アウトドアファッション、何をどう着ればかっこよくなるの?
キャンプは好きだけど服装には無頓着という方、意外と多いのでは? そもそも着こなし方がよくわからないし、それなりに歳を重ねると子供っぽくなってしまうという悩みから、つい無難なファッションでお茶をにごしてしまったり。そんなアウトドアファッションに疎いアナタ……! 大丈夫です。じつはちょっとしたポイントさえ抑えれば、キャンプはもちろん街でもお洒落に着こなせちゃうんですよ。
そこで!アウトドアファッションテクを学ぼう
服選びで迷っている30代男性をモデルに、アウトドアファッションスタイリングのコツをプロに伝授してもらいましょう。モデルとして登場してもらうのは、清水翔太さん(30歳)。
アウトドア用品販売会社で働いているというだけあり週末は釣りなどに出掛けることも多いそうですが、あまり洋服には執着が無い様子。
指南してくださるのは、スタイリストの中島貴大さん
中島さんは、アメカジからミリタリー・アウトドアまで幅広い知識と裏付けを持ってコーディネートを組み上げる、敏腕スタイリスト。
ファッションにあまりこだわらない人が勘違いしやすい点や服選びにおいて見落としがちなポイントなどを、わかりやすく解説していただきます。
まずは「カッコよく見えない」とお悩みの方の多くが陥っている、とあるアイテム使いから正していきますよ!
心得1:アウトドア→汚れてもいい服→ジーンズ、という発想は止めましょう
アウトドア=ラフな服装が良いというイメージからか、ジーンズでキャンプ場へ来ている人もわりと見かけます。清水さんも「汚れてもいいようにパンツはジーンズがほとんど」だそう。もちろんNGではないのですが、今風のお洒落にこだわるなら避けるのが得策!
アウトドアにはジーンズというその考えは、改めたほうがいいでしょう。5ポケットのジーンズって、何を合わせても野暮ったくなりがちなので、アウトドアには取り入れないほうが無難です。(中島さん)
意外と動きづらくアウトドアには不向きで、さらにスマートに見えないということですね。先制ジャブが飛び出したところで、具体的なアウトドアスタイリングのコツを教えていただきましょう。
心得2:「アウター」は、ブラックかアースカラーを選ぶべし
まずはこれからのシーズンに欠かせない、アウターの選び方から。アウトドアで重宝するアウターは、大別すると機能素材を使ったシェル系と、天然素材を使ったジャケット系に別れます。自分の好きなタイプを選べばよいのですが、色はブラックかアースカラーの2択と覚えておきましょう。
そうすればシックにまとまりますし、街着としも活用できます。(中島さん)
スタイリスト中島さんが選ぶ、おすすめのアウター
某有名ブランドの銘品からインスパイアされた一着。フルシームで防水処理が施されているので、激しい雨の中での作業時にも最適。オールブラックでポケットや止水ジッパーが良いデザインアクセントとなっていて、シンプルな装いでも存在感大!
使われているウール素材は、羊毛を刈り取ってから2年以上の歳月をかけて生み出される極上品。優れた品質と耐久性があり、ハンターや冒険家といった厳しい自然環境で活動する人たちからの支持も絶大。
「親から子へ」と着継がれるエピソードも豊富なジャケットで、買えばまさに一生モノ。
心得3:「インナー」は、アウターありきで考える
秋のシーズンに活躍するインナーといえば、シャツやパーカ・セーターなどいろいろありますが、何を着るかはアウターありきで決めたほうが良いのだとか。
よくあるNG着こなしが、フード付きのアウターにパーカを合わせる、というもの。どうやってもかっこ悪くなるんです(笑)。
首周りのおさまりが悪く不格好になるので、これだけは避けると覚えておいてください。(中島さん)
ガチの山登りであればフードonフードもありですが、ファッション的な視点からはNGとのこと。今回試着するアウターはフード付きのため、インナーは襟まわりがスッキリとしたシャツをチョイスします。
スタイリスト中島さんが選ぶ、おすすめのインナー
一見アウトドアとは縁遠いビジュアルながら、じつは人間工学に基づいた型紙から作られたという、機能的でハイスペックな白シャツ。ストレッチ性やUVプロテクト機能・撥水性を備えた、完全アウトドアユースな一着。
アウターがスタンダードカラーなら、インナーはフード付きもアリ。本国では昨年から展開がスタートし、今季から日本にも上陸したフィルソンのワークウエアライン「CCF」。
落ち着いたトーンの色味で、アースカラーのコーディネートに組み入れやすいアイテム。
心得4:「パンツ」はスタイルがよく見えるテーパードタイプを
パンツ選びのポイントとなるのが、シルエット。ストレートではなくヒザ下から裾にかけて細くなっているテーパードタイプを選ぶだけで、洗練された雰囲気になるのだそう。
最近はいろんな素材があるので、選択肢は豊富ですね。もう一つパンツ選びで注意したいのが、上下で素材を揃えないということ。上がシャカシャカ系であれば、パンツは天然素材にするとか。
同色だとしても素材を変えるだけでコーディネートに奥行きが出るので、お洒落に見せることができるんです。(中島さん)
確かに上下とも化繊素材のジャージでは、楽かもしれませんがお洒落度はイマイチ。これからの季節、防寒面も気になりますね。
スタイリスト中島さんが選ぶ、おすすめのパンツ
アウトドアパンツの定番「グラミチ」も、素材やシルエットを変えると印象はガラリとチェンジ。タックが入ったクロップド丈のパンツなら、ヒップともも周りにゆとりがあり、スタイルが良い印象に。秋冬に最適なウール混素材で、オンオフ様々なシーンで活躍する一本。
“上質なシンプル”を追求した日本のブランド「ウィーク」。スラント(斜め切り)ポケット採用で手を入れたときも不格好にならず、デニム素材ながらカジュアルすぎない印象に。
素材には保温性に優れた素材であるサーモライトが織り込まれ、寒い季節のアウトドアにも最適。
心得5:「小物」は主張しすぎないようにする
全体のカラーを整えながら上下のコーディネートが決まったら、最後はシューズと小物のセレクト。全体のトーンを壊さないように、見た目はシンプルだけど素材や機能性にうんちくのあるものを選びたいですね。帽子はハットよりキャップがおすすめです。ハットは全体のバランスが取りづらいので、お洒落偏差値もそこそこ必要になります。デザイン的にはロゴが主張するものよりも、シンプルで単色のほうが着回しもしやすいですね。
バッグはサコッシュと言いたいところですが、やや食傷気味ですのであえてウエストバッグをチョイス。ストラップを短めにして、体にフィットするようにたすき掛けすると、こなれて見えますよ。(中島さん)
世代によっては「ウエストポーチだ」と敬遠する方もいそうですが、流行のキャップしかり、ここはトレンドアイテムを思いきって取り入れてみましょう!
スタイリスト中島さんが選ぶ、おすすめのハット・バッグ
ヴィンテージテイストのアイテムが揃う「アナクロノーム」と、着用するごとに経年変化する帽子作りをコンセプトにしている「DECHO」とのコラボレーションモデル。しっとりとした柔らかい肌触りの生地が特徴的で、牛革レザーを採用したレザーバックルもポイント。
財布やスマホ・モバイルバッテリーなど、必要最低限のアイテムを持ち運ぶのにぴったりのサイズ。同系色の“主張しないロゴ”も今っぽい。
心得6:「シューズ」は防水機能を備えたシンプルなものを
ファッションの要ともなるシューズですが、こちらも小物同様、あまりにも派手なものは選ばず、服と合わせやすいカラーであることが基本条件。
シューズはアウトドア用途を考えると、防水であることが絶対条件。アウトドアブランドから出ているものであれば、極力シンプルで単色のものが狙い目。
最近ではシューズブランドからアウトドア顔のブーツも色々出ているので、お洒落にこだわるなら注目ですよ。(中島さん)
今も昔も、お洒落は足元から。履き古しのスニーカーから卒業して、アウトドアでも街でもお洒落に決まるシューズを探しましょう!
スタイリスト中島さんが選ぶ、おすすめのシューズ
トレイルランニング用のシューズメーカーとしてスタートした「イノヴェイト」。オールブラックで履き回しやすいオフロードシューズは、ゴアテックスを搭載した完全防水仕様で、アッパーにはコーデュラを使用して耐久性も抜群。軽量なローカットタイプで、アウトドアから雨の日の通勤まで幅広く履きまわせる一足。
メイドインジャパンにこだわった話題のブーツブランド「ローリングダブトリオ」のマウンテンブーツ。靴職人が木型・素材・製法など、すべての工程にこだわり抜いた芸術的な一足。
表面に使われているレザーには防水加工が施され、キャンプでもタフに活躍!
コーデ完成! 街でもいけるモノトーンアウトドア
「こういう格好はしたことがありませんが、すごくいいですね。特にこのシャツとパンツは着心地が良くて、仕事にも着ていけますね。欲しいです!」と、着替え終わった清水さんは満面の笑み。最初の登場カットと比べると、見違えるようにスタイリッシュに決まっています!
アウトドアファッションというと派手な色使いが多く子供っぽくなりがちですが、モノトーンで揃えて上下の素材感を変えるだけでもだいぶ印象が変わることがわかりましたね。
ファッションにも、こだわりを!
着用してもらったのは1パターンでしたが、もう一方のアースカラーコーディネートもクラシックな雰囲気が大人っぽくて好印象。トラウザータイプのデニムであれば野暮ったい印象にもならないので、天然素材系のアウターを着るときのために1本持っておくと重宝するはずです。
お洒落度を上げるには自分のセオリーではなく、素材や流行りの色味をおさえて選ぶことがコツのようですね。この秋はファッションも含めて、アウトドアを楽しみませんか?