※こちらで紹介するアイデアは、あくまで個人の実体験によるものです。少しでも不安な方は、しっかりと対策を講じて冬キャンプを楽しんでください
冬キャンプの難敵は就寝中の寒さ
初心者キャンパーが冬キャンプに挑戦する際、もっとも高いハードルとなるのが「就寝中の寒さ」。起きている間は焚き火などで暖かくとも、寝袋に入ってからの深夜から早朝の冷え込みは非常に厄介です。克服するにはどうしたらいいんでしょう?
高性能シュラフがあれば万事OKですが…
いちばんシンプルな克服方法は、高性能なシュラフを使うこと。写真はモンベルの「ダウンハガー650 #0」ですが、使用可能となる温度の下限はなんと-14℃! これを家族分買いそろえればバッチリですね……って、4人家族で15万円を超える出費になってしまいます。これは高級テントの代名詞・ヒルバーグの4人用テントに手が届きそうな金額ですから、やはり冬キャンプのハードルは高いと言わざるを得ません。なんとか出費を抑えて、冬キャンプにおける就寝中の寒さを克服できないものでしょうか。
まず基本は「底冷え」をシャットアウト
マットはマスト!
どんなシュラフを使おうとも、冷えは地面からやってきます。夜更けに地面自体の温度が下がるということもありますが、シュラフは体温で膨らみ、空気の断熱層をつくることで保温するので、ペチャンコになる地面側は冷たく感じられるんです。そこで必要となるのがマット。冬キャンプもそれなりにやっている方なら、地面から距離を取れるコットだけで寝て結局すごく寒く寒かった……って失敗は、実体験としてあることでしょう。
財布にやさしい銀マット
空気を入れるタイプや折りたたむタイプなど、キャンプ用のマットは数多く存在しますが、コスパを最優先するならいわゆる銀マットが最強でしょう。写真は厚さが15mmの極厚タイプで購入価格は1枚2,000円ちょっと。数千円で家族全員分のマットが用意できました。コンパクト性に乏しく、車載時にいつも悩まされますが、底冷え防止性能に不満はありません。
これまでに体験した失敗パターン
まず筆者が使っているシュラフを紹介しておくと、コールマンの「パフォーマー2」です。快適な使用温度は5℃というスペックで、経験上は最低気温が10℃ぐらいまでなら快適、5℃だと寒く感じられます。これまで、このパフォーマー2でさまざまな寒さ対策をしてきました。結論を言ってしまうと、今では氷点下の冬キャンプでも快適に使用できていますが、その前に試行錯誤時の失敗パターンから紹介していきます。
湯たんぽは朝方にパワーダウン
とにかく目先の寒さを回避したくて、採用したのが湯たんぽ。足元に忍ばせておくとシュラフに入った瞬間は極楽でした。しかし朝方にはぬる~くなってしまい、同時に首~肩まわりを漂う冷気をどうすることもできず、完敗の冬キャンプに……。
エマージェンシーシートはびしょ濡れに
アルミを蒸着させたエマージェンシーシート。災害時に活躍している様子をニュースなどで見かけたことがあるはずです。これなら寒さに耐えられるんじゃないかと試してみたことも。結果は、成功! 暖かく眠れました。しかしシートの内側がびしょ濡れになっていたので、当然シュラフも濡れ濡れ状態……不快極まりない目覚めに。洗濯機で丸洗いできるパフォーマー2だからよかったものの、やはり透湿性能がないシートは、あくまでも緊急用なのでした。
これで私は成功しました!「高いシュラフを買わなくていい方法」
ダウンを着込めばイケる!
ダウンシュラフがないのなら、ダウンを着込めばいいじゃない! というわけで、ダウンを着て寝る作戦です。活動していたそのままの格好であることに抵抗がなければ、かなり有効な方法です。丸洗いできるシュラフですし。下半身にはしっかりと保温性能の高いアンダーウェアを履いておくことも大切。どうしても下半身が冷える場合は、シュラフの上から毛布をかけていました。
ダウン着込み作戦を追求した結果、下半身用にダウンパンツを使うように。
ファストファッションでも買えるダウンジャケットと違い、パンツになると途端に高価になりますが、「寝るときだけじゃなく日中から使える」という点が高性能シュラフと決定的に異なります。つまりコスパ的にはアリかなと。
上下ダウン+パフォーマー2の組み合わせで、朝方には氷点下になるような状況でもぐっすりと眠れます。実体験です。
ちなみにダウンパンツはナンガの「TAKIBI DOWN PANTS」。持っているダウンジャケットよりも性能が高いようで、膝まわりがいちばん暖かいという、不思議な寝心地を提供してくれています。
ナンガ TAKIBI DOWN PANTS
●サイズ:S~XL
●素材:表地/40dnナイロン 67%・20dnポリエステル 33% 混合 裏地/50dnポリエステル 100% 中綿/ダウン 80%・フェザー20%(650FP) 羽毛量/30g 日本製
●素材:表地/40dnナイロン 67%・20dnポリエステル 33% 混合 裏地/50dnポリエステル 100% 中綿/ダウン 80%・フェザー20%(650FP) 羽毛量/30g 日本製
シュラフを重ねる!
ノーブランドの安いシュラフを購入して、2枚重ねにする作戦。この方法がいちばん気に入っています。手前の赤いシュラフがそうなんですが、その安さときたら1,980円(購入時)! 某通販サイトで、貯まったポイントで購入しました。「耐寒温度-10℃」という触れ込みでした。分厚い化繊により、袋に収納しても丸々とボリューム充分。ダウン製品に比べるとコンパクト性は劣りますが、購入価格は1/20と圧倒的にお値段がコンパクトです。
LICLI 寝袋
●サイズ:縦220cm(フード部分 30cm) 横 75cm(展開時 150cm)厚み2cm
●重量:約1.8kg
●最低使用温度:-10度
●重量:約1.8kg
●最低使用温度:-10度
写真ではコットを使っていますが、地面によっては不要。とにかくしっかりマットを敷くことが大事で、ときには2枚重ねにすることも。
上下とも長袖のアンダーウェアのみで、氷点下に達する状況でも快適に眠れています。予報を下回る最低気温に負けそうなときもありますが、そのときは前述のダウン作戦を同時展開すれば問題ありません。
ちなみにシュラフを重ねる作戦は、家族キャンプでも活用しています。妻子に「ダウンを着たまま寝ろ」とは言いにくいですし、ダウンパンツを家族分そろえたら、けっこうな出費になってしまいますから。
それでも不安が残る場合は、電源付きサイトを選べばOK!
電源サイトなら安心!
いくら対策をしたといっても、子供のことを考えると不安は消えません。しかし電源付きのサイトがあるキャンプ場を選べば安心! 家で使っているコタツやホットカーペットをそのまま持って行ってしまいましょう。電気の暖房器具でぽかぽか
電源付きサイトならコタツを持って行って「お座敷スタイル」に挑戦してもいいですし、就寝時はホットカーペットや電気毛布が大活躍です。底冷えどころか下から熱が伝わってきて、自宅以上に暖かく眠れるかも……?電源サイトのうまい使い方は、こちらの記事を参考に
有効活用したい電源サイトですが、あまり使ったことがない人はどう使えばわかりづらいですよね。事例と共に活用方法を下の記事からチェックしてみましょう。また、使えないワット数の家電などもあるので、知っておくと便利ですよ。冬キャンプに繰り出そう!
以上、冬キャンプをはじめたいキャンパー向けに、高性能シュラフを買わなくても済む方法をご紹介しました。ファミリーキャンプの場合、電源付きサイトを選んで、さらにシュラフを2枚重ねにするのがもっとも有効ではないでしょうか。夏と違って虫もいないし、キャンプ場も空いているし、景色や星空がくっきりと楽しめる冬キャンプ。せっかくテントがあるのなら、挑戦しても損はありませんよ。
キャンプでの寒さ対策に有効な情報はこちら
※こちらで紹介するアイデアは、あくまで個人の実体験によるものです。少しでも不安な方は、しっかりと対策を講じて冬キャンプを楽しんでください