ST-310使いなら必見の2アイテムが新発売!
2021年春、SOTOの新製品に見逃し厳禁のアイテムがありました。レギュレーターストーブ ST-310(以下、ST-310)用のミニキッチンテーブルと、それにスタッキングできるクッカーです。「こういうSOTO純正品を待っていた!」というST-310ユーザーの声が聞こえてきそうな新アイテム、実際に現物をチェックしていきましょう。
ミニキッチンテーブル「ミニマルワークトップ」
まずはこちら、ST-310に被せて使用する「ミニマルワークトップ」。輻射熱を遮りつつ、ST-310と一体型のミニキッチンテーブルとなります。ST-310の人気にあやかった他社製のミニテーブルをよく見かけますが、このたび念願の純正品が登場しました。 SOTOらしいブラックの収納ポーチが付属します。収納時のサイズは300×153mmで、厚さは33mm。重量は約600gです。
構成パーツは写真の5つ。どこがどのように組み合わさるのか、わかるようなわからないような……といった感想を抱きました。
しかし案ずるがより産むが易し、さっそく組み立ててみましょう。
組み立ては覚えてしまえば簡単
初見ゆえ説明書を見ながら組み立て、わりとすぐに完成しました。ものすごく簡単だとは思いませんでしたが、撮影を終えてこの文章を書いている現時点では、完璧にマスターしています。
ディテールをチェック!
展開時のサイズは376×153mmで、高さは95mm。高さはまあ当然として、長辺が収納時よりも長くなっていることに感心しました。板的なものに脚を付けるだけの構造ではないということです。両サイドの脚も、奥は「スタンドボード」、手前は「スタンドワイヤー」というパーツで、対称的ではありません。こういった工夫により、コンパクトな収納サイズを実現したようです。
細部を見ていきましょう。こちらはST-310のバーナー部分を覆う「トッププレート」。輻射熱を遮断し、CB缶を熱から守ります。シャープで美しいホールを、ゴトクとバーナーヘッドが通過していますね。油などで汚れても、簡単に拭き掃除ができます。
裏から見てみましょう。テーブルとなる「トップボード」の裏には、骨的な補強が走っていました。それほど重いモノを載せるアイテムではないはずですが、こういったこだわりがSOTOクオリティだなと感じました。
パーツの同士の連結は「ボードにワイヤーをはめ込む」ことで行われます。ボードの両端には溝が通っていて、そこにワイヤーがかっちりとはまることで、パーツ同士が固定されます。ネジなどはいっさい使用しません。
ところでボードの溝は2つありますね。太い方にはワイヤーが入るとして、細い方の溝は何のために……? これがのちほど、気の利いたギミックを演出します。
ST-310と組み合わせるとこの通り。CB缶上のデッドスペースが、何かと便利なミニテーブルになりました。ちなみにST-310は縦向き、つまりテーブルの長辺に対して、垂直になる方向でも使うことができます。
ちなみに「FUSION」でも使える?
SOTOのシングルバーナーといえば、「レギュレーターストーブ FUSION(フュージョン)」も人気があります。似たようなゴトクなのでフュージョンでも使えるんじゃないかと思い、試してみました。結果はご覧の通り、アウト。バーナーヘッドもゴトクも、トッププレートの穴を通過しませんでした。あくまでST-310専用なのでご注意を。
収納時はぺったんこに!
組み立てたばかりですが、収納される様子を見てみましょう。各パーツを組み立てとは違った部分にはめ込むことで、薄く小さく組み上がります。長辺376mm、高さ95mmだったミニマルワークトップは、厚さ33mmの細長いA4サイズに。収納状態もなんだかかっこよく、ミニテーブルとして成立するかのようなビジュアルです。
それでは次に、同時期に発売されたクッカー「ミニマルクッカー角」を見ていきましょう。ぜひミニマルワークトップとセットで持っておきたくなるクッカーです。
ソト ミニマルワークトップ
●サイズ:幅33.1×奥行15.3×高さ10.1cm
●収納時サイズ:幅28.9×奥行15.3cm
●重量:500g
●収納時サイズ:幅28.9×奥行15.3cm
●重量:500g
ミニマルワークトップと合体する「ミニマルクッカー角」
こちらが新発売のクッカー「ミニマルクッカー角」。製品の構成は鍋本体、フタ、リフターの3つです。鍋とフタはアルミ製で、リフターはステンレス。鍋の容量は1.0Lです。ミニマルワークトップと同様、収納袋が付属します。収納時のサイズは147×147mmの厚さ80mm。総重量は約375gです。
肉厚1.6mmの頑丈クッカー
当製品の大きな特長が、アルミが1.6mmと肉厚であること。これは一般的なクッカーの約2倍の厚さです。それにより凹みに強く、鍋全体にムラなく熱が伝わるのだとか。自慢の肉厚っぷりをご確認ください。頼もしい頑丈さが、パッと見で伝わってきますね。また同時に曲線の美しさにも注目してください。繊細な加工により、鍋本体とクッカーはじつに気持ちよく重なりました。
気の利いたリフターが付属!
付属のリフターを見てみましょう。回転軸にバネが仕込まれていて、ハンドルを握り込めば口が閉じますが、手を離せば写真の状態に復帰する仕様です。リフターの口は鍋のフチの曲線に呼応した形状で、至極スムーズにホールドできました。写真では一辺の中央付近を掴んでいますが、これは角部分でもOKです。
リフターのハンドルは、トングとしても使用可能。アッツアツのレトルトパックを熱湯から取り出すときなど、さりげなく活躍することでしょう。
しっかり握り込んで使用します
ひとつだけ注意点が。鍋のエッジは美しい曲線を描いていますが、反面、リフターの握り込みが甘いと写真のようにズレ落ちてしまいがちでした。力一杯握る必要はありませんが、ある程度はしっかり握り込んで使用する必要がありました。中にはST-310がすっぽりと!
収納時には、ST-310がすっぽりと! これは角型によるメリットの1つですね。わかりやすい写真を撮るためにST-310は裸の状態ですが、収納袋を使用して鍋内のキズを予防するのがベターです。さきほどのテーブルとスタック可能!
フタを締めたミニマルクッカー角は、さきほど紹介した「ミニマルワークトップ」にスタッキング可能!トップボードの溝には太い方、細い方の2つがあって謎でしたが、その理由はこのようにスタッキングするためだったんです。ミニマルクッカー角は細い方の溝にスライドでき、固定されます。
ST-310含め、一体となった状態で収納&持ち運びが可能に。アンバランスな形状だと感じられるかもしれませんが、クッカーのない側はCB缶2本を配置できる程度のスペースと解釈できます。それらをひとまとめにすれば、スタッフバッグにバランスよく収まりそう。
というわけで、ここでちょうどいいバッグも紹介しておきましょう。
ソロ用キッチンをピッタリ収納!「ミニマルバッグ」
こちらは前出の2アイテムと同時期に発売されたバッグで、その名も「ミニマルバッグ」。「ミニマル」が付いていることから、ミニマルワークトップやミニマルクッカー角と同シリーズであることが窺えますね。両サイドのバックルを連結して手に持ってもいいし、付属のショルダーベルトを使えば肩がけもOK。バッグ単体での重量は395gと、かなり軽量です。
ジャストサイズ&衝撃対策もばっちり
バッグの外寸は幅36cmで厚さが12cm、立てた状態の高さは20cmです。先ほどスタックしたミニマルワークトップとミニマルクッカー角、それとCB缶2本がちょうどよく収まりました。CB缶を1本にすれば、マグなど他の食器類や食材も入るでしょう。室内には3面をカバーするクッションを装備。アウトドアにおける衝撃対策もバッチリです。
ついでにフィールドホッパーも収納OK
両側面には内ポケットが2つあり、いずれにもSOTOの名作テーブル「フィールドホッパー」が余裕で入りました。フィールドホッパーがあれば、より余裕のある快適なキッチンまわりになりますね。なんだかSOTOの回し者みたいですが、筆者はST-310もフィールドホッパーも、実際に愛用しているキャンパーです。
外側のメッシュポケットには、ライターなどの小物やゴミ袋を入れておくとよさそう。開けることなく内容物をチェックできるので、忘れがちなものを入れたいですね。
それではこのバッグを持って、実際にアウトドアに出掛けてみましょう。
さすが純正の使い勝手!?実際に使ってみた
スタッキングした2アイテム+バッグで、キャンプ地に到着しました。もちろんクッカーの中にはST-310が収納されています。アウトドアで実際に使ってみましょう。超コンパクトなサイトで一服してみた
チェアには石を利用し、非常にコンパクトなサイトができあがりました。お茶やコーヒーを淹れたり、インスタントラーメンなど簡単な食事をつくるには必要十分な、小粋なサイトです。インスタントのコーヒーを淹れてみました。マグが載っているスペース、これこそがST-310ユーザーが求めてきたスペースです。いやー、快適ですね。
そしてミニマルクッカー角は、その名の通り角が丸いのでお湯を注ぎやすく、ケトルとしても十分に活用できました。
点火には慣れや工夫が必要かも
ひとつだけ気になったのは、点火のしずらさ。点火スイッチを押すためにはST-310が動かないよう押さえる必要があり、両手を潜り込ませるのが少々苦しかったです。いっそ点火はスイッチを使わず、「栓を開ける→ライターで着火」がスマートでしょう。テーブル上で使っても快適さUP
一式を地面に置くスタイルも楽しかったですが、普通にテーブルの上に配置しても活躍してくれそうです。今までデッドスペースとなっていたCB缶の上方向に、クッカー類を置いておけるようになりました。スペースの限られるテーブル上では、このちょっとした面積がありがたかったです。
ラーメンクッカーとしてガチ有能
さて、ミニマルクッカー角の利点に触れましょう。それはインスタントラーメンをつくるのに最適であるということ。炊飯もできるし、用途を選ばないクッカーではありますが、四角い形状は袋麺の調理で真価を発揮します。乾麺状態の中華三昧を入れてみました。中華三昧は一般的な乾麺よりも少し大きいのですが、まったく問題ありません。
また中華三昧は、割ってしまうとすごくもったいなく感じるもの(個人の感想です)。半分に割らずとも調理できるサイズと形状は、ラーメン好きとして高く評価したいところです。
茹で時間をシビアに確認しながら調理しています。用意したチェアもテーブルも、実は必要不可欠ではないことがわかる調理風景ですね。石に座ることに疲れ、慣れたスタイルでやっております。
中華三昧が完成!食べやすさは?
完成しました。麺を割らずにつくった中華三昧という、アウトドアでは贅沢なシロモノ。具材は出来合いのパックを利用しました。ちなみにこれらの食材も、ミニマルバッグで一緒に運ぶことができました。すばらしい美味しさで、かつとてもいい気分です。調理後のミニマルクッカー角は当然アツアツの状態ですが、リフターで難なく持ち上げることができました。
クッカーが折りたたみ式のハンドルを搭載せず、リフターを使う必要があることを面倒に感じた瞬間もありましたが、メリットもありました。
まず調理中に外した状態のリフターは熱くなりようがないので安全であること。そして掴む位置を自由に変えられるので、角部分からスープを啜るときに、邪魔にならない位置に移動させられること、です。
ただしアルミクッカーは、調理後すぐに口をつけると火傷するのでご注意を。
ST-310ライフを快適にする待望ギアでした
最後の方はラーメン愛が強めのレビューとなってしまいましたが、今回紹介したアイテムは、ST-310のユーザーにとって朗報となる待望ギアです。特にミニマルワークトップは、こういった純正品の登場を待ちかねていたキャンパーも多いことでしょう。そんなミニマルワークトップに気持ちよくスタッキングできるミニマルクッカー角、そしてそれらをジャストに収納するミニマルバッグ。ST-310まわりを充実させたいキャンパーは、ぜひ導入を検討してください。
ソト レギュレーターストーブ ST-310
●サイズ:幅170×奥行150×高さ110
●重量:350g
●発熱量:2.9kW(2,500kcal/h)(ST-760使用時)
●重量:350g
●発熱量:2.9kW(2,500kcal/h)(ST-760使用時)
ソト ミニマルワークトップ
●サイズ:幅33.1×奥行15.3×高さ10.1cm
●収納時サイズ:幅28.9×奥行15.3cm
●重量:500g
●収納時サイズ:幅28.9×奥行15.3cm
●重量:500g