テントによって値段が違うのはなんで?
テントを買おうと探した経験のある方なら、似たような大きさでなんでこんなに値段が違うんだろう? そんな印象をもった方も多いのではないでしょうか。ほんとにびっくりしますよね。
もちろん中にはブランディングで付加価値がついている商品もありますが、基本的には素材の違いがテント価格には大きく関わっています。
その機能やコストを把握していれば、一見高価でも、実は納得の価格のテントを見つけることもできるようになります。今回はそんなテントの性能や価格にまつわる、素材の違いについて掘り下げてみます。
テント生地の種類ってどんなのがあるの?
テントを選ぶ際、テントサイズや重さ、価格といった点は気になるポイントですよね。テント素材は、それら重要なチェックポイントに密接にリンクしているテントの特徴を構成する大きな要素です。
より欲しいイメージのテントに近づくには、素材を知るのが近道。素材ごとの違いや長所短所を把握して、一歩つっこんだテント選びをしてみましょう。
ポリエステル
テント生地に使われる最も一般的な素材です。吸湿性が低いため乾きが早く、リーズナブルでコストパフォーマンスが高いため、多くのテントに使われています。火には弱く、火の粉が当たれば一瞬で穴が開きます。ナイロン
非常に軽く、柔軟性がある素材です。ポリエステルよりも軽く、ハイエンドな山岳ウルトラライト系テント等に使用されています。デメリットはコスト面で、ポリエステルよりもかなり高価になります。火には強く、自己消化性のものが多いのも特徴です。コットン
なんといってもナチュラルな風合いが魅力のコットン。通気性が良く、結露に強い素材です。一般的な科学繊維と違い、コーティング加工が施されていません。水分を含み膨張することで水を防ぎますが、水に強いとは言えず、また濡れるとその分重くなります。通常の雨程度ならしのげますが、使用後に乾燥させないとカビが発生しやすいという弱点があります。火には強く、多少火の粉がついても穴が開いたり、燃え広がることがありません。
ポリコットン
トレンドのコットン混紡素材の一つで、ポリエステルとコットンを混ぜた素材。割合はさまざまで、特徴も変わります。コットンの長所とポリエステルの長所を同時に持ち、軽量でありながらコットンの風合いを楽しめます。一般に耐水圧は低く、雨に強い素材とは言えません。テントの厚みは?
テント生地の厚みは、構成する糸の太さと織り方による密度によって変わります。糸の太さを表すデニールと、テント生地に使われる素材の織り方を把握しておけば、テントの厚さについてはもう理解できたも同然です。
糸の太さを表す「デニール」
デニールとは、糸の太さを表す単位です。表記の上ではよくDと略され、数字が大きいほど太い糸で、厚い生地になります。ストッキングの厚さを表している表記と同じ単位です。数字が上がるほど生地は厚くなり耐久性も上がりますが、重量とカサも増えます。重くても強い生地がいいか、耐久性を捨ててでも軽い生地がいいか、あるいはバランスをとるのか。デニールを把握しておくことで、テントの方向性が掴めるようになります。
糸の織り方「タフタ」
タフタとは、縦と横、交互に糸を交差させた織り方です。数字が大きいほど密度は高く、1平方インチ内に何本糸があるかを表しています。糸の織り方「オックスフォード」
オックスフォードとは、縦と横に糸を2本ずつ交互に交差させた平織りです。タフタに比べて引き裂き強度や耐久性があるため、オックスフォードはフロア素材等摩擦を想定した部位によく使われます。実際のスペックを見ておさらい!75Dポリエステルタフタって?
テント生地の素材について、特徴や意図など、なんとなくイメージが沸くようになってきたのではないでしょうか。上でおさえた素材のポイントを踏まえつつ、試しにコールマンのタフワイドドームの生地スペックをチェックしてみます。
タフワイドドーム Ⅳ/300 生地のスペック
【フライ】75Dポリエステルタフタ(UVPRO、PU防水、シームシール)【インナー】68Dポリエステルタフタ(撥水加工)
【フロア】210Dポリエステルオックス(PU防水、シームシール)
「75Dポリエステルタフタ」ってどういうこと?!
75Dポリエステルタフタという表記の場合、糸の太さが75デニールのポリエステル素材で、縦と横、交互に糸を交差させたタフタ織りの生地を使っているという意味です。PU(ポリウレタン)防水は、生地の防水性能を強化するコーティング。シームシールとは、生地の縫い目から雨が進入することを防ぐ目止め加工です。
スペックからわかること
フライシートとフロアで生地の厚みが違うのは、それぞれの機能にマッチさせているためです。フロアは居住スペースで摩擦が強くなるため、糸を太くして織り方も強化し、耐久性を高めています。各スペックの意味が解ってくると、より求めるテントが探しやすくなるはずです。
雨が心配!耐水圧ってどういうこと?
野外で使うテントの重要な性能の一つは、レインウェアと同じく耐水圧。テントのスペック欄には必ず該当の数字が記載されています。実際耐水圧とはどういう数字でどの程度なら使えるのか、チェックしておきたいポイントです。
耐水圧2,000mmってどのくらい?
例えば耐水圧2,000mmでは、生地上に1cm四方の柱を立て、その柱の中に水を入れた時、髙さ2,000mmまで入れた水圧に耐えられるという意味になります。日本の気候の場合、1,500mm~2,000mmの耐水圧があれば一般的に安心と考えられています。
テントのキャラクターは素材が語る
どんなテントがほしいのか? 自分で明確なイメージをもっている方は、かなりのキャンパー、あるいはアウトドアマンではないでしょうか。メーカーのキャッチコピーも参考になる点ももちろんありますが、「もっと~なテントがほしい」そんなイメージが沸いてくるようになったら、その答えはテント素材が自ずと教えてくれるようになります。ぜひ自分のスタイルにマッチした、最高のテントを探してみてください。
ペグにも種類があることご存知ですか?
地面によってペグの種類も使い分けよう!素材によって強度も大きく違いますよ。You know the tent if I understand material!
素材が解ればテントが解る!