ちゃんと知っておきたい。ガス缶の2種類について
ランタンやバーナーの燃料として使われるガス缶。実はその種類は、2つあることにお気づきでしょうか。当たり前のように知っていて賢く使い分けている方もたくさんいますが、キャンプを始めたばかりやこれからチャレンジしたいという方は意外と知らないもの。
安全かつ快適にキャンプするためにとても大切な燃料について、しっかり学んでおきましょう。
あの2つの缶は、どう違うの?
「ガス缶」と聞いて、コンロに使われる細長いタイプを思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。ところがアウトドアシーンでは、ちょっと違う缶が使われることもあります。まずは、2つのガス缶の基本的な違いからチェック! おすすめのガス燃料ギアも併せてご紹介しますよ!
ガス缶には「CB缶」と「OD缶」がある
CB缶は「Cassette Gas Bombe(カセットガスボンベ)」
多くの方になじみがあるであろうガス缶が、こちら。家でカセットコンロでお鍋をする時にも使いますね。これは「CB缶(シービーかん)」、いわゆるカセットボンベです。メリットとしては、100円ショップやコンビニでも売っているので入手しやすいことや、カセットコンロがあれば家でも使える点。価格も一本100円程度と、かなりお手頃です。
こんな人はCB缶をチョイス!
・アウトドアショップにあまり行かない・料理はバーナーやコンロで手軽に済ませたい
・家でもカセットコンロを使う
OD缶は「OutDoor」
一方、コロンとした丸みのあるこちらの缶は「OD缶(オーディーかん)」。アウトドアユースを目的としたガス缶で、屋外使用でも出力が安定しやすいことが特徴です。500g前後の大容量サイズもありますが、その約半量の標準サイズ(250サイズ)であればCB缶に比べてコンパクト。携行性が良い点も、アウトドア向きと言えます。さらにメーカーによっては110サイズもありますよ。
こんな人はCB缶をチョイス!
・アウトドアらしい雰囲気が好き・「火力」を重視する人
・寒い時期もキャンプへ行きたい
2つあるのはわかるけれど、どちらを選んだら良いの? というビギナーの方。メリットの裏にある、デメリットにも注目してみましょう。
CB缶とOD缶は、それぞれデメリットもある
それぞれの缶自体のデメリットというより、こちらで伝えているのは、セットで使う「ガス器具」も含めてのデメリットといえます。CB缶のデメリット
屋外で熱源を使う場合に重要視されるのが火力ですが、CB缶専用のガス器具はOD缶のそれに比べると火力はやや劣るとされています。屋内での使用を想定しているCB缶のガス器具は、火力を高く設定する必要がないんですね。屋内でも使われる標準的なCB缶は耐寒性・出力ともOD缶よりは低いようです(一部メーカーには寒冷地対応のハイパワーCB缶もあります)。
また、使える道具が限られてしまうというデメリットも。特に本格的なアウトドアユースのギアは燃料がOD缶である場合も多いので、バーナー・ランタン・ヒーターなどを買う際は、どちらの缶を使用するかを確認する必要があります。
おすすめは、CB缶燃料のギアで統一しておくこと。たとえば、ユニフレームのツーバーナー・ランタン・ヒーターの燃料は、すべてCB缶。コンビニでもよく見かけるオレンジ色のCB缶で有名なイワタニも、そのようなブランドのひとつです。
なお、重要な点として安全面からも、同メーカー純正のガス缶を使うのが基本です。
OD缶のデメリット
OD缶は、入手しづらいことが難点。直接買うにはホームセンターやアウトドア専門ショップへ行かねばならず、コンビニでも買えるCB缶に比べるとこの点がネックです。今はネット注文もすぐに届く時代、お得なまとめ買いでストックしておくのが良いですね。
価格もノーマルタイプで比較するとCB缶が100円程度で買えるのに対し、OD缶は500円程度と割高です。ですが、これも耐寒性能が高いというOD缶ならではの理由があります。
たとえば低温強風時にCB缶熱源を使った場合、着火しなかったりガス缶を何本も消費することもありえるので、コストパフォーマンスを一概には比較できません。
そもそも、CB缶とOD缶で大きな差はあるのか?
これまで2つのガス缶のメリットデメリットをお伝えしてきました。でも、まだどちらのガス缶がいいか、わからない状態じゃありませんか? ガス缶の違いをもう少し掘り下げてみましょう。ここからちょっと複雑な話になりますが、必要なアウトドア知識と言えますよ!
前提知識として、CB缶とOD缶両方とも、ノーマルガス缶とパワーガス缶の2種類があります。混入されるガスにはノルマルブタン・イソブタン・プロパンという気化温度が異なる3種類があり、ノーマルガス缶には6割~7割程度のノンマルブタンが含まれ、その他はほぼイソブタンが占めます。
パワーガス缶にはより気化温度が低いガス(イソブタンやプロパン)がノーマルガスより多く含まれるので、ガス缶のパワー(出力)が上がります。このパワーの高さによって、低い温度でも安定して火が使えるんですね。
これは、あくまで出力の話なので、プロパンが多く入っているパワーガス缶を使えば単純に熱量・火力(kcal)が高くなる、いうのは間違いです。その出力をガス器具側が上手く消費してくれるから、結果火力が高くなるのです。
また、一般的にOD缶を使うガス器具がCB缶のそれに比べて火力が強いことが多いのですが、なぜだと思いますか? それは、ガス器具がアウトドアに適した火力の高さに設定されているためです。
CB缶だから火力が弱い、というのは間違いであり、ガス器具に用途の違いがあるから火力が違う、というのが正しいといえます。CB缶専用ガス器具でもアウトドア向けに作られたものは、火力が高く設定されていることもありますよ。
では、ノーマルか寒冷地用かを選ぶ基準は?
CB缶とOD缶ともに、ノーマルタイプと冷環境での使用を想定した寒冷地用があるのはお伝えしましたよね。どちらを選ぶべきか、あくまでガス単体での話にはなりますが、ひとつの目安として外気温10℃以下であれば寒冷地用のパワーガスが◎。暖かい季節に平地でキャンプをするならノーマルガスでも充分です。ただし、連続使用するランタンはパワーガスのほうが明るさが安定しやすいので、安心です。
結局、CB缶、OD缶どっちを使えばいいの!?
筆者の話になってしまいますが、キャンプでCB缶、OD缶を同時に使って、さらにメーカーも4社あって、ばらばらです。それは、非常に面倒に感じることがあります。しかし、すべてのガス器具を同メーカーのCB缶で統一するのは難しく、OD缶なら容易なのが現状のアウトドア用品です。(ユニフレームやSOTOならCB缶で統一できます!)なので、『使いたいすべてのガス器具が1社だけならラッキー。そうでないなら、CB缶、OD缶合わせてメーカー2社まで。どうしても使いたい別メーカーのガス器具があるなら3社まで』などとちょっと余裕を持たせると、選択肢が広がりますよ!
CB缶・OD缶燃料の代表的ギア
CB缶
組み立てから着火までが素早くできる便利系から頼れるツーバーナーまで、CB缶燃料のおすすめギアはこちら!●重量:350g(本体のみ)
●発熱量:2.9kW(2,500kcal/h)(ST-760使用時)
●使用時間:約1.5時間(ST-760 1本使用時)
●使用容器:SOTO製品専用容器(ST-760、ST-700)
●点火方式:圧電点火方式
軽い!火力が強い!寒くても火力が変わらないといいことずくめ!
これをキャンプで見た上司が早速ほしいと言い出しました。
五徳も安定感がありばっちりですね!
出典: Amazon
●収納時サイズ:540×325×110mm
●重量:約3.9kg
●最大火力:3,900kcal/h×2(プレミアムガス)、3,000kcla/h×2(レギュラーガス)
●燃焼時間:約45分(プレミアムガス)、約55分(レギュラーガス)
●点火方式:圧電点火
他社のツーバーナーと悩んでいましたが、作りがしっかりしていたことと、市販のガス缶が使えるとのことでユニフレームを購入させて頂きました!1月の気温3度くらいで市販のガス缶は十分使えました!
出典: Amazon
●収納時サイズ:幅55×奥行34×高さ9cm
●重量:5.1kg
●発熱量:5.6kW(4800kcal/h)(ST-760 2本使用時)
●使用時間:1.6時間(ST-760 2本使用時)
色々、ツーバーナーを検討しましたが、使い易さと、ランニングコスト重視でこちらに決めました。
火力も充分で、素人キャンプの献立には充分、満足です。
出典: Amazon
値段が高いので迷いましたが購入して大正解です。見た目は勿論、火力、防風と欠点が見当たりません。
料理をするのが楽しくなり、毎週テラスで活用しています。
OD缶
定番モノから登山でも使えるハイスペックバーナーに、ガスはもちろんガソリンまで使える進化系も。OD缶由来のおすすめギアは、こちら!●収納時サイズ:7.5×8.8×3.0cm
●重量:110g(本体99g+点火装置11g)
●出力:3,600kcal/h(T型ガス使用時)
●ガス消費量:245g/h
●燃焼時間:約55分(IP-250タイプガス使用時)
サイズも重量も、かなりコンパクトになり、パッキングにも余裕が出来ました。
パワーも充分で、とても使いやすいです。
これなら、気軽に持ち出せますし、ゴトクの幅も2段階で調整できるので、
湯沸かしはもちろんのこと、簡単な調理にも対応可能ですね。
出典: Amazon
●収納時サイズ:直径7×高さ9.5cm
●ゴトク直径:17cm
●重量:205g
●発熱量:3.5kW(3,000kcal/h)
MUKAストーブは持っているので、主にガス使用用途で購入。
山頂付近で風も割りと吹いていたが(100円ライターだと点火しない程度)問題なく使用できた。
風防なしでもすぐにお湯がわき、火力も常に安定していた。
出典: Amazon
●ゴトクサイズ:410×140㎜
●重量:3.0kg(+ウッドボード490g)
●出力:4.1kW/3500kcal/h×2(500Tガス使用時)
●ガス消費量:292g/h×2(IP-500ガス使用時)
お洒落な見た目に引かれて購入。
とにかく素敵なデザインです!
それでいて、火力も十分。調節も簡単!
オススメです!
出典: Amazon
●収納時サイズ:約54×32.5×7(h)cm
●重量:約4.2kg
●最高出力:7000kcal(3500kcal×2)(レギュラーガス最大出力時)
●燃焼時間:約1.5~3時間(470g缶使用時)
風が強い日でしたが、風方は十分役に立ち火力も問題ありません。
今までテーブルの上で炭、シングルバーナー、アルコールバーナーを併用していたので
食器を置くスペースが無くなっていたのが解消されました。
出典: Amazon
CB缶とOD缶、それぞれのメリットを味方につけよう
CB缶とOD缶、それぞれの基本はおさえられましたか? ひとつに限らず、各缶の特徴を活かして両方の熱源を使うのも賢明です。メインはOD缶のツーバーナーで、CB缶を使うシングルバーナーをサブで用意しておくという使い分けも視野に入れて、快適なキャンプを楽しみましょう!
ガス缶の扱い方も確認しよう
何気なく使っているガス缶ですが、扱い方によっては危険につながる場合も。使い方の基本から保管方法、使用済みガスの処理方法などを今一度確認を!Choose The Gas Fuel Definitely!
ガス缶は正しく選ぼう!