冬のキャンプフィールドに集う上級ソロキャンパーを直撃!
紅葉も終わった12月上旬。南アルプスの三景園キャンプ場に上級ソロキャンパーを集めたクローズドイベントが開催されると聞きつけ、CAMP HACKが潜入取材してきました!主催はプレミアムバーボンでお馴染みの「ワイルドターキー」。“冬キャンプではお酒が体を温める”ということで、キャンプ場の一角にバーカウンターを設け、集まった上級ソロキャンパーたちがお酒と食べ物を楽しみながら交流できるという試みです。
イベントに参加したキャンパーは全部で12名。アウトドア業界で人気のブランドのオーナーから、インスタグラムでお馴染みのカリスマキャンパーまで、真冬もキャンプを楽しむワイルドでダンディなオジサマばかり。
当日の最低気温はマイナス3度。冬キャンプの経験が少ない筆者には不安でしかない環境でしたが、上級者たちはどうやって冬のソロキャンプに備えているのか? 精鋭12名の中でも冬キャンプ経験が豊富な3名にインタビューを敢行し、その極意を聞いてきました。
「極寒でも、熟睡できる環境を整えるべし」~ジョーさんの極意~
アメリカンで無骨なキャンプスタイルが多くの人から支持を集めるジョーさん(@jawscj7)。インスタアカウントのフォロワー数は3万1000人を超え、キャンプ歴40年の大ベテランです。この日もイギリスから取り寄せたベイカーテントをベースに、20年以上使い続けているというビンテージなアイテムたちがサイトを彩っていました。
(12月になって)ようやくキャンプシーズン到来という感じで、これからがやっぱり一番楽しいですね。冬のキャンプは火遊びが最高。とはいえとにかく寒さとの戦いなので、いかに暖を取りしっかり熟睡できる装備を揃えられるかが勝負です。
キャンプを楽しむには睡眠不足は大敵。究極の話、最高に良い寝袋さえ揃えておけばどんなに寒くても寝れらるから大丈夫です。僕が使っているのはナンガの「オーロラ900DX」。寝袋の下にはブランケットとマットを敷いて、下からの冷気対策をしています。
もっと寒くなったらエアマットをもう一枚敷きます。この装備であればマイナス20度まで行けちゃいますよ。
使用可能限界温度:-37℃
サイズ:ロング/最大長228×最大肩幅85cm(身長185cmまで)
重量:1570g
収納サイズ:φ22×34cm
寝具の次に欠かせないのが、暖を取るための火器類。焚き火が大好きなジョーさんは、火種を絶やさないように薪をくべつつ、足元には武井バーナーというのがお決まりのスタイルだそう。
もっと寒くなってきたら薪ストーブが最高ですね。遠赤外線は体の表面だけでなく芯まで温めてくれるから、真冬はそっちかな。
初心者の方は石油ストーブが便利で良いと思うけど、僕はスタイルに合わないので使いません。おっさんなので、こだわりを無くしたらお終いなんですよ(笑)。
自分のスタイルを貫きつつも、防寒対策に隙がないのはさすがの一言。ここまで行き着くには時間がかかるかもしれませんが、まずは熟睡環境を整えるという極意は、しっかり心に留めておきましょう。
「徹底的にスペックにこだわり、ギアは多めに持参すべし」~サンゾーさんの極意~
アイアン素材の焚き火台やランタンハンガーが人気のガレージブランド「サンゾクマウンテン」のオーナーであるサンゾーさん(@sanzokumuten)。キャンプを始めた年から冬キャンプを経験したというツワモノです。「やるならとことん突き詰めよう」という精神で、あえて過酷な環境でのキャンプも決行してきたそうです。
普通のキャンプももちろん楽しいですが、雪の中とか普通に考えればキャンプをするには過酷な環境のほうが自分は燃えてくるんです。もちろん寒さ対策は重要です。
でも準備をしっかりやっておけば、真冬でも困ることはありません。今日はコットン製のパップテントですけど、準備は完璧です!
そんなサンゾーさんが、これから冬のソロキャンプを始めようと思っている人達にオススメしてくれたのが、マウンテンリサーチのホースブランケットです。
このブランケットは3枚持っていて、すごく重宝してます。革ベルトが付いているので寒い時はポンチョのように羽織れるので便利。国産で重厚なウール100%なので、寝る時は寝袋の下に敷けば地面からの冷気もシャットアウトしてくれます。
ストーブの燃料がなくなったときも、このブランケットに助けられました。持っていない人にはぜひオススメですね。
この日は「装備を最低限に絞った」というミニマムなソロスタイル。暖を取るためのギアは焚き火台と武井バーナー。小型のパップテントだと、さすがに寝る時は寒そうに思いますが……。
一応、深夜寒くて目が冷めてしまったとき用にスイングヒーターも持ってきました。これはプリムスの廃盤品で、ヒーターのヘッド部分が動いて真上に向けることができるので、狭い幕内を一時的に温めるには重宝します。
そして寝床はジョーさん同様、やはり徹底的な防寒対策をされている模様。
コットの下にサーマレストのマットとブランケットを敷いて、寝袋はナンガの「センターZIPバック1000DX」を使っています。快適使用温度域が-20度~なので、僕自身は快適に寝られます。
ダウン量1kgの「センターZIPバック1000DX」は、厳冬期をフィールドで過ごすツワモノキャンパー向けの超ハイスペックモデル。ここまで性能にこだわり予備の防寒アイテムも準備しているからこそ、これまで過酷な環境でのキャンプも苦にならなったようです。
「冬キャンプは土足のシェルターで臨むべし」~シモンさんの極意~
13歳から子供だけでキャンプを楽しんでいたという生粋のアウトドアマンであるシモンさん(@shimoncamp)。キャンプ歴は30年で、冬キャンプに目覚めたのは約9年前。防寒対策をしていればどこへでも行けちゃいます。氷のうえ、雪の中、いろんな環境でキャンプをしてきました。荷物は多くなりますが、テンティピの「オニキス」に薪ストーブをインストールする今日のスタイルはとにかく快適です。
ヒルバーグのテントを使うこともあるのですが、テント内に入る時に靴を脱ぐたびに足元が冷えてしまうので、個人的には寝る直前まで土足でいられるシェルターのほうが冬キャンプは快適に過ごせると思います。
●収納時サイズ:約26×62cm
●重量10.5kg
●素材:Breathable Cotpolmex C.(コットン・ポリエステル混紡)
テンティピの薪ストーブに加え、フジカの灯油ストーブも常備。こちらは調理器具としても大活躍だそうで、スルメやエイヒレなど酒のツマミを焼いたり、ケトルでお湯を沸かしたりに使っているそう。
もちろん寝る際は消すそうですがシェルター内はTシャツでも過ごせるほどポカポカになるので、キンキンに冷えたお酒を楽しむのが最高のひと時だとか。
フジカハイペットについて詳細はこちら
冷えは足元から来るので、足回りの防寒対策はいろいろ準備しています。このソレルのブーツはもう20年も使っているのですが、雪の日は大活躍。あとは寝る時は寝袋の中に湯たんぽを入れるようにしています。防寒まわりの備えは、多いに越したことはないですね。
この他にも、ダウンのアウターにダウンパンツなど、シモンさんの防寒対策はとにかく万全。
正直、ここまで持ってこなくてもいいのですが、寒さ対策はしすぎるぐらいがちょうどいい。何があっても大丈夫なように備えておくことが大切なんです。
ソレルのウインターブーツについて詳細はこちら
【番外編】「冬キャンプはバーボンコーヒーで温まるべし」~バーテンダーの極意~
この日、会場で振る舞われたお酒はすべてが「ワイルドターキー」。アルコール度数が高いお酒は飲むだけで体がポカポカしてきますが、寒い冬のキャンプなのでできればホットが飲みたいもの。そんなワガママに応えてくれたのが、六本木でバーテンダーをしている滝井さん。
バーボンの飲み方はいろいろありますが、冬の寒い時期にぴったりなのが「WILD TURKEY’S COFFEE」。コーヒーのバーボン割りです。コーヒーの特徴がバーボン独特のクセを和らげる効果があるので、とても飲みやすいです。
実際、参加者たちからも「美味しい!」と絶賛の嵐で、気がつけば酔いも回って体も温まるという好循環。バーボンの嗜み方として、覚えておきたいところです。
防寒対策を極めれば、冬キャンプは極楽に変わる
「冬キャンプで困ったことはありません」。これは、今回取材させていただいた3人それぞれが口にしたセリフ。つまり、冬キャンプの大敵である寒さ対策を万全に行えば、オンシーズンにはない静寂の中でしっぽりと自分時間に浸れるというわけです。バーボンが似合う冬の大人の時間、一度は嗜んでみたいものですね。