モンベルのシェルターが快適そう
モンベルといえば、言わずと知れた日本を代表する総合アウトドアメーカー。ウエアやギアなど登山を中心にアクティビティにまつわるアイテムが目立ち、テントやタープも登山向けのイメージがありますよね。そんななか、「これはキャンプでも快適そうじゃない?」という幕を発見。その名も「ソレイユスクリーン」。フランス語で“太陽”を意味するこちらのフロアレスシェルターをレビューしてみます。
まずは収納状態とセット内容をチェック
こちらが収納状態。説明前に内容物からチェックしていきましょう。
収納状態のサイズは、約31×26×71cm。総重量は約11.6kg。ズシリと重量感があります。
収納袋はベルトで絞れるタイプ。ざっくりと袋に入れてからコンパクトにすることができます。このような大きな幕の収納袋には、ありがたい機能です。
収納袋の中には、幕・ポール・ペグが入っています。ポールには設営時に役立つ、色違いの印がありますね。
アルミのVペグは2種類。19cmが14本、27cmが6本あります。重量感もありV字構造のため、強度がありそう。張り綱も6本あったので、27cmと対応しているようです。
設営してみます
それでは設営してみます。大型の幕なので2〜3人以上での設営が推奨されていますが、今回はスタッフが足りなかったのでひとりで設営してみました。以前もスノーピーク「ドックドームPro.6」をひとりで設営した経験があるので、多少は慣れているはず。どうしても人手が必要な箇所だけ、補助人が手伝うようにしました。
序盤はトンネル型テントと同じ
まずは4隅を引っ張り、幕を広げていきます。パッと見では前後左右すらわかりにくい、正方形に近い形状で広がります。
ポールに色違いがあったように、幕にも当然色分けが施されています。オレンジ色のテープ側が後ろになるようです。幕だけ広げると前後わからなくなるのでこれは親切。
ポールは5本使います。この分、収納サイズと重量が増しているのでしょう。
組み立てたらテープの色に合わせて近くに置いておきましょう。
色分けに従ってポールを通していきます。
ポールは長めなので、幕のスリーブ(筒状の部分)を引きながらポールを押して通すのが基本!
3本のポールを、並列に幕のスリーブに通します。
ポールを通し終わったら、両端のテープのグロメット部分にポールの先端を固定します。
ポールを3本固定できたら、半円の形状で片側に倒して寝かせておきます。ヒルバーグのケロンなど、非自立式テントのペグダウン前と同じような状態ですね。
立ち上げていきます
余った2本の色なしポールを、寝かせた幕の側面に置きます。
寝かせておいた幕を起こしていきます。片側だけでもペグダウンしておくと作業しやすいかもしれません。今回は風も弱いのでこのまま続行しました。
前後の入り口側にあるグロメットに、横に置いていた色なしポールを固定します。このとき幕を引っ張っていくことで、徐々にシェルターの形状になっていきます。
もう1本の色なしポールも、対面側で同様の作業を行ないます。立ち上がったら、フックを側面のポールに引っ掛けていきます。
中心部にはフックが2個付いており、ポールを挟み込むように固定する仕組み。
ひとまず自立までできました。「ソレイユ」というフランス語由来からか、色合いは南仏なイメージ? 優しい色なので、大きい幕ですが圧迫感がありません。
中に入ってみると、底部分に3本のテープがあります。このバックルを引っ張ることで、しっかりと自立します。
再び外に出ます。本体底部分にループが14箇所あるので、これをペグで固定(19cm)。14箇所は、けっこう多い印象です。
張り綱を結んで、プラス6箇所のペグダウン。ひとりで20箇所のペグダウンは応えますね。とはいえ、このサイズながら、ひとりで設営できないことはないことがわかりました。
設営完了です! 横から見るとロゴのある左側が高くなっているのがわかりますが、ほぼほぼシンメトリーなドーム形状。ロゴが控えめなのも好印象です。
今回ひとりで設営にかかった時間は1時間弱。撮影しながらの設営だったので、それを差し引いたらおよそ40〜45分くらいかなと。
大きいですが、一般的なドームテントに近い構造なので難しくはありません。時間がかかるのはペグダウンなので、2〜3名いれば20〜30分で設営できるのではないでしょうか。
実際に使ってみる
室内はかなり広かった!
もっとも高い中央部分の室内高は210cm、そして幅も最大で400cmあり、かなり開放的な空間です。
身長172cmの男性が手をあげて天井に手がちょうど届くくらい。圧迫感とは無縁です。
テーブルとチェアを展開してみましたが、十分な余裕があります。4〜6人用の自立式タープなので、3〜4人のリビングとして使用するとしたら、かなりゆとりを持って過ごすことができますね。
フルメッシュで快適に過ごせる!
前後の出入り口も大きく、メッシュ面もそれだけ大きいのでかなり風通しも◎。
もちろん側面も4面がメッシュになります。
合わせて前後左右すべてがメッシュになるので、気温の高い日でもかなり快適に過ごせますね。ただし幕の色味からして遮光性はそこまで高くないでしょう。
特長を挙げてみた
特長① 壁が垂直に近い
ポールが5本と、一般的なフロアレスシェルターに比べると多い印象でしたが、おかげで壁は垂直に近い角度で立ち上がります。そのため室内をギリギリまで広く使えます。
特長② 中にポールがないから広く使える
ワンポールやツーポールで自立するシェルターと比較すると、中に柱となるポールがないので、その点でも室内を目一杯広く使えるのがいいですね。
側面が垂直に近いため、インナーテントも壁ぎわまで寄せられました。
邪魔をするポールもないからカンガルースタイルをするにしてもテントの置き場所は自由自在。
設営時に張りの目安にしていたテープは、そのままにしておくと足を引っ掛けて子どもが転んでしまう可能性があります。
ペグダウンができたら底のテープは外してポケットにしまってOK。ペグを固定する前に底のテープのバックルを外してしまうと、ポールにテンションがかかるのでご注意を。
特長③ 吊るせるループも便利
天井にはループが付いているからランタンを吊るすのにも便利。ドーム型のメリットがここでも活きていますね。
特長④ 自立するのはありがたい
ヘキサライト6PやサーカスTCのような、昨今人気のフロアレスシェルターの場合、立ち上げてから場所を移動するのは困難ですが、ソレイユスクリーンはこの状態にしてから場所を変えて設営することができます。
ただしひとりで移動させようとするのはNG。ポールの一部に負荷が集中してしまいますし、風がある時には周囲に危険を及ぼす可能性があります。移動させるなら2人以上で行ないましょう。
気になった点もありました……
立ち上げ後に移動できるのはメリットですが、その分、一般的なフロアレスシェルターよりは設営がちょっと大変。ポール5本でペグダウンで20箇所ですからね。
また、幕の素材はポリエステルなので、近くでの焚き火は避けましょう。
スカート付きでベンチレーションも4箇所配置
とはいえスカートは長めなので、密閉性も高く、冬のキャンプでは活躍してくれそう。
フルクローズ時でも4箇所ベンチレーションが付いていますのでご安心を。
秋冬のキャンプにも使い勝手よし!
ソレイユスクリーン、いかがでしたでしょうか。フロアレスシェルターとしての室内空間の広さは大変魅力的。
爽やかな色味とメッシュ面の広さから春夏向きな外見ではありますが、「居住性が高い」「機密性もある」と、機能的には秋冬の引きこもりキャンプにも最適なスクリーン! ということがわかりました。気になった方は、下記のHPからチェックしてみてください。
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