MMAのトレイルランウェアは“万能”ウェアだ!
昨今は空前のトレイルランブーム! というよりも、もう定番アクティビティのひとつとして定着したかも? そんなトレイルランが大盛り上がりに至る直前の2012年、のちに来るムーブメントを見越したのか、ひとつのトレイルラン×ライフスタイルブランドがひっそりと誕生しました。その名は「マウンテンマーシャルアーツ(MMA)」。時代を先取ったブランドの今に迫ります!
大手セレクトショップ勤務でデザインは完全独学
MOUNTAIN MARTIAL ARTS デザイナー 渋井勇一さん2020年SSで8年目をスタートさせるマウンテンマーシャルアーツ(以下、MMA)のデザイナー。大手セレクトショップ勤務中に、独学でグラフィックデザインを取得。その後、デザイナーとして活動を始める。セレクトショップ時代には格闘技ブームも合間って格闘技専売レーベルを立ち上げるなど、格闘技界にも明るい。
ライター
岡本
ぱっと見、まぁ異色の経歴ですね(笑)。いきなり核心をお聞きしますがなぜトレイルランブランドを立ち上げたのですか?
デザイナー
渋井氏
発端は月並みですが、自分がトレイルランニングを始めたことですね。
最初は教科書通りにスポーツウェアブランドのウェアを着ていたのですが、ある時速乾性があって軽くて、動きやすければ専用ブランドでなくても良いのでは? と思い至り、自分の好きな格闘技のトレーニングウェアで走ってみました。それがすごくフィットして(笑)。
機能だけでなく、好きなデザインのウェアは心に効いてくる、というのがきっかけでしたね。
最初は教科書通りにスポーツウェアブランドのウェアを着ていたのですが、ある時速乾性があって軽くて、動きやすければ専用ブランドでなくても良いのでは? と思い至り、自分の好きな格闘技のトレーニングウェアで走ってみました。それがすごくフィットして(笑)。
機能だけでなく、好きなデザインのウェアは心に効いてくる、というのがきっかけでしたね。
ライター
岡本
そこから「じゃあ自分のトレイルランウェアブランドを立ち上げよう」とはなかなかならないと思うのですが、それはトレイルランというムーブメントを見越していて、商機を見出したってことですか?
デザイナー
渋井氏
商機に関してはモノ作りするからには多少なりとも考えましたが、でもそんなすぐに商いになるとは思っていませんでした。
純粋にトレイルランで着る服とデイリーウェアをクロスオーバーさせたら面白いんじゃないか? という思いでしたね。
純粋にトレイルランで着る服とデイリーウェアをクロスオーバーさせたら面白いんじゃないか? という思いでしたね。
一見わからない!?お家芸の転写プリント
ライター
岡本
MMAのお家芸といえば転写プリントによるアイテムというイメージがありますが。
デザイナー
渋井氏
うちのブランドのアイテムはランニングもできるし、登山もできる、そして普段も着られるということをモットーにしています。だからデイリーウェアの延長線上でありたいのんです。
そういう意味でデイリーウェアの代表格であるデニムを転写プリントしてみたんです。
そういう意味でデイリーウェアの代表格であるデニムを転写プリントしてみたんです。
ライター
岡本
それで一部のコアのランナーの間で「デニムのランパンがある!」って話題になったんですよね?
デザイナー
渋井氏
そうなんですよ。それもタイミングが良かったというか、たまたまメディアさんの耳に入ったようで、取り上げていただいたのがきっかけでした。
ちょうどトレイルランニングの認知度も高まりだして新しい人たちがどんどん入って来ている時代に、“カジュアルな装いで走れるランパン”っていうのがマッチしたのだと思います。
ちょうどトレイルランニングの認知度も高まりだして新しい人たちがどんどん入って来ている時代に、“カジュアルな装いで走れるランパン”っていうのがマッチしたのだと思います。
プリントボーダーTシャツ 各¥10,450
ライター
岡本
2020年の新作となるこちらのTシャツもカジュアルなデザインですね。
デザイナー
渋井氏
2014年にデニムのランパンツをだしてから、うちのアイコンとして転写プリント物がやっぱり人気なんです。最初の頃に比べて圧倒的にプリント技術も上がりまして、今は本当に間近で見ないと転写物と分からなくなっていますね。
プリントランパンツ ¥18,700
ライター
岡本
確かに今季のランパンは触るまでなかなかプリント物だと判断つきませんでした。
デザイナー
渋井氏
今季はアメトラをテーマにしており、アメカジで定番のチェックのパッチワークシャツをプリントしてみました。
色の乗り方、質感の表現力など格段に上がってますよね。みなさん驚かれます。
色の乗り方、質感の表現力など格段に上がってますよね。みなさん驚かれます。
トレイルランに固執しないトレイルランニングブランド
マウンテンマーシャルアーツ×ナリフリ 「ジャケット」 ¥28,600、「パンツ」 ¥22,000
ライター
岡本
こちらも今季の新作となるアイテムですよね。でも「ナリフリ」はトレイルランではなく自転車をライフスタイルに据えているブランドさんですよね?
デザイナー
渋井氏
MMAはトレイルランで使える機能ウェアですが、決してひとつのアクティビティに特化しているわけではありません。
だからこそ機能ウェアの延長線上で考えたときに、自転車で使ってもらってもいいですし、フェスやキャンプのときの服として使ってもらえるなら、それはそれで本当に嬉しいです。
だから自転車をライフスタイルに置くナリフリさんとのコラボもスムーズに進みましたね。
だからこそ機能ウェアの延長線上で考えたときに、自転車で使ってもらってもいいですし、フェスやキャンプのときの服として使ってもらえるなら、それはそれで本当に嬉しいです。
だから自転車をライフスタイルに置くナリフリさんとのコラボもスムーズに進みましたね。
マウンテンマーシャルアーツ×ナリフリ 「ベスト」 ¥20,900、「Tシャツ」 ¥9,900
デザイナー
渋井氏
でもサイクルウェアもランニングウェアも似ているところがあって、とりあえず速乾性は必須。
それでいてどちらもバッグを極力持ちたくないので、そのためのポケットを背中に付けると言ったデザインの共通項を追っていくと、やっぱりそんなに境界線はないんです。だから作りやすかったですよ。
それでいてどちらもバッグを極力持ちたくないので、そのためのポケットを背中に付けると言ったデザインの共通項を追っていくと、やっぱりそんなに境界線はないんです。だから作りやすかったですよ。
MMAのこれからの展望は?
ライター
岡本
始めた頃に比べて規模感とかは変わりましたか?
デザイナー
渋井氏
おかげさまで多くのランナーにご支持いただいて、始めた頃からは10倍以上の規模になっています。ブランドをご理解いただく取り扱いショップさんや、アイテムのラインナップ数も増えました。アクティビティにデザインという組み合わせの提案を認めていただいたおかげだと思います。
ライター
岡本
順調で何よりですね。最後に今後の展望を聞かせてください。
デザイナー
渋井氏
ブランドの規模感が大きくなるにつれてインポートの機能生地を使ったり、全て日本縫製だったり、こだわりを追求した結果として価格が上がってきています。
でもデイリーとアクティビティの垣根を感じさせないデザインの提案はもっと多くの方に喜んでいただける可能性があると信じています。コアな方々だけではなく、エントリーユーザーの方でも気軽に楽しんでいただきたいという気持ちがあります。
そこでトーキョーマウンテンランニングカンパニー(TMRC)という新レーベルを始めました。
でもデイリーとアクティビティの垣根を感じさせないデザインの提案はもっと多くの方に喜んでいただける可能性があると信じています。コアな方々だけではなく、エントリーユーザーの方でも気軽に楽しんでいただきたいという気持ちがあります。
そこでトーキョーマウンテンランニングカンパニー(TMRC)という新レーベルを始めました。
TMRC 「ジャケット」 ¥26,400、「Tシャツ」 ¥8,250、「ランショーツ」 ¥13,200、「キャップ」 ¥6,600
デザイナー
渋井氏
こちらはうちのMMAのECサイト(https://tmrc.tokyo)の名前なのですが、簡単に言えばMMAのセカンドラインであり、ECサイトのオリジナルレーベルのイメージです。だから価格もなるべく抑えています。。
ちょっとしたスーベニア感覚で選んでいただき、格好からトレイルランニングやアウトドアアクティビティを楽しんでもらえたらと思いますね。
ちょっとしたスーベニア感覚で選んでいただき、格好からトレイルランニングやアウトドアアクティビティを楽しんでもらえたらと思いますね。
コアなファンからエントリーユーザーまで、多彩なアイテム展開のブランド・MMA。今後の展開もますます注目です!
Photo:烏頭尾 拓磨