本格ステーキが味わえる!?異色のアウトドアショップ「DAYS CAMP」へ【スタイリスト平健一の“わが道”ショップ探訪記#6】

昨年11月にオープンした新ショップを訪問


今回取材する「DAYS CAMP」というショップは2018年11月にオープンしたばかりの新店。

事前情報で入手できたのは、場所が一之江(いちのえ)という駅から徒歩5分くらいの立地で、飲食も兼ねている変わったショップだということ。

一之江といえば、都営新宿線で新宿駅から30分ほど乗る各停駅。江戸川区に属し、近くを新中川という一級河川が流れていますが、アウトドアとは正直無縁な場所。

なぜここにオープンしたのか、そして飲食も兼ねているとは一体どんなショップなのか……早速、取材開始です!


アウトドアショップなのに2/3がダイナー!?


ショップは雑居ビルの1階にあり、「DAYS CAMP」という手作りの看板が張られているので遠目から見てもしっかり目視できる外観。

キャンプ向けのチェアやテーブルを用意。道具を買わずにただご飯を食べにきてもオッケー
中に入ると、1/3のスペースが物販スペースで、2/3スペースがダイナーという今まで見たことがない光景が広がります。

平さん
面白いお店のつくりをしていますね。アウトドアショップでありながら、物販より食事スペースの面積が広いなんて……。

石塚さん
ハハハ、そうですよね。普通のお店とは違ったコンセプトにしたかったんですよ。


そう話すのは、同店のオーナーである石塚さん。筋肉が自慢の某芸人を想起させる爽やかな外見で、過去にアルティメットフリスビーの日本代表で活躍したり、アウトドア業界に入る前はシャッターを売る営業職だったりと、変わった経歴の持ち主です。

カフェ&バーはカウンターもあり、一人だけでも食べられる
平さん
どうしてこんな変わったレイアウトにされたんですか?

石塚さん
実際にお客様に製品を使ってもらう場を設けたかったんです。

平さん
と、いうと?

石塚さん
今のキャンパーさんは、最初に道具を揃えるとき一気に”玄人向けの製品”に手を出したがる人が多い印象です。けど買ってみたら実は使う場が少ない……ってことに気づく人を周りで見かけたんですね。

平さん
たしかに、経験が浅いままコットンテントや扱いが難しそうな道具を買う人もいますよね。


実際に調理で使っている「ロッジ」のアイテムも販売
石塚さん
そうなると使わない道具が増えて、しまいにはキャンプへの興味が薄れてしまうかもしれない……と。

平さん
なるほど。それで実際に使ってもらう場を。

石塚さん
はい。製品のよさや使いどころを、まず実際に見て体感してもらい、場所や環境に応じて使い分けて楽しくキャンプをしてもらいたいと思ったんですよね。

平さん
それはユーザーとしてもありがたい!!

熱いトークが繰り広げられるお二人。そんな長く使ってもらいたいと石塚さんが思う道具とはどんなものなのでしょうか?

他ではお目にかかれないモノも!物販スペースを拝見


こちらが物販スペース。テントやタープといった大型品はなく小物が多くを占めます。どちらかというと、キャンプ用品だけでなく普段の生活でも使えそうな道具が並んでいる印象。

捨てられる消防ホースを使ってバッグを作る「ファイヤーホースプロダクツ」や、高い保冷力・保温力をもつソフトクーラー 「アイスミュール」など、他の人と被りたくないアイテムをお探しの人にはピッタリの品揃えも特徴です。

「こんなの欲しかった」ばかりが揃うブランドを壁一面に


平さん
あ、最近このブランドが注目を集めていますよね!


石塚さん
そうですね、この「C&C.P.H EQUIPEMENT」(シー&シーピーエイチ イクイップメント)は、うちでも人気です。


平さん
特に人気な製品はありますか?


石塚さん
SOTOのガスライターを首から引っ掛けるネックホルダーや、裏地にクッションを付けたランタンケースなど、かゆいところに手が届くアイディア製品が人気ですね。



最近ではDAYS CAMP別注のアイテムも作ってもらっているということで、おすすめはこの「チェアアームホルダー」。裏面にあるマジックテープで肘かけに引っ掛けて使う便利グッズです。2段階調節ができてキッチンやテーブル、車内などいろんな場所に付けられるのが特徴的。

石塚さん
通常品は本体もポケットも同じ素材なんですが、DAYS CAMP別注ではポケットを他の素材に変えています。


平さん
この迷彩柄が渋すぎず、ポップさもあってかわいいですね。メリハリのあるデザインがいい!



クラウドファンディングで成功したあの焚き火台も!


平さん
Our’s(アワーズ)の製品も販売しているんですね!


とキラリと目を光らせた平さん。そう、CAMP HACKでも紹介した、クラウドファンディングで成功したあの焚き火台も置いてありました。


石塚さん
この道具は優れていますね~。棒と金属板だけでできているので収納時はとてもコンパクト。軽量ですしとても丈夫。

純粋に焚き火を楽しみたいというデザイナーの思いが伝わってきました。ソロキャンプには活躍すること間違いなしです。


注目を集めるブランドを取り扱っているのも、石塚さんのセンス。他のお店ではなかなか見ない、独自のラインナップが面白い!

コーヒーに代わる新たな健康茶も販売


なにやら普通の紅茶のように見えるものも……。

平さん
んん、このお洒落なティーパックはなんですか?


石塚さん
これは「カカオティー」という飲み物です。カカオ豆の外皮をティーパックに詰めて、お湯で煎じて飲むんです。


平さん
ほー、カカオ豆のお茶ですか。初めて聞きました。


石塚さん
これカフェインフリーで幼児からお年寄りまで飲めるんです。なので夜に飲んでも問題ありません。しかもノンカロリーなので健康にもいいんですよ。



平さん
それは健康によさそうですね! でも、なぜこれをここで売ってるんですか?


石塚さん
キャンプって、コーヒーを飲むのが定番じゃないですか? もちろん、あの温かさと苦味が寒いときにちょうどいいかもしれませんが、それだけではないと思うんです。


平さん
たしかに、コーヒーセットはキャンプ道具としても定着しましたね。


石塚さん
普通のお店にしたくなかったので、そういった意味でも普通ではない飲み物を置こうかなと。これから流行らせたいですね。


1杯飲ませていただきました。カカオの芳ばしさがほのかに香りますが、苦味はなく、紅茶やお茶より渋みもないのでススっと飲めてしまいます。これならコーヒーが飲めない人でも安心して飲めそう!

店内でバーナーを試せる!


売り場には、コールマンのソロストーブからSOTOの人気バーナーまで、ガソリン・ガス両方のバーナーもあり充実したラインナップ。

石塚さん
実際に店内で試していただくバーナーは、分離型と一体型の両方を用意してあります。


平さん
この2タイプは悩みどころだと思うので、自分に合ったものを選べるのは嬉しい!


石塚さん
それと、ただバーナーを使ってもらうだけなのも勿体ないので、うちでは食べ物の調理もできるんです。


平さん
え、食べ物を焼けるんですか?


石塚さん
はい、バーナーの使い方は自分が教えて、調理をご自身でやってもらい、それを食べてもらう。

バーナーの火力や使い勝手も分かりますし、なによりここで少しでもキャンプ気分を味わってもらいたいので。


平さん
なんと。面白いお店ですね~!


石塚さん
ありがとうございます。よかったら何か食べていきますか?


平さん
ぜひ!


それではこのお店イチ押しの「スキレットで焼く 大判オリジナルステーキ」(税込1,490円)を作ってみました!

使用したバーナーはSOTO「シングルバーナーST-301」
石塚さん
SOTOのこのバーナーは、分離型で大鍋などの大きい調理道具が使えるのが便利ですね。
平さん
分離型は輻射熱の心配も少ないので、安心感がありますよね。収納性を考えずに調理メインなら分離型、という印象です。

ギア談義を楽しみながら、大きい1枚肉を豪快に焼いていきます。焼き終わったらひと口サイズまでカットして完成です!


あっという間に肉が焼きあがり、美味しそうな肉汁がたっぷりと出ています。ステーキには下味を付けているので、完成したらそのまま食べられる時短の工夫も嬉しいポイントです。


ご満悦な表情の平さん。

平さん
~ッ!! めちゃくちゃ美味しいです! しっかりと下味がついているので、お客さんならただ焼けばいいだけというところも手軽。また食べたくなっちゃいますね。



一之江で開業した本当の理由は?


飲み物を飲みながら話し続けるお二人。話しは開業の経緯へと進みます。

平さん
ところで、なぜ一之江という場所でやろうと思ったのですか? この地域はアウトドアと何か関係があるわけでもなさそうですし……。


石塚さん
自分が住んでいる街なので、地元で開業したいというのがオープンした理由のひとつです。

そして、都心でキャンプ風な居酒屋が増えていることに疑問を抱いていて、自分ができることを郊外で少しずつ広げていきたいと思ったんです。


平さん
どんな疑問だったのですか?



石塚さん
アウトドア風はやっぱり“風”なので、コンセプトが薄いんです。そこで料理を食べてお客さんがアウトドアをした気分で終わられると、本来アウトドアの世界へ誘うべき役割がそこで終了してしまう気がして。


平さん
最近増えてますもんね。僕もそこは気になっていました。


石塚さん
そこで、何年もアウトドア業界に携わり、道具も使えて料理も作れる自分がやることで、少しでもアウトドアの魅力を伝えて、そして実際にキャンプへ行く気分があげられたらと思いました。



暖色系ライトだけを残した店舗の様子。夕方を意識して和みを演出
平さん
今後はどんなことをする予定なんですか?


石塚さん
今は店舗拡大は急がず、自分の知識や技術をアルバイトや社員に伝えて、ゆっくりと展開したいですね。

今後はイベント向けにここを貸し出したり(最低10名以上)、ブランドの展示会会場として使ってもらえたらと思っています。


ただ道具や料理を提供するだけでなく、ここで道具を使ってみてそのよさを知り、キャンプで実践してもらう。将来を見据えたコンセプトは一貫していました。

同ショップは夕方からオープンするので、会社帰りに立ち寄ってみることもできそう。試しに行ってみてはいかがですか?

取材したのはこちら


『DAYS CAMP』
東京都江戸川区一之江7-33-18 はなみずきビル1-A
Tel:050-1471-0515
営業時間:17:00~23:00(土日12:00〜)
定休日:水曜
https://www.days-utility.com/days-camp

平さんの過去連載はこちら!

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