この気持ちよさはクセになる。あの NINJA TARP に居住性抜群のインナーテントが登場

この気持ちよさはクセになる。あの NINJA TARP に居住性抜群のインナーテントが登場
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PAAGO WORKS の NINJA TARP といえば、これまでのタープの常識を覆す張りやすさと設営の自由度で、小型タープとしては異例の大ヒットを飛ばしたことは記憶に新しいところですが、今回、そこに待望の専用インナーテントが登場します。その名も NINJA NEST!

一見、普通のインナーテントだが PAAGO WORKS らしいアイデアが満載された NINJA NEST。

一見、普通のインナーテントだが PAAGO WORKS らしいアイデアが満載された NINJA NEST。

あの PATHFINDER や RUSH シリーズなど、オリジナリティに溢れすぎたプロダクトでお馴 染みの PAAGO WORKS らしく、単なるインナーテントを超えた魅力を備えて登場した NINJA NEST ですが、その魅力を紹介する前にまず前提となる NINJA TARP の話をさせてください(NINJA TARP については geared でも以前ハイカーズデポ土屋智哉さんに紹介していただいています)。

冒頭で「タープの常識を覆す」と紹介した NINJA TARP ですが、まず大きな特徴はその名の元になった各辺の中央部がすこしへこんだ手裏剣状のシルエット。これにより4隅をペ グダウンすればポールからガイラインを引かなくとも立たせることができ、ひとりで設営するのが大幅に楽になりました。

中央のポールからガイラインを引かなくとも立たせられる。

中央のポールからガイラインを引かなくとも立たせられる。


周囲24箇所に取り付けられたトグルに簡単にガイラインを着脱できるので、様々なスタイルでの貼り方が可能。

周囲24箇所に取り付けられたトグルに簡単にガイラインを着脱できるので、様々なスタイルでの貼り方が可能。

そしてふたつ目が、周囲に24箇所取り付けられたトグル。テンションコードが取り付けられた専用ガイラインはこのトグルと簡単に接続ができるため、同じ場所にペグダウンしたままで天候や気分に合わせて自在にその形をトランスフォームできるのです。しかもトグル同士も簡単に結合できるため、一部をたたんだ状態で結合して床を作ったり、NINJA TARP 同士を連結したりもできます。さらに前後2辺のスリーブにはゴムひもが通され、それを絞ることで幕体を絞り込めたりと、まさに変幻自在の張り方が、しかも簡単に可能なのです。

このようなオーソドックなスタイルはもちろん……

このようなオーソドックなスタイルはもちろん……


床を作って簡易ツェルトに。

床を作って簡易ツェルトに。


さらにスリーブに内蔵されたゴム紐を引くと……

さらにスリーブに内蔵されたゴム紐を引くと……


幕体を絞り込むことも可能。

幕体を絞り込むことも可能。

さて、ここからが本題の NINJA NEST です。NINJA TARP と組み合わせた基本形の姿は クラシカルなA型テントのようにも見えますが、PAAGO WORKS が作るからにはそれで済むはずありません。まず、床面積は180x190cmとほぼ正方形サイズ。長辺が190cmとやや短い気もしますが、壁面が垂直に立ち上がっているので窮屈な感じはまったくしません。

何度も試作を繰り返して180cmに決まったサイド幅。マットを2枚敷いてもゆとりがある。

何度も試作を繰り返して180cmに決まったサイド幅。マットを2枚敷いてもゆとりがある。

特筆すべきは15cmもあるフロアのバスタブ部分の立ち上がり。これによりフルオープン時もかなり「部屋感」があるので、タープやシェルターを使い慣れていない人も安心感を持って使えそうです。張り方も、まず NINJA NEST を立ててしまえば同じペグとポールに NINJA TARP も張れるので、インナーテント&フライシートに近い感覚で設営できます。
絶大な安心感=リラックス感を生むバスタブフロアの深さ。

絶大な安心感=リラックス感を生むバスタブフロアの深さ。

そして NINJA NEST 最大の特徴は、プレスリリースに「タープの開放感×テントの安心感=かつてない居住空間」とある通り、それらの要素が積み重なって生まれた圧倒的に快適な居住性にあります。
メッシュとサイドパネルの片側はフルオープンできる。ポールの位置を低くすればちょっとした雨ならこのままでも凌げそう。

メッシュとサイドパネルの片側はフルオープンできる。ポールの位置を低くすればちょっとした雨ならこのままでも凌げそう。

NINJA TARP の晴天時の基本形態となりそうなのが冒頭でも紹介したこの形。ポールは計4本必要ですが、小型テントとは思えない開放感と居住性の高さは、ちょっと経験したことがないほどです。NINJA NEST のさらに優れた点は、これらのタープ+テント的な開放感 溢れる形態から、ポールを外してガイラインを調整するだけで簡単に耐候性に優れたA型テント形態にできること。さらに上記の形態から、ポールを移動してガイラインを調整するだけで NINJA TARP 同様に天候や気分に合わせて実にさまざまな貼り方ができるのです。
上の状態から両側をオープンしたさらに開放感溢れるスタイルにするのも非常に簡単。

上の状態から両側をオープンしたさらに開放感溢れるスタイルにするのも非常に簡単。


メッシュはテント内部の間仕切りとして活用することもできる。

メッシュはテント内部の間仕切りとして活用することもできる。

なぜ、ここまでユニークなテントを発想できるのか? PAAGO WORKS 代表であり、デザイナーでもある斎藤徹さんに聞きました。

「タープの使い方って2種類あって、ひとつはタープ単体でデイキャンプや泊まりで使うことですけど、もうひとつがテントと組み合わせて前室代わりに使うこと。でも、テントとタープの組み合わせって空間効率がむちゃくちゃ悪いんですよ。タープの下で過ごすには結局、椅子や敷物が必要だし、なのに寝る場所は奥のドームテントの中だったりして、面積を取るわりに効率が悪い。タープの下で過ごすにはもっと別の形があるんじゃないかとずっと思ってたんです。
一方で NINJA TARP は普通にタープとして使ったりツェルトやシェルターみたいに使ったり、どんな風にも使えるのが特徴なんですけど、お客さんからはもっとテントとして使えるようなインナーテントやバグネットが欲しいという要望もあったんです。バグネットは自分も欲しかったので、最初はバグネットとして企画がスタートしたんですけど、ストイックな軽いものは他所のメーカーさんにもいくらでもあるから、それを活用していただければいい。ウチが作るなら、もっとゆったり使えてのんびりできるものにしようと思ったんです」

忍者の茶室!? ユーモラスなタグ。

忍者の茶室!? ユーモラスなタグ。

「基本的にはタープなので、森林限界の上に行くようなシリアスな山行には使ってほしくないけれど、たとえばリバーツーリングなんかだと、午後3時くらいには川から上がって、その後、夜の12時くらいまでテントで酒飲んでうだうだしたりしている(笑)。そんな時にこのテントならすごく快適に過ごせると思います。
PAAGO WORKS は、これからキャンプとハイクとランという3つのカテゴリーに分けて商品展開していくんですが、キャンプの世界って成熟しきっているから、普通に便利とか快適じゃ飽き足らなくなっている人がたくさんいる。そういう人たちに支持されるような、一風変わったものを作っていきたいなと思っています」
収納サイズもコンパクト。装備を分け合う2人キャンプではかなり魅力的な選択肢では。

収納サイズもコンパクト。装備を分け合う2人キャンプではかなり魅力的な選択肢では。

快適性を重視して重量はあまり気にせず作ったという NINJA NEST ですが、約600g。NINJA TARP(500g)と組み合わせても1100gと、(別途ポールが必要とはいえ)2人用テントとしては充分以上に軽いです。ちなみに、現行のA型2人用テントのライバルの Big Agnes の Scout UL2 は907gで、NINJA NEST&TARP の方が若干重いですが、居住性の良さと貼り方の自由度を考えるとリーズナブルな重量差だと思います。

取材時、晴れた公園に NINJA NEST を張って腰を下ろしてみると、いつまでもそこにいたい誘惑に駆られました。公園でこれなのですから、もしさらにロケーションの良い大自然にこれを張れたら……。「あの場所でこれを使ってみたい」と思わせてくれる道具など、滅多にありません。NINJA NEST は、そんな数少ない道具のひとつではないでしょうか。

製品名
NINJA NEST
メーカー
PAAGO WORKS
価格
¥24,000(税別)
発売日
2017年4月中旬予定
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