ときに「働き方改革」などという文言すら恨めしく思えてしまう日本人にとって、長期のキャンプツーリングは夢のまた夢かもしれません。しかし、1泊2日程度のキャンプツーリングであれば、むしろ容易に行ける環境であるのも事実です。
山や川沿い、海沿いのいたるところにキャンプ場がありますし、スーパーマーケットやコンビニエンスストアのおかげて現地での食料調達にも困りません。アウトドアギアだって、もちろん充実しています。長期は無理でも、季節に1回くらい“ちょっとした”キャンプツーリングへ――そんなスタイルで楽しんでいる人が、最近増えているようです。そんな遊びにぴったり似合いそうな自転車が、ARAYA(新家工業)から登場しました。Muddy Fox CX Gravel こと「CXG」です。
Muddy Fox(マディフォックス)といえば、日本におけるMTB黎明期を支えた人気モデル。一時期その系譜は途絶えていましたが、2010年にクロモリハードテールMTBが復活しています。そんな Muddy Fox の名を冠したクロモリフレームのグラベルツーリングバイクである、2018年モデルの CXG。実は CXG が最初に登場した2015年モデルではシクロクロスバイクのようなテイストで、フロントにはガッチリとしたカーボンフォークを装備していたのですが、2018年モデルではフロントフォークもクロモリとなりました。
そのクロモリフォークにはアクセサリー台座を装備するほか、フレームのボトルケージ台座もダウンチューブ下側に一組追加されるなど、以前のモデルよりもバイクパッキング等の荷物を積んだサイクリングに振った改良がなされています。
メインコンポーネントはシマノの廉価グレードである「クラリス」を搭載しますが、ブレーキはワイヤー式ながら対向ピストンをもつ「TRP Spyre」を装備。フレーム側がフラットマウントを採用しているので、ブレーキキャリパーがすっきりと取り付けられています。
タイヤは700×35Cのセミスリックタイプで、オンロードを快適に走りながら、砂利道でも不安を感じることなくサイクリングが可能。舗装路から川沿いやキャンプ場の入り口にあるような砂利道なども、難なくこなせるスペックです。
フォークの変更に加えフレームや各パーツのリニューアルもあり、重量は11.5kgから13.4kgへと増加していますが、マイペースで走る旅の相棒として考えれば、問題ないでしょう。フレームのヘッドチューブはテーパーヘッドを採用しており、お好みで現代的なカーボンディスクフォークをインストールすることだって可能です。
CXG は、ふだんはオンロードメインで通勤や週末のポタリングに使いつつ、ここぞというときには荷物を積んで、あえて未舗装路を選びながらキャンプツーリングにも行ける、懐の深さを持っている、そんな自転車と言えるでしょう。
ちなみに ARAYA は1988年に、いち早くオンロード性能とオフロード性能の両立を目指した700Cホイールのスポーツバイク「CX」をMuddy Foxシリーズのラインナップに加え、1990年のモデルではドロップハンドルバージョンを追加しています。フィールドを選ばず颯爽と走り、旅をする。そういった自転車を、ARAYA というメーカーはずっと考えてきたわけで、こういった自転車は得意とするところです。価格は98,000円(税別)と、これから自転車ツーリングを始めて見たい人のお財布にもやさしい設定となっています。
- 製品名
- ARAYA CXG(Muddy Fox CX Gravel)
- メーカー
- ARAYA
- 価格
- ¥98,000(税別)