーが活躍!
作っても作っても冷めていく料理
先に完成した料理が冷めてしまうのは、冬キャンプあるある。2バーナーをフル活用したとしても、複数の料理を同時に完成させることは難しいものです。作っても作っても冷めていく料理に、頭を悩ませているキャンパーも多いのでは?そこで活用したいのがスープジャー(フードジャー)。上の写真の場合、スープをつくるタイミングが難しいところですが、スープジャーに予め熱々のスープを用意しておくことにより、ぜんぶホカホカでいけました。
コーヒーやお茶でも使える!
スープ類だけでなく、コーヒーやお茶でもスープジャーを使うことができます。保温性能のあるマグカップを使っても、飲み終わるころには冷たくなってしまった経験がありませんか? こまめにフタを乗せておくだけでも、冷めるスピードはだいぶ違います。スープジャーといえば、という注目5製品の保温力をテスト
売れ筋のスープジャーを5製品、用意しました。これより保温力のテストを行います。沸騰したお湯を入れ、4時間後に何℃まで下がっているのかを計測します。気温は2℃。住んでいる地域によって受ける印象はさまざまでしょうが、決して薄着では出歩けない寒さです。
沸騰中のお湯を使用
ぐらっぐらに沸騰したお湯を使用します。5つのスープジャーに注ぎ終わるまでバーナーの火は止めず、1つのスープジャーに注いだらすぐバーナーに戻すことで、できるだけ同じ温度のお湯を入れるよう心がけました。容量いっぱいになるまで注いで、すぐにフタをしました。隙間の生じる量だと、保温力は下がってしまうからです。
そのまま待つこと4時間
実際にスープを入れてから4時間程度で食べてしまうだろうということで、この時間設定にしています。お湯の投入は朝に行ったので、徐々に日が高くなっていきます。わざわざ日陰に移すようなことはせず、なりゆきにまかせて時間をおきました。
テスト結果と各製品の特長
それではお湯を注いだ順に結果を発表! 容量が大きいほど冷めにくいので、製品間で容量の異なる今回のテストでは「第○位!」と優劣をつけることができませんが、実力を知ることはできるかと。保温性能だけでなく、それぞれ独自の魅力がありましたよ。#01 KEVNHAUN スープマグ280ml
まずはKEVNHAUN(ケヴンハウン)のスープマグ280mlから。保温テストの結果は65℃でした。一般的に「温かいスープ」と呼ばれる温度なので、性能に不足はなさそうです。普段から使いたくなる洗練されたフォルムです。カラーバリエーションはイエロー、ティールグリーン、ホワイト、オレンジレッドの4色(写真は一番人気のティールグリーン)。
フタは内蓋と外蓋が一体となった1ピース構造。本体には、熱い金属部分に唇が触れないよう飲み口が設置されています。この飲み口は取り外して洗うことが可能。
細長い形状は、子どもの手でも握りやすいことでしょう。弁当と一緒に持ち運ぶさいにも、細い方が収納しやすいですよね。フタにあるクロスは単なるデザインではなく、開閉時のグリップをサポートする役割もあります。
倒れにくいようにボトムが広がっています。唯一無二のフォルムは、デザイン性だけでなく安全性も高めていたのでした。カラーバリエーションもおしゃれですし、日常的に使いたいスープジャーとしては一番ではないでしょうか。
#02 THERMOS 真空断熱スープジャー/JBU-380
THERMOS(サーモス)の真空断熱スープジャーは、75℃という驚きの結果を叩き出しました。380mlという容量も有利に働いたとは思いますが、さすがTHERMOSと言わざるを得ません。安定感のあるフォルムです。置き場所が少々傾いていても問題なさそうなので、アウトドアでの使用にぴったり。
本体はステンレス製の魔法びん構造、フタは外蓋と内蓋の2ピース。1ピースのフタに比べて開閉の手間が増えはしますが、そうした手間がまた、高性能ギアを使う喜びを実感させてくれることでしょう。
グリップしやすく、「遠慮なくしっかり締めろ」と言わんばかりのフタです。外蓋、内蓋、パッキンは別売りでも購入できるので、本体を末永く愛用できます。
保温性能を優先してスープジャーを選ぶなら、頭ひとつ抜きん出ている印象でした。主食寄りの具沢山スープを入れて、冬のフィールドでガンガン使いたくなる製品です。カラーバリエーションは写真のネイビーの他、ホワイトとレッドが用意されています。
サーモス 真空断熱スープジャー 380ml JBU-380
●サイズ:幅9.5×奥行9.5×高さ12.5cm
●口径サイズ:(約)70mm
●容量:(約)380ml
●重量:(約)0.3kg
●口径サイズ:(約)70mm
●容量:(約)380ml
●重量:(約)0.3kg
#03 STANLEY 真空フードジャー 530ml
さて、次はアウトドアシーンにおけるボトル界の雄・STANLEY(スタンレー)の真空フードジャーの登場です。記録した温度は78℃超。530mlという大容量もあり、当然のようにトップの温度を弾き出しました。
STANLEYらしい無骨なビジュアルが、キャンプで使いたくなる欲求をくすぐってきます。カラーバリエーションがなく、外観はステンレスのみという潔さもまた粋ですよね。
直接口をつけるには容量が大きいため、外蓋をカップとして使用します。スプーンが付属するので、ごろごろ野菜のポトフやシチューを入れても、他の食器を必要としません。
スプーンはこのように本体に収納できます。「フードジャー」の名が示す通り、入れるものは「食事」というわけです。といだ米と熱湯を入れてフタをし、4~5時間おいておけばお粥ができるという、持ち運び中に完成するような調理方法まで存在します。
カラビナなどでバックパックに吊り下げることが可能。他の4製品に比べて値は張りますが、アウトドアでの利便性は圧倒的と言えるでしょう。
#04 タイガー ステンレスカップ〈スープカップ〉300ml
魔法瓶といえば誰もが知っているブランド「タイガー魔法瓶」。今回ピックアップしたステンレスカップ0.30Lは70℃を記録し、安定感を見せつけました。ぴたっとフタの締まっている姿に、何やら高い完成度が窺えます。カラーは写真のチリレッドの他、インディゴブルー、サフランイエローの計3色。容量もまた250ml、300ml、380mlと3サイズが用意されており、今回は300mlサイズをテストしました。
フタは2ピース構造なんですが、このように1ピースと同じように開閉でき、内容物へのアクセスが迅速です。ステンレスの本体はスープの具材が食べやすい、広口構造を採用。
分解して隈なく洗浄できます。加えてステンレスには「スーパークリーン加工」という技術が使われており、汚れとニオイがつきにくいという特長が。角度的に写っていませんが、本体の内側の底は丸くなっていて、スプーンで最後まで具材を取り出しやすく、洗うのも簡単!
コップ状で持ちやすい当製品は、保温だけでなく保冷でも本領を発揮。夏には冷製スープやスムージーも楽しめます。使いやすさや手入れのしやすさで群を抜く、万能タイプだと感じました。
#05 mosh!フードポット 300ml
おしゃれな容器ラインナップで知られるmosh!シリーズ。今回参戦してもらったフードポット 300mlは、72℃と充分な実力を示しました。どこか懐かしくもあるビジュアルは、キャンプでも普段のランチでもおしゃれに映えることでしょう。カラーは写真のホワイトの他、アイボリー、ターコイズ、グリーン、ピーチ、ブラウンとバリエーション豊富。全体的に淡い色調でまとめられています。
本体内側にある100ml刻みの目盛りが何気に便利。インスタントのスープなどは「お湯200mlを注ぐ」といった作り方が多いですから。フタは1ピース構造で、シリコンパッキンは取り外して洗うことが可能です。
ブランドロゴがエンボス加工されています。同製品を複数を購入し、調味料入れとして台所に置きたいとすら思ってしまいました。それほど魅力的な外観です。
フタ上部のステンレスにもエンボス加工が。ビジュアルに一目惚れして選ぶユーザーが多そうですが、今回のテストにより、見かけだけでなく実力も評価されるべき製品だと判明しました。
結果をまとめると
以上、売れ筋5製品のテスト結果とディテールを見てきました。一応、テスト結果の温度順に並べると、次のようになります。STANLEY 真空フードジャー 530ml…78℃
THERMOS 真空断熱スープジャー JBU-380…75℃
mosh!フードポット 300ml…72℃
タイガー ステンレスカップ スープカップ 300ml…70℃
KEVNHAUN スープマグ 280ml…65℃
というわけで見事に容量順になりました。容量が大きいほど冷めにくいので、順当と言えます。
タイガーとmosh!の容量は同じですが、おそらく公表されている容量は推奨容量であり、ギリギリまで入れることにした今回のテストでは、明らかにmosh!の方が多く入りました。
見るべきポイントは保温性能だけじゃない!?
5製品を隅から隅まで観察して思ったのは、モビリティや使い勝手など、「メーカーが何を考慮し、何を優先したか」で保温性能が決まってくるのではないかということ。
もちろん保温性能を最優先するのもアリですが、「弁当と一緒に持ち歩くかどうか」「子どもにも使わせるかどうか」といった、生活スタイルを考慮するのもアリです。