何に使う?ヘリノックスの「サドルバッグ」
ヘリノックスから不思議なアイテムがリリースされました。サコッシュサイズの収納室が2つ組み合わさった形状で、その名も「サドルバッグ」。
サドルと言えば自転車やバイクのアレですよね? というわけで案ずるより産むが易し。実物を見て触って、使ってみましたよ。
今回の主役のサドルバッグは、1,980円というお手頃プライスで販売されています。実力派のヘリノックスが作ったバッグということもあり、期待が高まりますね。
上部に持ちやすいハンドルを搭載し、小物を収納するのにちょうどよさそうなバッグです。サイズは幅が22cmで高さ20cm、重量は100g。
こういったチェアと組み合わせて使うことで、何やらいろいろと役立つのだとか……! その可能性を探ってみましょう。
まず、サドルバッグ本体からじっくりと見ていきます。
収納室×2つの形状
サドルバッグは対称的な2つの収納室で構成されています。ハンドルを持つと2つに折りたたまれて、前出の写真のような形状に。英字表記で「Helinox Saddle Bags」と複数形なのはこのためでしょう。
中央部にはハンドルの他に、両サイドにループが2つ。カラビナを利用して好きな場所にフックできそうです。
開口部は、収納室の横幅いっぱいに広がるタイプ。握りこぶしが2つ入りそうな、広々とした開口部となっています。
開口部の開け閉めはなかなかに厳重でした。まず面ファスナーで端から端までピッタリとフタがされます。
ロールして、さらにもう1つの面ファスナーで固定。この面ファスナーの密着力が半端ない。一度何かを入れたら、取り出すのに苦労しそうなほどのセキュリティです。
どうやって使う?
さて使い方ですが、このようにチェアのフレームにかけて使用するようです。これは公式サイトにも写真が掲載されており、商品タグにもイラストで記載されていました。そう、何か荷物を入れることで、その重さによってチェアを安定させることもできるアイテムなんです。
何を入れるのがよさそう?「サドルバッグ」にいろんな物を入れてみた
小物バッグでもあり、重りでもあるサドルバッグですが、ではいったい何を入れればいいのでしょうか? 実際にいろいろと試してみました。貴重品を入れてみた
キャンプではチェアに座って過ごすことが多いので、そのチェアに取り付けた当製品に、貴重品を入れておくのはどうでしょう? 財布、クルマのキー、スマホを入れてみました。貴重品を入れても重量的には1kgにも満たず、重りとしての機能は期待できません。しかしキャンプ場における貴重品は、盗難よりも紛失に注意したいもの。チェアに取り付けておくことで、どこに置いたかわからなくなる事態を避けられます。
と、スマホが鳴っています! 何か仕事上のトラブルでも起こったのかもしれません。急いで出ましょう!
……なんということでしょう。厳重に閉じられた開口部に手こずり、通話に出ることができませんでした。財布や鍵はともかく、スマホを入れておくのはやめた方がよさそうです。
もちろん開口部を開けっ放しにしておく手もありますが、そもそも手の届きづらい、取り出しにくい位置なので、頻繁に出し入れするモノは適しません。
モバイルバッテリーはどう?
次はモバイルバッテリーを入れてみましょう。貴重品と同様、重りとしての機能はそれほど期待できませんが、バッテリーは出し入れする必要がないので、当製品に入れておくのに適しています。うん、悪くはありませんね。充電中のスマホをドリンクホルダーに入れておけば、スマートな充電スタイルとなることでしょう。
ただ当製品は荷室がダブルなので、一方にバッテリーを入れただけでは今にもズレ落ちそうな状態に……。片方の荷室にも同じくらいの重量のモノを入れて、バランスをとってあげればバッチリです。
調味料入れにしてみた
次は調味料を入れてみましょう。調味料は食事の準備をするときにしか使わないので厳重に閉じておいてOKだし、複数のボトルにより重さのバランスも取れます。調理中はチェアから取り外すことになり、重りの役割をいったん離脱しますが、そこは目をつぶります。
実際に入れてみました。感触としては、あまりよくありません。フラットな底面がないので安定せず、ゴチャゴチャになってしまうのではないかと不安がよぎりました。
ドリンクを入れてチェアリング
理想は「頻繁に取り出す必要がない」「重さがある」「2つの荷室でバランスが取れる」……というモノ。ペットボトルがぴったりではないかと思いつきました。650mlのペットボトル麦茶が前後に2本ずつ、きれいに収まりました。重量も合計2.6kgと頼もしく、チェアの安定感がグッと増しました。
ペットボトルだけでなく、ナルゲンなどのボトルでもOK。これはいい使い方ではないでしょうか。ただしドリンクを飲み進むほどに重量はなくなっていくので、重りとしての役割は消失していきます。
当製品とチェアを持って、チェアリングを楽しむ手も。テントを張れないスポットで一息ついて、風景を楽しんだり、せせらぎに耳を傾けたり……。当製品が、チェアの使用シーンを広げるギアに思えてきました。
重りとしての役割を重視することに
ここでチェアに重りをつけることのメリットに触れましょう。たとえばヘリノックスのチェアは、「チェアワン」でたったの890g。ハイバックの「チェアツー」でも1,070gです。その軽さが携帯性以外に何をもたらすのか、ご紹介します。風の強い日にありがちな惨事
焚き火中にちょっとトイレに……。ちょうどそのときに不運な風が吹いたら、軽量チェアは炎に覆いかぶさってしまいます。
大抵の軽量チェアは後方からの風に弱く、かつ燃えやすい素材。できれば何かしらの重りを用意したいところです。
こぶしサイズの石が余裕で6つも!
何かを収納することはすっぱりと諦め、重りとしての役割を重視するのも、当製品の活用方法として間違いではないでしょう。というわけで握りこぶしサイズの石を6つ入れてしまいます。合計重量は3kgを軽く超える、ヘビー級の石たちです。ずっしりと重さが感じられます。先ほど入れてみたペットボトルが比較にならないほど、頼もしい重りとなりました。
安心の安定感をゲット
吊り下げた様子にも、何やら機能美が感じられます。2か所の面ファスナーを採用した厳重な開口部も、石レベルの重さを想定したものだと考えれば納得です。のれんに腕押し状態だった安定感がグッと増し、多少の風には耐えられそうな感触に。もちろん耐えられる風には限界があり、ハイバックのチェアでは特に注意が必要ですが、何も装着しない状態とは比べものになりません。
当製品は小物バッグでもあり重りにもなるアイテムですが、重りとしての役割を重視するのなら、石もしくは砂が最適解だと思いました。
チェアに吊るす以外の使い方
コットやテーブルに吊るしてもOK
重り担当であることを重視しない場合、当製品の使い方は自由度が広がります。横に走るポールがあれば吊り下げることができるので、ハイコットにも設置OK。ウェビングの施された「ヘリノックス タクティカルコット」なら、カラビナでサイドに吊り下げることも可能。就寝時の貴重品の保管にいかがでしょう。
サコッシュにする手も……!
ショルダーストラップを用意し、サコッシュにしても決まりそうでした。当製品にはおあつらえ向きのループが設置されています。開口部の開閉がスムーズでない問題は、百均の面ファスナーで、当製品の面ファスナーを一部無効化すれば解決でしょう。以上、ヘリノックス「サドルバッグ」の使い方をいろいろと試してみました。結果、石などの重いものを詰めることを想定した、重りとしての役割に軸足をおいたアイテムだと筆者は感じました。
しかしチェアをより便利に、快適にする一面もあります。記事中で触れた使い方はごくごく一部だと思うので、自分なりの使い方が頭に浮かんだキャンパーは、ぜひ試してみてください。
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