「苦手なこと=料理」なパパがキャンプ飯に挑戦!
CAMP HACKでも紹介する、ダッチオーブン料理。実際のところ、料理初心者にはちょっとハードルが高くて、敬遠しちゃったりしませんか? でも本当に難しいのか、料理初心者のファミリーキャンパーのパパに作ってもらってみました! その結果やいかに!?
今回挑戦するのはみんなの憧れ、鶏の丸焼き。鶏の中に詰め物をするのは、別名「スタッフドチキン」とも言います。料理経験ほぼなしのジョージさんと一緒に作っていきましょう。
ジョージ
みなさんはじめまして、ジョージです。
名前:ジョージ
年齢:40歳
キャンプ歴:1年
家族構成:妻、長女、次女
ジョージ
はじめての本格的な料理なので、うまくできるか自信がありませんが、がんばります! パパの株をあげたい!
挑戦するのは憧れの「鶏の丸焼き」!
「鶏の丸焼き(ローストチキン)」。実際にプロが作った丸焼きを見てみると……。これは難しそう。こんなのレストランで食べるものであって、自作、しかもキャンプ場でなんて無理でしょう! そもそも丸鶏を触りたくない! とジョージさんはやる前からボヤキが止まりません。しかも中に詰め物もすると聞いて意気消沈。この先が思いやられます。
用意したのはコレ
材料全景を見て頭を抱えるジョージさん。調味料を含め確かに多めです。だけど一度にすべてを使用するわけではないですし、ひとつひとつクリアしていきましょう!
今回はダッチオーブンを使うので、炭は必要不可欠。料理に入る前に種火を用意しておくとスムーズです。
炭一つにしっかり火をつけておけばあとは放っておいても燃え移るので大丈夫。上蓋にも炭を乗せるので、多めに作っておきます。
材料と道具はコレだ!
単純に鶏を丸焼きにしてもつまらないので、しっかりスタッフィング(詰め物)もしましょう。スタッフィングには、今回ジャンバラヤを選びました。材料が多いので、それぞれの材料を個別に見ていきます。
▼ローストチキンの材料
・丸鶏1羽(1kgくらい)
・ジャガイモ 3個
・ニンジン 2本
・レモン 1個
・ハーブソルト 大さじ2
・粗挽きこしょう 大さじ1
・タイム 小さじ1
・ローズマリー 小さじ1
・オリーブオイル 大さじ2
▼スタッフィング(ジャンバラヤ)の材料
・タマネギ 1個
・パプリカ(赤) 1/2個
・シイタケ 4個
・ウインナー 4本
・炊いたご飯 約2合分
・バター 10g
・オリーブオイル 少々
・A(以下調味料4種)
ターメリック 小さじ1/4
パプリカパウダー 小さじ1
チリペッパー 小さじ1
ガーリックパウダー 少々
・塩 小さじ1
・こしょう 少々
▼道具
・キッチンペーパー
・竹串
・たこ糸
ジョージ
材料多っ!(笑) ジャンバラヤなんて聞いたこともない! こんなの一人でできる気がしないです……。どうしよう。
いざ、作ってみよう!
調理指南役は、わたくし筆者が務めさせていただきます。料理はそれなりにやってきたので、基本的な知識はありますよ。さぁ、まそれでは調理スタート! まずは丸鶏の下処理をします。
ジョージ
……触りたくない。
筆者
だめです。体の中までちゃんと洗ってください。
丸鶏をよく洗います。体の中に血のかたまりが残っている場合があるので、内側も外側もしっかり洗っていきましょう。
ジョージ
え、これ首っすか!? ひぇ~~。
筆者
水気は大敵です。しっかり拭き取ってくださいね。
よく洗えたら、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。このとき体の中も忘れずに拭き取りましょう。
ジョージ
ここまでは簡単だったな。丸鶏の中に手を突っ込んだときはちょっとなんとも言えない気持ちになったけど……。鶏さん、おいしく頂くからね!
材料を切っていく
ジャガイモは皮付きのままよく洗い、芽を取ったら皮付きのまま半分にカット。ニンジンも皮付きのままよく洗い、大きめの乱切りにします。
レモンはくし切りにしておきます。
ジョージ
包丁を握るの久しぶりだったけど、難しい切り方はなかったから安心。これくらいなら僕にだってできるよ!
丸鶏に下味をつける
ジョージ
(また触るのか……)
筆者
ちゃんと手の平を使ってしっかりすり込んでください! 体の中もね!
ジョージ
はい……
ジョージ
1時間!? そんなに時間かかるの? でもじゃあそれまで休憩ってこと? え? 違うの?
スタッフィングの材料を切る
タマネギ、シイタケ、パプリカを5mmくらいの角切りにします。ジョージ
きれいに切れたぜ! みじん切り好きです。
ウインナーは輪切りにします。
筆者
上手に切れましたね。では炒めていきましょう。
スタッフィングの材料を炒める
ジョージ
では行きます!
筆者
もっと鍋の前に立ってください(笑)。逆に危ないですよ。
フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、タマネギを炒めます。
タマネギがしんなりしてきたら、切った他の材料を加え、全体に火が通るまで炒めます。
ご飯を入れて全体がなじむように。
Aを全て入れ、全体になじませます。混ざりにくいようなら少量の水(分量外)を足すと◎。このとき味を見て塩・こしょうで味を整えましょう。
ジョージ
こんなにスパイス入れて大丈夫なの?
筆者
大丈夫です。スタッフィングは濃い目に作るのがコツですよ。
最後にバターを入れ、混ぜ回せます。
バターが全部溶けたら、フライパンを火からおろし、粗熱を取っておきます。
丸鶏にスタッフィングを詰める
ジョージ
これまでで一番エグい!! どうしよう!!
筆者
ここが最大の難所です。焦らなくていいので、ゆっくりやっていきましょう。
丸鶏の足を広げて、作ったジャンバラヤをスプーンで入れていきます。
ジャンバラヤはスプーンでギュウっと押してできるだけ詰めましょう。
ジョージ
丸鶏の油で滑ってちゃんと手に力が入らない……。
筆者
せっかく作ったスタッフィングも出てきたら、意味がありません。竹串は肉に刺そうとせず、皮と皮を縫うように進めていきましょう。あとしっかりお肉を支えてください。
ジャンバラヤを詰めたら、お尻の皮を縫うように竹串で留めていきます。
ジョージ
できた! 危うく手に竹串を刺しそうになっちゃったけど、都度手を拭きながらゆっくり刺していったら上手に縫えました! なんだろう、すごく心地いい達成感(笑)。
竹串が留まったら、両足を交差させてタコ糸で固定します。ここでゆるく結んでしまうと、中身が出てきてしまうので注意しましょう。
丸鶏を焼いていく!
ダッチオーブンに底網を敷きます。丸鶏を中心に入れます。
丸鶏の回りに切った野菜を並べましょう。このとき、彩り豊かになるように、バラバラに入れると見た目がよくなりますよ。
タイムとローズマリーを入れ、オリーブオイルを回しかけます。
ダッチオーブンの蓋をして、炭の上に置きます。このとき蓋の上にも炭を配置しましょう。最初は上下ともに強火、同量程度の炭の量で一気に焼いていきます。
ダッチオーブンから湯気が出てきたら、上の炭はそのままで、下の炭を少し減らして中火になるように調整し、さらに1時間ほど焼いていきます。
蓋を開けてみて、焼き目がついていたら焼き上がりです。
ジョージ
さぁいよいよ焼きだ!ってときに、どうやら炭の量が足りないようでした……。
ダッチオーブンの上に炭を置くなんて初めてだったから、どれくらい炭が必要かわからなかったな。多いかな?ぐらいで炭を熾しておくぐらいがよさそう。ちょっと焦げちゃったけど、焼いているときは、ハーブのいい香りがキャンプサイトに漂っていました!
ダッチオーブンの上に炭を置くなんて初めてだったから、どれくらい炭が必要かわからなかったな。多いかな?ぐらいで炭を熾しておくぐらいがよさそう。ちょっと焦げちゃったけど、焼いているときは、ハーブのいい香りがキャンプサイトに漂っていました!
初めは苦手な雰囲気を出していたジョージさん。工程が進むにつれて笑顔も飛び出すほどに。
ジョージ
今回初めて作ってみて、まさかこんなにかんたんにおいしい料理ができるとは思っていませんでした。これまでキャンプでも料理は妻に任せっぱなしでしたが、ダッチオーブンを使っていろいろ作ってみたいと思います!
意外と作れちゃった!鶏の丸焼き!
いかがでしたか? 難しいと思いがちな鶏の丸焼きも工程のひとつひとつを見てみると意外とかんたんなことがわかったと思います。「工程が長い=難しい」ではないんですね。せっかくダッチオーブンを持っているなら、ローストチキンをはじめ、さまざまな料理に挑戦してみてください。作らず嫌いなあなたも、料理にハマるかも!?
執筆:百日 丸山亮平