キャンプギアは“見せる収納”が勝ち!アウトドア業界人が実践している6つの実例

アイキャッチ・記事中画像撮影:下城英悟

増え続けるギア、どう収納すればいいの?


キャンプにハマるほど頭を悩ませるのが、ギアの収納と保管場所。特にマンション住まいのキャンパーからは「ギアを買い足したいけど、置く場所が……」という声をよく耳にします。

趣味でキャンプを楽しんでいる人ですらそんな状況なのですから、仕事にしている人たちは果たしてどうやって大量のギアを収納しているのでしょうか?

それを探るべく今回は、アウトドアデザイナーズユニットとして活動するシエルブルーの茨木(いばらき)さんご夫婦の元を訪ねてきました。

中古住宅をセルフカスタムした、茨木さんご夫婦の自宅


10年前からシエルブルー名義で活動を始めた茨木夫妻(写真右:ワカさん、写真左:アネゴさん)。家でもアウトドアでも使える家具作りからスタートし、現在はバンライフスタイルを提案・製作するバンライフビルダーとしても活動されています。

木の加工やDIYはお手の物というご夫妻の自宅兼アトリエ兼プレスルームの空間は、まるでオシャレなショップのような佇まい。

広い庭が欲しくて10年前に埼玉県東松山市に引っ越してきました。もとは布団屋さんをやっていた物件で、お化け屋敷のようにボロボロ。いろいろ自分たちで手を加えて、今の形になりました。(ワカさん)

趣味と職業柄膨大に増えたキャンプギアをどのように収納・保管しているのでしょうか? さっそくシエルブルーの実例を見せていただきましょう!


収納&保管実例1:かさばるテントや寝袋はカスタムした押入れに


キャンプ用品の中でも数が増えると収納場所に悩むのが、テントや寝袋・マット類。シエルブルーのお二人は押入れだった場所をセルフカスタムして有効活用していました。押入れの左半分にはテント約30幕とマット10枚を収納。ラベルが見えるので、パッと見で何かが分かる理想の収納方法です。

昔は最高で80幕くらい所有していたのですが、さすがに収納できなくなったのと張る機会が減ってきたのですべて売ってしまいました。(ワカさん)

とはいえ30張ものテントを押入れで保管するというのは状態がキープできるか気になりますが、そこはきちんと対策をされている模様。

テントの保管は湿気対策が肝心です。加水分解してしまうのを防ぐために、梅雨時期は除湿してエアコンも付けていますね。(ワカさん)


押入れ内の仕切り棚はワカさんの手作り。ホームセンターで材料を調達し、使いやすい高さにアレンジしたそうです。右半分のスペースは上段には寝袋、下段には薪ストーブやチェアを収納しているのだそう。

寝袋は全部で15個くらい。子供が3人いるので、季節に合わせて揃えるとどんどん増えていくんです。本当は袋から出して吊り下げて保管したいんですけど、さすがにスペースの関係でできていません。(ワカさん)

取り外し可能な有孔ボードの扉を設置


整然と並んだギアは見える状態でも雑多な感じはしませんが、目隠しになる扉も。なんと有孔ボードです!

もとから付いていたガラス板を外して、ペイントした有孔ボードをはめただけです(笑)。それでも扉を締めておけば部屋はスッキリしますし、奥行きもあるので収納力は抜群です。(ワカさん)

以前は押入れもパンパンの状態だったとのことですが、断捨離することでゆとりのある収納を実現。「使わないものは肥やしにしかならないので、早めの判断が懸命」だそうです!

収納&保管実例2:丈夫で頑丈なミリタリーキャビネットを活用


アウトドアイベントのプロデュースも行っているシエルブルーには、イベント用のギアも各種常備されています。中でもジャグやダッチオーブンといったかさばるアイテムは、収容力があって重い物も入れられる頑丈なミリタリーキャビネットを活用していました。

とにかく丈夫で頑丈。仕切りの高さを変えることもできますし、サイドにある豊富なポケットにはいろんなものを詰め込めるので重宝しています。(アネゴさん)

長物は“立てて”収納!


袋に入った状態でキャビネットの手前に立てかけられているのは、イベントで使うテーブルの数々。

長物って収納が本当に難しい! 以前は押入れに入れていたんですけど、奥行きに制限があるので縦に入れられない。横にして入れると奥のものが取り出しにくいということで、結局目に付く場所に立てて保管しています。まわりの先輩たちも長物は立てて収納している人が多いですね。(ワカさん)

収納&保管実例3:壁面や飾り棚を活用した魅せるディスプレイ


カヤックのパドルやスケートボードなど、シエルブルーのアトリエは壁面も収納スペースとして上手に活用しています。

スケートボードは僕が10代の頃に使っていた思い出のアイテム。その下にあるのは、拾ってきた流木にフックを取り付けたもの。頻繁に使う小道具や帽子などを引っ掛けています。(ワカさん)

押入れにグリーンを敷いてフィールド感を演出


また先ほど紹介した押入れの下段は、人工芝を敷いて背面に端材を張り合わせたディスプレイスペースにアレンジ。

シエルブルーの昔のテーブルや試作品・ビンテージのランタン・僕の車と同じカラーのラジコンなどお気に入りのアイテムは、ガラス扉をそのまま残して魅せる収納スペースにして飾っています。(ワカさん)

ただ並べるだけでなく、こういった雰囲気をプラスするテクニックはぜひともマネしたいところです!


リビングに置かれた飾り棚には、スタンレーのタンブラーやグロウラーがずらりと並んでいました。

20代の頃にセレクトショップをやっていたんですけど、この棚は当時のお店で什器として使っていたもの。日々使うグラス類は上段に置いて、下段には増えすぎたスタンレーを並べています。(ワカさん)

普段使いのグラス類はそれだけで並べると生活感一色になってしまいがちですが、アウトドアブランドのアイテムと一緒に並べるとスタイリッシュに見せられますね!


収納&保管実例4:食器やカトラリーはAOクーラーを活用


キャンプに持っていくお皿やシェラカップ・カトラリーといった細々としたアイテムは、意外なものに収納していました。

食器の数も多いので、我が家ではAOクーラーが食器ケースになっています。廃盤になったモデルですが、上部のジッパーがU字型に開くので出し入れがしやすいんです。クッション性があるので持ち運び時も安心ですし、ガシャガシャ音がしない所が気に入っています。このクーラーはドリンクが取り出しやすい形状なので、キャンプ場では中身を出してサブクーラーとしても重宝します。

あと最近はナイフ類の持ち運びが厳しくなっているので、包丁やアウトドアナイフの専用ケースが欲しいなと思っているところ。ASOBITOのスチールボックスが気になっています。(アネゴさん)

ソフトクーラーを“食器棚”として使うとは、目からウロコの活用法! 収納上手のアネゴさんが注目しているASOBITOのスチールボックスは、ペグやハンマーなどの収納ケースとして使っているキャンパーも多いアイテムです。

収納&保管実例5:日常的に使えるものは生活に取り込む


アウトドアが日常になっているシエルブルーにとって、イスやテーブルはキャンプ用といえども“日用品”。収納せず、使えるものは日々の生活でも活用しています。

シエルブルーの家具も“家で使えて、外でも使えるもの”をコンセプトに作っているので、あまり垣根を意識していないですね。日中は愛犬たちの寝床になっていますけど(笑)。(ワカさん)

SOTOのステンレス製ダッチオーブンは家使いにも◎


ダッチオーブンも鉄製のものは収納しているそうですが、SOTOのステンレス製ダッチオーブンはメンテナンス不要で使い勝手が良いため、キャンプで使わないときもキッチンに置いてあることがほとんどだとか。


そしてリビングスペースの天井を見上げると、キャンパーならおなじみの見慣れたギアが!

ディジー(ハンギング)チェーンは収納場所に困るものではないんですけど、ちょっとした洗濯物をかけるときに便利なんです。もはやアウトドアへ持って行かずに、ここが定位置ですね。(アネゴさん)

収納&保管実例6:大物ギアやカヤックは庭の物置に


そして、どうしても家の中に置けないものは、庭の物置に収納しています。

イベントで使う焚き火台が5つ・大型のテントが3幕・カヤックが4挺。ほかにもキャリーワゴンやピザ焼窯、海キャンプ用のシュノーケリングセットなど、これだけの量と嵩になるとさすがに室内では保管できないので、この物置に詰め込んでいます。(ワカさん)

庭付き物件ならではの、羨ましい収納スペース! ですが押入れでのテント収納と同じく物置も湿気が溜まりやすい空間でもあるので、収納するアイテムは年に一度は外に出してメンテナンスを心がけたほうが良いとのことです。

断捨離を心がけ、お気に入りは普段使い!


アウトドアデザイナーズユニットという職業柄、所有するギアの数とコレクションは相当なもの。それでも整然と収納されているのは、「余分なアイテムを極限まで断捨離したから」。

写真は玄関の入口に取り付けられた、ビンテージランタンに電球を埋め込んだというランプ。こういったお気に入りのアイテムを上手に魅せるための工夫とテクニックは、ぜひ参考にしたいものですね。

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