A-suke流「アウトドア ダンディズム」#07:ナイフの研ぎ方

ナイフには「研ぎ」が必要不可欠

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ナイフを使うにあたってみんなが心配することがあると思う。それは、今の切れ味が悪くなってしまうということじゃないかな。いいナイフを買うと箱出し、つまり新品の状態での切れ味はかなりのものだ。しかし永遠に切れ味が持続する刃物は存在しない。だから切れ味が鈍ることを恐れてガンガン使えないってことないかな?

研いで切れ味を戻すっていう技術は、ナイフを躊躇なくナイフを使うためにも必要な技術なんだ。でも「切れ味が余計悪くなったらどうしよう」とか思って初めての研ぎを延期させている人も多いように思える。そこで今回は研ぎについて解説したい。

まず、初めて刃物を研ぐ人は安めの刃物からスタートすること。高い刃物はおそらく硬くて研ぎにくいし、万が一にもミスして大きな傷が入ったら残念だからね。まずは安い刃物で練習しましょう。練習にはオピネルが最適。安いし炭素鋼なら柔らかくて研ぎやすい。あ、オピネルのステンレスでもOKなんだけどね。使って研いで使って研いでを繰り返そう。

研ぐにはこれがなきゃ始まらない

%e7%a0%a5%e7%9f%b3001 次に砥石の用意。簡易シャープナーというものがあって、これでも一時的には切れ味は回復するんだけど……。簡易シャープナーは「こすって」表面だけを整えるので切れ味の持続性がないんだよね。キチンとした砥石で「削って」キチンと整えることを覚えてほしい。そう、研ぐということは刃物をほんの少しだけ削って刃を整えるってことなんだ。

板前さんの包丁で細く形が変わってしまった包丁を見たことないかな? あんなになるには何年も毎日のように研がないとなんだけど、研ぐということは削って減らしていることでもあるんだ。砥石は「荒砥」「中砥」「仕上げ砥」の3つに分類できる。砥石には番手という数字が記されていてその荒さがわかるようになっている。

まぁ、会社によって少し違うんだけど荒砥の場合は#160~600程度、中砥だと#800~1500程度、仕上げ砥は#2000~10000くらい。一般的に「荒砥」は刃が欠けたり、切っ先が鈍ったりしたときにそれを補修するときなどに使うので初めは必要ない。まずは「中砥」を買いましょう。

一般的な切れ味だったらこれだけで問題なく回復するのです。余裕があれば「仕上げ砥」もあるといいね。おススメはシャプトン 刃の黒幕#1000 ちょっと値が張りますがこれさえあればとりあえず大丈夫。ずっと使えますよ。

さあ、研いでみよう

%e7%a0%a5%e7%9f%b3002 さて、やっと研ぎ方です。まずは砥石に水を吸わせて準備する。砥石によって水を吸わせる時間が違うから砥石を買うときに確認しておこう。シンクなどに雑巾やキッチンペーパーで砥石が動かないようにして研ぐ準備をしよう。研ぎやすいポジションを作るってことがまずは大事。
%e5%b0%8f%e5%88%83001 ナイフの刃をよく見ると段がついていると思う。この小さな面を小刃といいます。この小刃を研ぐのが一般的なナイフの研ぎ。

右利きの方は右手でナイフを持ったら刃を自分の方に向けて砥石にのせたらそちらが表側を研ぐってこと。表面は使うときに上に来る面ってことね。研ぐにあたって角度がとても重要。常に同じ角度になるように心がけること。この時角度が鋭角(15度くらい)だと切れ味は鋭くなります。が、刃持ちは悪くなり、すぐに切れ味が落ちちゃう。鈍角(30度くらい)だと刃持ちはいいのですが切れ味はイマイチになりがち。

でもまずは箱出しの状態と同じ角度で研いでみよう。これは、小刃を油性マジックで塗るとキチンと角度が保てて研げているかわかるよ。
%e7%a0%94%e3%81%8e%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%af どちらにせよこの角度をきちんと保つのがコツ。これは薄いナイフのほうが簡単で、厚みが増すと難しくなる。だから最初は薄いナイフで練習しよう。まずはハンドル側の付け根の方から何度か前後にストロークさせてみよう。マジックが消えているか確認だ。きれいに消えていれば問題ない。同じ角度でストロークしよう。この時ナイフの全長が砥石の幅よりも長いと思う。なので少しづつ切っ先に向けてスライドさせる。

ナイフの先の方に行くにしたがってRになるけどその時は手をRに沿って動かしてストロークさせよう。この時もマジックを塗るとわかりやすいぞ。Rの部分は少ししか砥石に接触しないのでストロークをしすぎると形が変わってしまうのでやりすぎないようにね!

何度かストロークさせたら指でエッジを裏から触ってみよう。カエリといわれるバリが出ていたら表は終わり。部分的に出ていなかったらそこを中心に研いでカエリを出そう。裏も同じように研いでもう一度表にカエリを出す。そうしたら次はまた表に戻って仕上げとして今までよりも軽く2~3回砥石の上を滑らせるように研ぐ。これで完了だ。仕上げ砥まで行く人は同じ工程をもう一回繰り返そう。

切れてこそ、刃物

%e5%88%87%e3%82%8c%e5%91%b3 あ、そうそう、切れ味が回復したかは爪に刃を当ててみるといい。クッとすぐに引っかかるようならかなり切れ味は回復しているはずだ。コピー用紙を切ってみるとスッと空中で切れればOKだろう。それ以上の切れ味を求めるのであれば仕上げ砥など別の砥石が必要になってくる。
どんな刃物も研げば必ず切れる刃物になる。さぁ、やってみよう!
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