いよいよ本格上陸。Kokopelli のパックラフトで日本の川を旅しよう

いよいよ本格上陸。Kokopelli のパックラフトで日本の川を旅しよう
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以前にもご紹介した Kokopelli のパックラフトが、Hiker’s Depot や mont-bell のショップから日本展開をはじめました。

もともとは軍用の放出品の利用からはじまったパックラフトは、専門メーカーである Alpacka Raft の登場以降、とくにアラスカの旅における道具として発達してきました。年を追うごとに進化する Alpacka Raft に続いて、AIRENRS のようなメジャーメーカーが参入し、今も裾野が広がっています。そんななかで、クラウドファンディンからスタートした Kokopelli が、今年からいよいよ卸売を始めて大きく販路を広げています。

※編集部注: 本稿は土屋智哉さんの談話をもとに、編集部が文章化しています。

立ち上げ当初の Kokopelli の船は、大きくてやや野暮ったいデザインでした。しかし、今回あがってきた商品を見ると、かなり完成度が上がっています。船首と船尾を尖らせたボートのフォルムは、Alpacka Raft に追従するものでしょう。しかし、そんなトップブランドとの違いも強調されています。

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最大の特徴は、以前も言及したように二気室構造であることです。そのぶん重たくはなりますが、どちらかがバーストしても片方の気室が残るので安全性は高い。アメリカの国立公園内の河川は、一気室の船では航行できないルールがあるので、一気室の船の場合には気室内に別の袋を入れたりしなければなりません。そうした手間がなくても、レギュレーションをクリアできるのは大きな利点でしょう。空気を入れるためのバルブも、フタが二重についた構造です。上のフタはワンウェイバルブなので、最後に口で空気を入れるときにも使いやすいのです。

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さらに、船底を保護するためにボトムに取り付ける、インフレータブルな専用マットが付属しています。パックラフトの船底は生地一枚なので、船に乗った状態で岩に乗り上げたりすると、体と岩とのあいだで船底の生地がこすれてしまい、傷ついて穴が空いたり避けたりする可能性が高くなる。なので、体と岩とのあいだにクッションをはさんで衝撃を吸収すれば、船底へのダメージを軽減できます。

もうひとつの特徴は、水抜き用の穴がついたセルフベーリング構造でしょう。Alpacka Raft のモデルは水抜き穴がついていない(※セルフベイリングモデルがついに先日発表されました)ので、上部にスプレーカバーをつけて水の侵入を防ぎます。しかし、緊急時にカバーをはがす一手間がかかりますし、拘束されているみたいで怖いと思うエントリーユーザーの方もいるようです。そこでスプレーカバーに抵抗を感じる方にとっては、カバーがなくても侵入した水を逃がすことができるセルフベーリングのモデルという選択肢があるのは嬉しいことでしょう。

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トータルでみると、Kokopelli のパックラフトは耐久性を意識したより多くの人が乗れる船だといえるでしょう。興味はあるけど足を踏み出せずにいるユーザーには、ぜひ Kokopelli を検討してもらいたいです。もちろん、二期室構造で、バルブが二重で、マットがついていて、生地が厚いので、重たくはなっています。安全に配慮した機能が多いぶん、壊れる可能性のある部位も増えています。水抜き穴には、水中の障害物がひっかかるかもしれません。ようはどちらが安心か、安全か、ではないということも忘れずに。Kokopelliには、シンプルな Alpacka Raft とは異なるデメリットやリスクがあるのです。

重要なのは、どっちが良い悪いではありません。Alpacka Raft であれば、軽くてシンプルだから運搬がしやすく、トラブルにも対処しやすい。一方の Kokopelli は、パックラフトの楽しさを多くの人に伝えるために、簡素な Alpacka Raft にはない親切な機能を付すことに重きを置いています。両者はしっかり差別化されているので、日本でも実物を見て複数の選択肢のなかから自分に合うものを選べるようになったことが大切です。

日本には川がたくさんあり、川沿いに電車や道路も走っているので、本来は川下りをするのにすごくいい環境です。しかし、カヌーで遊ぶとなると運搬手段がどうしてもネックになる。下ったあとの車の回収も面倒です。組み立て式のカヌーにしても20kgほど重量があるので、気軽に背負って歩くわけにもいきません。でも、パックラフトなら重さも3〜4kgで、背負ったままハイキングをしたり、電車やバスに乗ったりできます。アラスカの旅から広まったこの道具のポテンシャルが、日本の川を旅する文化も変えてくれるのではと期待しています。

トップ掲載の mont-bell 取り扱いモデル Castaway  はセルフベイラーなし

トップ掲載の mont-bell 取り扱いモデル Castaway はセルフベイラーなし

幸いにも、Hiker’s Depot だけでなく、mont-bell も Kokopelli のパックラフトの販売を始めています。ホワイトウォーター用としては、Hiker’s Depot がセルフベイラー付きの Nirvanaを、mont-bell ではセルフベイラーのない Castaway を扱っています。当店のように東京の小さなお店だけでなく、全国展開している mont-bell が同じような志でパックラフトを広めてくれるのは、日本の川旅文化をを再評価していく上で、絶好のきっかけになるでしょう。

ブランド
Kokopelli
製品名1
Nirvana
重量1
4,160g
価格1
115,000円(税別)
購入1
Hiker’s Depot ほか
製品名2
Castaway
重量2
3,400g(本体のみ)
価格2
115,000円(税別)
購入2
mont-bell
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