ネオプレンを使用しない。Patagoniaから今までの常識を打ち破った世界初のウェットスーツ

ネオプレンを使用しない。Patagoniaから今までの常識を打ち破った世界初のウェットスーツ
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リサイクルされたペットボトルから作ったフリースなど、最新テクノロジーを駆使して地球環境に配慮した製品を生み出しているPatagonia がウェットスーツの常識を覆し、ネオプレンを使わない世界初のウェットスーツをリリース。サーフィン業界に一石を投じています。

(Photo: Rodrigo Farias)

(Photo: Rodrigo Farias)

現在ほとんどすべてのウェットスーツに使われているネオプレンは1930年に誕生した合成ゴム素材。伸縮性・防水性に優れ、さらに高い保温性も併せ持っているので1950年代から60年以上にわたってウェットスーツに使われてきました。ネオプレンに替わる代替品がなかったため、ウェットスーツ=ネオプレンというのがもはや常識となっています。

ところが、ネオプレンは2つの問題を内在していると Patagonia は言います。1つは石油由来のネオプレンは生産するために大量のエネルギーを使用すること、もう1つはその素材が再生不可能ということ。
そこで、Patagonia は2008年からネオプレンに替わって再生可能な天然ラバーの使用を試み、ついに10年近くの年月を経て製品化に成功しました。

(Photo:Tim Davis)

(Photo:Tim Davis)

グアテマラの高地で育ったヘベアの木から採取した天然ラバーを使用。不純物の99%以上を除去するユーレックス社の精製法により、無刺激性の天然ラバーを実現しました。

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ウェットスーツの素材を再生可能な天然ラバーに置き換えることで、工場で大量のエネルギーを消費する従来製法に比べて、製造工程において二酸化炭素の排出量が最大80%削減されるそうです。それだけでなく、森林の生態系を保つ環境的責任と、人々の持続可能な生活をサポートする社会的貢献を果たす方法で栽培および採取されたことを意味するFSC(Forest Stewardship Council=森林管理協議会)認証も取得しています。いい波がいつまでも続いてほしいと願うサーファーにとって、海の水を育む森を含めた環境へのインパクトを減らすことができるのは嬉しいことです。

気になる性能ですが、水中テストの結果ではユーレックス天然ラバーの性能は従来のネオプレンに勝るとも劣らないことが確認されたそうで、なんと2016秋冬シーズンからPatagoniaの全てのUSモデルのフルスーツ全21製品がユーレックス天然ラバー製に。価格も従来のネオプレンとほぼ変わりません。

さらにこのテクノロジーをサーフィン業界の他企業と共有して、再生不可能な素材からの切り替えを後押ししていく計画で、まさに業界に一石を投じるアイテムとなっています。

製品名
ユーレックス天然ラバー製ウェットスーツ
メーカー
Patagonia
価格
税別\38,000(メンズ・フルスーツ・2mm厚)ほか
販売
パタゴニアオンラインショップ、直営店ほか
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