わたしのリセットボタンは自然の中の焚き火
心がギュウギュウになると、いつも決まって焚き火をします。ひとつずつ丁寧に重石を取り除いてくれているような気持ちになるんです。自分の思い通りに物事が運んでくれると期待してしまうから、そのぶん、つまずくことも多いのだと思います。焚き火に出会うまではこの心のギュウギュウをリセットできずにいて、人と会うことすら臆病になっていた自分を思い返すと、焚き火というリセットスイッチはわたしにとってとても大切な習慣と言えますね。
さて、今回はこれまでとは趣向を変えて、自然の恵みを受ける効果について書いてみたいと思います。
焚き火を通して気付くことはたくさん
有名な話かもしれませんが、焚き火には「1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)」という人を癒す効果があるそうです。1/fゆらぎは 快適性と関係があることが判明している。人間の生体は五感を通して外界から 1/f ゆらぎ を感知すると、生体リズムと共鳴し、自律神経が整えられ、 精神が安定し、 活力が湧くと考えられている。(出典:Wikipedia)
なにやら調べてみると、焚き火だけじゃなく自然のあらゆるものに「1/fゆらぎ」があるんだとか。草木の擦れる音、川のせせらぎ、鳥のさえずり、虫の声、波音……。
キャンプに足を運べば「1/fゆらぎ」に包まれているのだと知ると、すごく素敵な趣味ではないかと思うようになりました。
思い通りにいかないのは当たり前、そのことを自然から教わる
自然はもうひとつ、わたしに少しずつ変化をもたらしています。思い通りにならないと自分を責める癖があったのですが、自然の中では思い通りにならないことばかりに見舞われます。だって火を熾すことさえ難儀してしまいますから。
そうすると思い通りにならないことが当たり前、もしも思い通りになったら喜びを感じることができます。このような経験のおかげで、日々の生活の中での物事の捉え方も少しずつ変化してきているのかなと思います。
生活の基本は「衣食住」と言われますが、自然では「衣食住炎」
さて焚き火の話に戻すと、炎は癒し効果だけでなく人間にとってなくてはならない大きな役割を持っています。暖をとる、料理をする、灯りにするなど知らず知らずのうちにわたしたちの生活基盤となっていますが、キャンプではその恩恵を直に受ける場面が多く、炎のありがたみを最大限に感じることができるのではないでしょうか。
きっとキャンパーのみなさんに焚き火好きの方が沢山いらっしゃるのは、こういった理由があるからでしょう。
わたしはキャンプを始めたころからメタルマッチと麻紐、そしてロウ漬けした割り箸を使っているのですが、いつかは現地で採取する自然の材料だけを使った「きりもみ式の火起こし」に挑戦してみたいですね。
より一層、炎のありがたみを感じることができ、焚き火の見方も変わるのではないかなと思っています。
人それぞれのリセットスイッチ、あなたも見つけてみませんか?
このコラムを読んでくださっているみなさんはストレスを抱えたとき、どのようにリセットされていますか?お酒を飲んだり、カラオケしたり、誰かと話したり、映画を観たり、きっとそれぞれの解消法をお持ちだと思います。中には自分のリセットスイッチが見つけられなくて、いつも心がギュウギュウしている方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方はぜひ野に出て、自然の中にある「1/fゆらぎ」に包まれたひとときを、焚き火とともに楽しんでみてください。体の中心からじわじわと鎖が解けていくような、積もった重石が取り除かれていくようなそんな気持ちを味わえるのではないかと思います。
まずは野に出て癒しの恵みに包まれてみよう!
さて第四回目のアウトドア女子ヒミカのコラムはいかがだったでしょうか? 今回は道具というよりも、わたし自身の内面について少し書かせていただきました。それでは次回もお楽しみに。