※この記事は外出自粛要請の前に撮影されたものです。
タークのフライパンが、ずっと気になってました…!
みなさんは、料理上手なキャンパーたちがこぞって愛用しているコチラのフライパンをご存知ですか? 家での調理にはもちろんですが、耐久性に優れているため焚き火調理にも使用できるとあってキャンプに最適! と人気のターク社の「クラシックフライパン」です。Instagramで「#タークフライパン」と検索してみると、それはそれは美味しそうな料理写真が……!
「タークは一生使える!」と評判も多く、以前から気になっていた筆者も思い切って購入! 果たして噂通りの実力はあるのでしょうか。さっそく、その使い勝手をレビューしていきたいと思います。
タークってどんなブランド?
そもそも『Turk(ターク)』を知らない人のために、まずは簡単なブランドのご紹介からスタートします。タークは、1857年にドイツの鍛冶職人アルバート=カール・タークによって創業された老舗のフライパンブランド。製造方法は今も変わらず職人の手作業によって作られており、そのロット数は年間8,000丁のみ! 無骨で飾らない見た目のため、非常にタフな作りが特徴です。
【使用感レビュー】期待値高まるタークのフライパン
コチラがキャンパーが愛してやまない逸品「クラシックフライパン」。手軽に使える直径18cm(1号)のフライパンから業務用としても使える豪快な36cm(8号)まで8つのサイズ展開があります。使用するのは6号サイズ
そんななか、今回私が使ったのは直径28cm(6号)。自宅で使うだけなら一回り小さいモデルでも良かったのですが、グループキャンプでも使えるよう大きいのをチョイスしました。
重量は、約1.9kg。2Lのペットボトルとほぼ同じ重さです。一般的なフライパンに比べ、ややずっしりとした印象は受けますが、いかにも頑丈そうなウェイトに早くも期待度アップ。
ですが、恋愛と同じでより深く、かつ長く付き合うためには育ってきた背景を知っておくのがベターですよね。なので、ここでちょっぴり製造方法にも触れていきたいと思います。
もう買い換えなくていい?!1枚の鉄板を叩いて成型したタフな鍛造製
タークの「クラシックフライパン」は、鉄の塊を真っ赤になるまで高温で熟し、何度も叩いて整形された鍛造フライパン。製造前は、一番左にある四角い鉄板。ここから叩き上げて作られているため、完成したフライパンも一体型で、持ち手の部分をつなぐリベット(=接合部品)や溶接面がないので非常にタフです。また、この継ぎ目のないデザインは衛生面にも長けています。
さらに、フッ素コートフライパンのようなコーティングがないので表面の劣化も少なく、しっかり手入れすれば半永久的に使えるため「一生ものギア」と評判! とはいえ、フライパンはあくまでも消耗品であることを忘れてはいけません。
例え「一生ものギア」と言っても、ケアを怠るとその寿命を短くしてしまう恐れが……。長く使うためにも、購入後の手入れが必要不可欠です。
使う前に、まずは「焼き慣らし」を!
使い始める前にまずしておきたいのが、「焼きならし」という作業。これはタークに限らず鉄フライパン全体に通じて言えることなのですが、購入した状態でそのまま使うと素材がこびり付いて上手く調理できなくなるので、この作業は避けられません。
工程は、スキレットの油慣らしと一緒。まずは、防錆コーティングを洗剤で洗い流し、水気をふき取ったらサラダ油を入れます。そこに塩と野菜くずを投入。茶色くなるまで火にかけたらペーパータオルなどで油を拭い、ぬるま湯で軽く洗い流したら再び火にかけます。あとは、水気を飛ばして再度油をなじませるだけ。これで「焼き慣らし」完了です!
使ってわかった!タークのフライパンの魅力
「焼きならし」が終わり、さっそく調理に。実際に使ってわかったメリットをお伝えします。
ムラなく火入れができる熱伝導の良さ!
熱伝導性が良いことで知られる鉄フライパン。今回ご紹介しているタークも鉄製なので、火にかけるとすぐに温まり、鍋底全体が均一の温度を保ってくれます。
その効果がわかりやすいように、試しにお湯を沸かしてみました。全体的に細かく気泡が立っているのを見て取れますよね!
そのため、お肉やお魚のグリルだったり、卵料理と相性抜群! ムラなく火入れできるので、お肉も香ばしく焼き上がりますし、一気に火入れできるので卵もふわっと仕上がります。
厚みがあるため蓄熱性が高く、おこげが醍醐味なパエリア調理にもうってつけ。お米の真までしっかりと熱が入り、お米本来の甘みや香りを引き出すことができます。
そのまま食卓へ連れていっても◎な洗練されたデザイン
食卓にそのまま出しても絵になる、おしゃれなルックスもタークが人気な理由。いつもの食事がより一層華やかになりますし、蓄熱性が高く、冷めにくい性質を持つので熱々の状態をキープしてくれます。これも嬉しいポイントではないでしょうか。
ちなみにIHでも使えます!
そして、タークのフライパンはIHにも対応した優れもの。このように食卓の上にIHクッキングヒーターをセットすれば、「クラシックフライパン」をホットプレートとして活用することができます。家族や友人と食卓を囲み、お好み焼きやもんじゃ焼きをするのもきっと楽しいはず!
この日はちょっと甘いものが食べたかったので、IHクッキーングヒーターを使って「どら焼き」を作ってみました。タークのフライパンで作るとご覧の仕上がり! 自画自賛しますが、なかなか美味しそうですよね。
ここでその実力の違いを確かめるべく、普段私が愛用している一般的なフライパンでも生地を焼いてみることに。
すると、先ほどまでとの違いが一目瞭然。フライ返しに載せている方がタークのフライパンで焼いてた生地なんですが、比べてみてどうですか?
明らかに、ターク で焼いた生地の方がムラなく綺麗に焼けてますよね! 正直、ここまで差が出るとは思っていなかったので、かなり驚きました。
キャンプでの焚き火調理にも最適
タークのフライパンは、豪快な火力で楽しむ焚き火調理との親和性も◎。実際にキャンプで200gのステーキ肉を焼いてみましたが、食レポで定番のあの表現“外カリッ、中ジュワッ”とはまさにこのことなのでしょう。
さっと火入れができるので、しっかりと焼き色をつけながらもお肉が硬くならず、ジューシーな仕上がりに。
フライパンの上で切り分けても大丈夫!
さらに鉄製のため、フライパンの上でそのままナイフで切り分けることも可能です。家庭用フライパンにありがちな「加工された表面が傷ついてしまう……」なんて心配は一切無用。このタフさは、キャンパーにとってかなり心強いですよ。
使用後は、お手入れ必須!
調理後は、タワシなどでゴシゴシと水洗いするだけ! 洗剤を使うと油膜が剥がれてしまい、次の調理時に焦げ付いたりくっついたりするので注意しましょう。
表面の汚れを落とし、ぬるま湯で洗い流したら、軽く水気を拭き取り再びコンロへ。後は、水気を完全に飛ばすだけです。こうしておくことで、保管中に錆び付くことがありません。
最初のうちは、水気を飛ばしてフライパンが冷めたら表面にペーパータオルなどで薄く植物油を塗っておくと良いですよ!
使わないときは、吊るし収納もできる取っ手
取手部分が“クルッ”と引っ掛けられる仕様なので、収納時に場所を取らないのもタークの魅力。特にアウトドアなシーンは収納スペースに限りがあるので、このように吊り下げ収納できるのは嬉しいポイントではないでしょうか。少しだけ気になった点
仕方ないけど、やっぱり重い
前述したように、タークのフライパンは鉄製なのでずっしりとした重量感です。また、このように柄の部分が長く、グリップ位置から重心までの距離が遠いので、より重たく感じてしまうのが正直なところ。
こればっかりは仕方ないので、フライパンを振ったりする調理には、かなり力が必要であることを前もって認識しておきましょう。
熱くなる取っ手に注意が必要
1枚の鉄でできているタークのフライパンは、もちろん取っ手にも熱が伝わります。家ならミトン、キャンプならタキビグローブを使うなど、細心の注意をはらって料理を楽しみましょう!
ここまでタークのフライパンについてご紹介してきましたが、筆者にはもう一つ気になっていたことが。
ところで、キャンパーがこぞってつけてる。取っ手カバーって何モノ?
それはターク愛用キャンパーたちが付けている、この木製のグリップ。カッコいいですよね。
これは「アシグリップ」というアイテムで、ガレージブランド『アシモクラフト』が扱っている製品。「アシグリップ」を装着すれば、取手が熱くならず火傷防止に効果的!また、取手に厚みが増す分、グリップ力も強くなるので調理もしやすくなります。磁石で簡単に着脱できるので、お手入れもしやすいのが魅力です。
「アシグリップ」の詳細はこちら
オーブン料理をするなら、日本オリジナルの「グリルパン」もあります!
タークの日本規格には「クラシックグリルパン 」というモデルもあります。機能性はこれまでお伝えしたものと基本的には変わりませんが、大きく異なるのがこのハンドル部分。取っ手が短い分、オーブン調理に最適なので、グラタンやパイ、お肉のローストなどを楽しみたい方はぜひ合わせてチェックしていてください!
使いこむほど深み増すタークのフライパン
ケアさえしっかりしてあげれば半永久的に使えるタークの「クラシックフライパン」。使い始めは多少の扱いづらさがありますけど、使い込むほどに油は馴染み、次第に鉄肌の艶や黒味が増し、食材もこびりつきにくくなります。
まさに育てる楽しさがあるフライパンです! ぜひ、皆さんもそんな「クラシックフライパン」を活用してみては?
Edit&Text&Photo:GGGC