CAMP HACK × DIYer(s)

この記事は、ライフスタイルメディア「DIYer(s)」で掲載されたDIY方法をCAMP HACKでもお届けする連携企画です。今回はいつもとは少し趣向を変えて、あまり耳馴染みのないタンドール窯のDIYをご紹介します!
そもそもタンドール窯とは?
インド料理屋に行った方は見たことがあるかもしれませんが、ナンを焼いている筒状の窯がありますよね。それがタンドール窯です。北インドからアフガニスタンなど、西アジアから中東にかけて使用されている円筒形の粘土製壺型オーブンのことで、その起源は古代インダス文明まで遡るといわれています。

用意した材料

・テラコッタの鉢(径260×高さ310㎜)
・パーライト(18L)1袋
・バーミキュライト(3L)1袋
・川砂(適宜)
・単管パイプ(径38㎜)
・焼き網など
※塗料は好みのものを用意してください。
用意した道具

・ディスクグラインダー(ダイヤモンドホイール/金属用切断砥石)
・ジグソー(鉄工用ブレード)
・カナヅチ
・センターポンチ
・棒ヤスリ
・カッター
・スコップ
・メジャーなど
STEP.01 ペール缶を好きなデザインに塗装する

ということで、まずは缶の表面についた油脂を落とす下地作りからスタート。ラッカー薄め液を全体に塗布したあと、スプレー式のメタルプライマーを振りかけます。

なお赤と黄色を選んだのは、なんとなくカレーの色に近いから……。


ヒンドゥー文字っぽい雰囲気のフォントを探し、型紙を製作。文字は「Ultra」「Light」「Tandoor」の3語を作りました。

STEP.02 断熱材をブレンドする

オリジナルミックスの断熱材は、パーライトをメインにバーミキュライトと川砂を混ぜたもの。比率はパーライト7:バーミキュライト2:川砂1くらいです。
さらに耐火セメントを混ぜて固める方法もあるようですが、重量が出るのでやめました。
なお、この組み合わせや比率に科学的根拠はなく感覚と軽さ重視で決めたもの。みなさんそれぞれで試してください。
STEP.03 ペール缶のフタを丸く切り抜く



ビットの径はジグソーのブレードが入るサイズを選びましょう。


STEP.04 素焼きの鉢をカットする

なおペール缶のサイズに合う鉢を見つけるのに、ホームセンターを何軒もハシゴしたことをここに付け加えておきます。みなさんのご武運を祈ります。

STEP.05 単管パイプで空気調整口を作る



缶の内部に充填した断熱材の厚みを考慮して、空気調整口の位置を決めます。カットした単管パイプをあてがって墨線を引きましょう。

STEP.06 素焼きの鉢に穴をあける

再び缶の中に鉢を入れ、ペール缶にあけた穴から鉢に墨つけします。


穴をあけたら、棒ヤスリできれいな円を成型していきます。ただし棒ヤスリでやるとヤスリの目が詰まってしまうので、あまりオススメできません。
STEP.07 各部材を組み立てる



ついに完成! せっかくなので、この自作タンドール窯を使ってナンを焼いてみました。
番外編 窯の火入れからナン作り



打ち粉を広げたまな板で、ナン生地を伸ばします。ここで打ち粉をつけ過ぎると、窯に張りつかなくなるのでご注意を!



しかもこのタンドール窯は、どんな食材を入れても美味しくなっちゃうんです。上記のナンをはじめ、タンドーリチキン、ケバブ、豚バラチャーシュー、サンマの塩焼き、さらには焼き芋を調理しましたが、すべて大成功。
まず調理時間が早いです。しっかりと内部の温度が上がったタンドール窯は、ナンだと1分ほどで焼けてしまいます。タンドーリチキンですら10~15分くらいで完成。しかも遠赤外線効果のおかげか、外はパリッと、中はふっくらジューシーという仕上がりに。
余分な油は下に落とし、旨みだけをギュッと閉じ込めるので、もう本当に美味い! 焼き上げた肉や魚を串から取り外した瞬間、「ぷすっ!」と音を立てて爆ぜる瞬間がもうたまりません。
さらにポイントなのは、炭を使った窯なので使用時の煙が少ないこと。肉や魚から落ちる油を熱源の炭に当てないように気をつければ、煙がほとんど出ません。薪と違って、炭ならすぐに入手できるのもいいですね。

工具さえ揃っていれば、ビギナーでも十分にDIYできる難易度。しかも材料費4,000円ときたら……もう作らない理由がない!
最後に、こだわった重さ。ペール缶に詰める断熱材は、パーライトをメインにブレンドしなおかつセメントで固める方法を避けた結果、7kgという軽さを実現。まさにポータブルの名に恥じない持ち運びやすさを実現させることに成功しました。
本当にポテンシャルは高いので、みなさんもぜひタンドール窯を自作して、オリジナルの窯料理を好きな場所で楽しんでみてください!
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