世界最大級の展示会は、ウエアもギアも最先端のものが詰まっていた!
ドイツ・ミュンヘンにて6月30日〜7月3日に行われたヨーロッパ最大級のアウトドア展示会「ISPO ISPO(Leading Trade Fair For Sports Professionals)」。
ここでは登山やウォーターアクティビティ、ロッククライミングなど様々なアウトドア製品の最先端が展示されました。今回初めてライターが取材した中で、「これはおもしろい!」「これは斬新!」と感じたギアがありました。
では早速、今回取材したライターが見つけたギアを発表! 特にキャンプで使えるものに絞って10点を紹介します。
日本では知られていない海外ブランド4つの製品
まずは日本ではまだ展開されていないブランド品4つから。世界の自由な発想キャンプギアに注目です!その①:ライノウルフ「スーパーテント」
最初に紹介するのは、テント・エアマット・寝袋が一式になっているオールインワンテント。“一式”というのは、テントの中にマットレスと寝袋が付いていて、設営すればすぐに寝られるというまったく新しいタイプ。ハイカーなどすぐにテントの中で過ごしたい人には便利ですよね!
ポイントはそれだけでなく、入り口にそれぞれファスナーが内蔵されていて、スーパーテント同士を連結できるんです。しかも連結数は無限なんだとか!
ちなみにRhinoWolf(ライノウルフ)は、アメリカのクラウドファンディングで成功した企業で、近年注目を集めているという話題性にも富んでいるブランド。新しいソロキャンプのスタイルが楽しめそうですね。
その②:グルツィバッグ「アビオポッド ダウンウール ネイチャー」
寝袋も興味深いものが登場していました。ドイツのアウトドアブランド・Grüezi bag(グルツィバッグ)は、全部品を天然から採れたもので製造したこの寝袋を発表。その姿勢とクオリティの高さが評価され、「ISPO Award 2019 – Product of the year(昨年のISPOアワード)」に選出されました。
中綿に使用する「ダウンウール」は、ダウン70%とウール30%で構成された新しい素材。湿気によるダウンの断熱半減を、ウールが補って安定した断熱効果を維持できるとのこと。木製ボタンを外せば一枚布団やブランケットとしても使用可。
ふだん使用している掛け布団により近い感覚で寝られる寝袋ですね!
その③:ベント「キャンバス」
会場内で目立っていたブースのひとつが、こちらのBENT(ベント)というブランド。こちらの「キャンバス」というアイテムは、2枚のタープとペグ、ガイロープ、そして1本のポールがセットになったアイテムです。
注目は、タープ同士をファスナーで連結できるところ。クルマのサイドオーニングやサンシェード、別売りのフローリングと組み合わせてテントにしたりと、様々なスタイルにできるんです!
4種類の異なったコンセプトのプリントタープから2枚を選べます。ビーチやフェス、デイキャンプに良さそうですね。
その④:ビブラムシューズ「FUROSHIKI」
ビブラムといえばソールブランドとして有名ですが、近年は自らシューズを製造しているんだとか! こちらは日本の「風呂敷」からインスピレーションを得たビブラムシューズシリーズです。
いくつかある中で、こちらの「ニットソックス」は靴下を履かなくてもそのままダイレクトに履けるシューズになっています。ソフトな肌触りに加え、メッシュ素材で通気性がバツグン。
脱ぐ際にはこのようにベロっと両端を開き、履く際には内側に折ればすぐに完了。旅など楽に履きたいトリップシューズに役立ちそうですね!
日本でも有名なブランドの新製品5つ
次に、日本でも馴染み深いブランドを紹介。こちらもキャンプギアが中心ですが、シューズなどユニークなアイテムも見つけました!その⑤:ヘリノックス サンシェード
ヘリノックスのヨーロッパチームブースも出展していましたよ! 中でも目を引いたのがこちらのサンシェード。
詳細な情報がまだ公開しておらず謎が多いアイテムですが、ひと目見ればヘリノックスだとわかるデザインですよね。
内側のポール構造が居住空間を最大限に広げ、キレイなボックスシルエットを構築。裾にブルーのビルディングテープがあり、形が崩れる心配もありません!
その⑥:プリムス「エッセンシャルトレイルストーブ」
日本でも人気が高いプリムスブースでは、コンパクトなストーブに注目が集まりました。中でもこちらは、名品「クラシックトレイル」(日本では「2243バーナー」の名称)のデザインを踏襲しつつ、五徳の脚を4本から3本に減らしています。
火吹き口も外側ではなく内側に集中させて、火力を高めに設定しているそうです。
この五徳部は風防の役割も担っていることは言わずもがな。でも、脚を減らしても安定した火力を維持できるのはさすがのバーナーブランドのデザイン力です。
また、バーナーの位置を低く設定することで、炎が安定できる新たな技術も搭載。着火装置はないためトーチなどが必要ですが、日本でも発売するみたいなので楽しみにしていてください!
その⑦:ガーバー「マレット」
ナイフやマルチツールといった小物を製造するGERBER(ガーバー)では、とてもコンパクトなマルチツールを発見。わずか3cmというコンパクトなサイズですが、この中に全部で11もの機能が備わっているんです!
具体的には、4種類のドライバーやボトルオープナー、ワイヤーカッター、スクレーパー(削る機能)、ネイルプーラー(釘抜き)、バール(てこ棒)などなど。加えてキーリングとベルトループキャリーがあるので、手軽に持ち運びもできますよ!
その⑧:タトンカ ステンレスギアシリーズ
国内ではポリコットンタープやバックパックで知られているドイツのアウトドアブランド、TATONKA(タトンカ)。
実はステンレスギアも製造しており、溶接したようには見えないキレイな仕上がりのケトルはまさに芸術的! V字に加工した注ぎ口からは、安定した水量が注げます。機能美が光りますね!
そのほかに、日本でも再注目されているアルコールランプもありました。こちらは風防、五徳、そしてクッカーが一式になった製品。クッカーとラントの間には専用の受け皿があり安定感もバツグン。
金属では、重量面からチタン製品が増えていますが、価格面と加工技術を見るとステンレスもアリ! と改めて感じました。
その⑨:エコー「エキソストライク」シリーズ
アパレルも革新的なものを見つけました。デンマーク発のシューズブランド、ECCO(エコー)のブースでは、都心でもアウトドアでも使えることをコンセプトにしたエキソストライクシリーズを展開。特にこちらは、普通の状態ではシンプルなグレーカラー(写真左部分)ですが、熱を与えるとなんとカモ柄に大変身! 衝撃吸収力2倍のミッドソールを搭載してアウトドア使用も問題なし。高機能でありながら遊び心を取り入れたデザインに脱帽しました。
日本ブランドも精力的!ゴールドウィンをピックアップ
日本ブランドも負けてはいません! こちらはスキーウエアなどで定評がある「ゴールドウィン」ブース。ノースフェイスなどで経験を積んだデザイナーが新たに着任してコンセプトを刷新し、カテゴリーを横断して幅広く使えるウエアを提案していました。
注目はグリーンのマネキンが穿いている「1タック テーパード ストレッチ トラウザーズ」。
ストレッチの効いたナイロン素材を使っており、化繊ではあまり見られないタック(ウエストを寄せた加工)を入れることで美シルエットと動きやすさを追求。海外ではどんな反応が見られるか楽しみですね!
海外ブランドは、今までにない着眼点・技術力が盛りだくさん!
今回紹介したアイテムは、すでに発売しているものからこれから発売するものまであり、すべてが製品化されるわけではありませんが、温度差で色が変わるシューズやファスナーで様々な形に変形できるタープなど着眼点・技術力に感心しました。
なお、同イベントでテントに特化して紹介している記事もありますので、こちらも合わせて読んでみてくださいね!
ISPOについて知りたい人はこちらでチェックしてください。