たくさん種類があるアウトドアナイフ、どれがオススメ?
キャンプに深くはまると、自然から得るものでアウトドアを楽しむブッシュクラフトに興味が沸いてくる方も多いですよね。
私もソロキャンプを始めてからというもの、薪を割るバトニングや焚き木を燃えやすくするフェザースティック、そしてファイヤースターターで火を熾(おこ)す作業を中心にキャンプを楽しんできました。
その第一歩として必要なのがアウトドアナイフですが、その種類はたくさんあってどれがいいのか迷ってしまうほど。そこで今回は、最初の一本にオススメしたいアウトドアナイフをご紹介します!
オススメはやっぱり定番の「モーラナイフ」
スウェーデン発のモーラナイフは、2,000~4,000円ほどと手頃な価格ですがその品質はスウェーデン国王のお墨付き。高い評価を受け、スウェーデンを代表するメーカーのみに与えられる王室御用達の認定を受けるほどのクオリティです。
なかでもオススメしたいのは「コンパニオン・スパーク」というモデルなのですが、その理由をじっくり解説していきます!
「コンパニオン・スパーク」をオススメする理由
ビギナーが最初の一本として検討しやすい手頃な価格と、もちろん妥協はできない品質。この2つのバランスが取れた「コンパニオン・スパーク」、3つの魅力をお伝えしていきます!
その1:刃がステンレススチール製でサビにくく、刃持ちに優れている
ステンレスの利点は、サビにくく刃持ちに優れ切れ味が持続すること。そのためナイフ初心者の方にとっては、実用面とメンテナンスその両方において取り扱いが楽なステンレス製のアウトドアナイフがオススメです。
その2:ハンドル(柄尻)にファイヤースターターが格納されている
ファイヤースターターは棒状のマグネシウムをストライカーと呼ばれる金属片でこすり、火花を生み出す道具。別名メタルマッチとも言われますが、このコンパニオン・スパークにもこれが格納されているんです。
ストライカーの代わりにナイフの背(みね)でこすり、火花を作り出せます。この一本で火まで熾せるのは大きな魅力ですね!
その3:料理にもバトニングにも適応するオールマイティな刃厚
モーラナイフは刃厚が2.0mm・2.5mm・3.2mmとモデルによって分かれており、コンパニオン・スパークはちょうど中間の2.5mm。薄いほど料理に適しており、厚いほどバトニングなどヘビーデューティーな作業に適してるのですが、その中間であるコンパニオン・スパークはどちらの作業にも◎。
料理にも使えて、割りやすい針葉樹や細い薪のバトニングにも適応する“いいとこ取り”な一本というわけです。
モーラナイフ コンパニオン・スパーク
●素材:柄/ラバー 、刃/ステンレススチール
●刃長:約104mm
●全長:約238mm
●刃厚:約2.5mm
●重量:約82g(ナイフのみの重量)
●付属品:プラスチックシース、ファイヤースターター、パラコード
●刃長:約104mm
●全長:約238mm
●刃厚:約2.5mm
●重量:約82g(ナイフのみの重量)
●付属品:プラスチックシース、ファイヤースターター、パラコード
ファーストナイフが決まったら、性能を確かめるべくさっそく使ってみましょう。初挑戦は、枯れ木を割ったり焚き木を作るために太い薪を小割にするバトニングがオススメ。
ナイフの背(みね)を使って薪を割る方法をレクチャーします!
アウトドアナイフを使った「バトニング」の基本
バトニングに必要な道具類
必要な道具はアウトドアナイフ・叩くための太い枝(重くて密度の高いものが理想的)・薪割り台(丸太か安定性があり土台になるもの)・作業用手袋。これに、割る用の枝をいくつか用意します。
ここで注意点ですが、ナイフを叩く用の枝は重さと固さがないとナイフに力がかからずいくら叩いても割れません。密度の高い枝を選びましょう。
また、薪割り台にする土台も不安定だとケガをする恐れが。石やコンクリートなどを使う場合は、叩いた勢いでナイフの刃がぶつかって刃こぼれしないようにご注意ください。
バトニングのコツ
薪の角にナイフの根元を斜めに入れます。
傾けたナイフを枝で叩きながら水平にしていき……
薪を7~8割ほど割り進んだら、ひねりを加えて割ります。密度や節の有無などによって割れやすさが異なるので、あまり力みすぎると割れた勢いで体勢を崩したり、薪割り台に強くナイフを打ちつけ刃こぼれさせたりすることも。
適度な力加減で叩きながら、体勢を安定させることがコツです。割れにくいと感じた場合は無理に叩き割ろうとせず、別の薪や枯れ枝に変えて作業を進めましょう!
アウトドアナイフではこんなこともできる!
バトニングで扱いに慣れてきたら、細かい作業にも挑戦してみましょう。例えば、麻ひもをナイフでこそぎひもを解(ほぐ)す火口づくり。
ナイフの背(みね)でファットウッド(樹脂が多く着火に適した木材)の表面を削って火種にしたり……
白樺などの燃えやすい樹皮の表面も、こそぎ取って火種にすることができます。
これは格納されているファイヤースターターを使います(ファイヤースターターを手前に素早く引いたため、写真には写り込んでいませんが……)。
ナイフの背(みね)のエッジ部分にマグネシウムをこするようにファイヤースターターを素早く手前に引き、火花を散らします。
アウトドアで存分にブッシュクラフトを楽しんだら、また次回出かけるときに備えてナイフのお手入れをしておきましょう。次はメンテナンスについてまとめていきます!
アウトドアナイフのお手入れについて
アウトドアナイフは共に楽しむ相棒となりますから、お手入れを習慣に。それでは、どうのようにお手入れをすれば良いかご紹介します。
切れ味をキープするには砥石で研ごう
切れ味をキープするためには、定期的にナイフを研いでおくのが安心です。私は砥石の「荒砥#1000番」である程度研いだら、「仕上げ砥#5000番」で仕上げます。
研ぐ前には必ず修正砥石で砥石の面を水平にし、いつでも刃全体を均等に研げるようにしています。
砥石と刃の角度は18~23度に保つようにし、手がぶれないよう根元から刃先に向かって砥いでいきます。
仕上げに革砥(かわと)を使う方法も
木に貼り付けた革にコンパウンドを塗り込み、ナイフの刃を左右に引いて研ぐ方法もあります。砥石での仕上げに慣れていない場合は、この方法だと簡単に仕上げることができますよ。
革の表面で刃のエッジを整えるように、引きながら研ぎます。
ツバキオイルで刃をサビから守ろう!
研ぎ終えたナイフは刃物専用のツバキオイルを塗っておけば、サビから守ることができます。
ステンレスはサビにくいので毎回オイルでの保護は不要かもしれませんが、炭素鋼などはお手入れする都度ツバキオイルを塗りこんで保護してサビから守りましょう!
最初の一本を見つけたら、さらに奥深いブッシュクラフトを楽しみましょう!
このコラムをご覧になってアウトドアナイフ最初の一本を見つけたら、ぜひ奥深いブッシュクラフトの世界に足を踏み入れてください。シェルターから料理用自在カギ(フック)や焚き火熾しなど、周囲にある枯れ枝を使ってたくさんのものを作り出せます。
私も長年親しんでいるブッシュクラフト、また別の機会にコラムで詳しくご紹介できればと思います!
それでは、次回もお楽しみに!
アウトドア女子ヒミカ
石垣島出身。フェールラーベン公式アンバサダー。2017年からYouTube「ヒミカチャンネル」をスタート。以来活動はYoutube、インスタグラム、ライター、モデルなど。キャンプ、登山、グラベルバイクなどを楽しみながら、現在山暮らしを開始。
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